脚本が面白くなる!変化するキャラクターの作り方

この記事は 2023年10月24日 に更新されました。

キャラクターは脚本の顔であり、読者に気に入られなければなりません。例えば、主人公は嫌いだけれど作品自体は好きというパターンはあまりないでしょう。そのため、脚本家はキャラクターを魅力的にすることに注力する必要があります。魅力的なキャラクターを作るためのヒントは「変化」です。変化するキャラクターは読者の注目を集めて離しません。記事では、脚本を面白くする変化するキャラクターの作り方について解説します。

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面白い脚本の条件とは?

面白い脚本とはどのようなものでしょうか。テーマが崇高な脚本、サスペンスフルな脚本、心があたたまる脚本。考え方は人それぞれですが、読者を飽きさせない脚本が良い脚本だという認識は共通です。

最近はスマホやタブレットで気軽に映画を見ることができる時代です。裏を返せば、つまらない映画はすぐに捨てられてしまうということを意味します。途中まで見たけれどつまらないから他を見よう、と簡単にスイッチされるのです。

では、最後まで見てもらえる映画の脚本とはどのようなものでしょうか。一言でいうと感動が詰まっている脚本です。読み始めてページをめくるたびに新たな感動があれば、途中で本を閉じられる心配をせずにすみます。

「全米が泣いた」というキャッチコピーが流行った時期がありました。しかし涙を流すことだけが感動ではありません。「へー」と感心したり、「えっ!」と驚いたり、「はぁ」と落胆することも感動のひとつです。

このように読者が感動できる脚本は最後まで読んでもらえます。逆に、読んでも何も感じない脚本、見ていて何も思わない映画は、苦痛を伴うものです。そのような作品は途中でバッサリ切り捨てられてしまうでしょう。そのため、脚本には読者を感動させる仕組みが必要なのです。

  1. 読者は感動させなければならない
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感動とは変化だ

脚本家の仕事は、読者を感動させることです。しかし思うようにいかないこともあります。才能が足りないのでしょうか? いいえ、それは感動が生まれる原理を知らないだけかもしれません。その原理を知れば、誰でも感動的なストーリーを作れるのです。

ものごとには必ず原因と結果があります。ラーメンを食べるから満腹になるのであって、何もせずに満腹にはなりません。感動も同じです。目には見えないけれど「感動スイッチ」のようなものが人間には備わっており、それを押すから感動が生まれます。

問題は、そのスイッチがどこにあるのか? どうやって押すか? ということ。ところがその答えはシンプルです。変化を見せれば観客は感動するでしょう。

例えば、動かない石ころを見ても感動は生まれません。しかし、その石ころがパカッと開いて芽が出て花が咲いたら「なんだ?」と興味を持つのではないでしょうか。また、閉まったままのドアを眺めていても退屈ですが、開いて誰かが入ってくれば注目します。このような変化が読者の感動を呼び起こすのです。

  1. 読者を感動させるには変化を見せる

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変化させる対象は?

脚本で変化させる対象はいくつかあります。登場人物、場所、時間。なかでも登場人物=キャラクターの変化は最重要だといえるでしょう。なぜなら脚本の読者が最も注目する対象がキャラクターだからです。手品では、トランプなどに観衆の注目を集めておき、パッと消滅(変化)させることで最大限の効果を狙いますが、作劇のそれと似ています。

その対象は主人公に限りません。脇役でもそのシーンの中心にいる人物であれば変化の対象です。要は観客が注目するキャラクターを変化させることが重要なのです。あらゆるキャラクターの変化を連続してみせることで、読者を飽きさせずに、ストーリーにつなぎとめておくことができます。

  1. 変化させるのはキャラクターだ
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変化は急カーブ

キャラクターを変化させるときのコツは思い切って急カーブです。熱湯が徐々にぬるま湯になるような緩いカーブの変化だと読者に与える感動は少なくなります。電話の着メロが大音量で鳴ると驚くように、急に大きな変化であるほど読者は感動するのです。

特に主人公の心情のような脚本の核ともいえる部分は、急カーブに変化するよう意識してください。主人公は、物語の最初から最後まで登場しているので、その変化も緩やかな弓形になってしまうと考えるかもしれません。しかしより効果的な変化を生み出すには、やはり急カーブにしましょう。弓の弦を引き絞って、限界まで達したところで全く逆の方向に放つようなイメージです。

  • 臆病者が、急に覚悟を決めて万人が恐れるラスボスに立ち向かう。
  • 何人も殺害した凶悪犯が、たったひとりの子供のために命を投げ捨てる。

このように、キャラクターが急激に変化する瞬間を目の当たりにすることで読者は感動します。キャラクターを作るときには、ストーリーを通してどのように変化するのかを考慮すると良いでしょう。もしすでにある程度のストーリーが出来上がっているのなら、その変化を順に追って明文化することで再確認できます。

  1. キャラクターは突然、急に、変化させる

まとめ

キャラクターが変化すると読者は感動します。そのためキャラクターを作る際には、どのように変化するのかをあらかじめ決めておかなければなりません。ある程度のストーリーが決まっているなら、登場人物の変化を書き出すとよいでしょう。常に変化が起こっているか確かめられます。そして最初と最後を見比べ、主人公が最大級の変化をしているか確認します。もし変化していなければ、また穏やかなカーブなら、ぜひ再考してください。これが変化するキャラクターの作り方です。

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