面白い脚本を書くコツは小道具にあり!

脚本に関するコラム

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シナリオコンクールに何度応募しても、なかなか結果が出ない……そんな悩みを抱えている方もいるのではないでしょうか。原因のひとつとして考えられるのが、「小道具」の使い方です。小道具をうまく使えるようになると、脚本の完成度は大きく変わります。この記事では、小道具を使って読者の心を動かす方法を、具体例とともに紹介します。

面白い脚本の条件とは

面白いとされる脚本の条件には、構成が良い、セリフが洒脱であるなど、いろいろなものがあります。その中でも、絶対に外せない条件が「感動できること」です。感動のない脚本は、どれだけ構成が整っていても、電化製品の説明書のように味気ないものになってしまいます。

「感動」とは、文字どおり「感情が動く」ことです。読者の感情を動かすには、何をすればいいのでしょうか。答えは、登場人物の感動を読者に伝えることです。私たちは、相手が空想の人物であっても、その人が感動している様子が伝わってくると、自分自身も感動します。つまり、面白い脚本とは、登場人物の感動を読者へと伝える脚本のことなのです。

面白い脚本を書くコツは小道具にあり

脚本家として、物語の中で登場人物をきちんと感動させていますか? その気持ちがあっても、読者に正しく伝わっていなければ意味がありません。そこで役立つのが小道具です。小道具を使うことで、登場人物の気持ちや感動を、読者にダイレクトに伝えることができます。

NG例は、ト書きに「花子、喜んでいる」「とても怒っている太郎」とだけ書いてしまうことです。これでは、読者には感情が伝わりません。良い例は、その感情の結果としてどんな行動を起こしたかまで書くことです。喜びを表すなら傘を振り回す、怒りを表すならペンをへし折る——こうした小道具を使った行動こそが、面白い脚本を書くコツです。感情そのものを説明するのではなく、感情によって引き起こされた行動を描くと意識してみてください。

小道具が演出の幅を広げる

小道具を自由に使えるようになると、演出の幅が一気に広がります。感情表現に小道具が効果的だといっても、いつも同じ小道具を同じように使っていると、読者は飽きてしまいます。また、「嬉しい」という感情にも、少し嬉しい、かなり嬉しい、飛び上がるほど嬉しいといった段階があります。

例えば「傘」という小道具なら、少し嬉しいときは、はにかんで傘に顔を隠す程度。かなり嬉しいときは傘をクルクルと振り回す。最上級の喜びなら、傘を放り出して雨の中で踊り出す——というように、同じ小道具でも使い方次第で表現の幅は無限に広がります。演出の選択肢が増えれば、物語に奥行きとオリジナリティが生まれ、作品全体の完成度も上がっていくでしょう。

小道具はト書きで輝く

小道具を効果的に使うコツは、ト書きにあります。柱(シーンの見出し)を書いたあと、すぐにセリフから書き始めるのではなく、できるだけト書きから書き始めてみてください。シーンの冒頭で状況をきちんと説明しておくことが大切です。

小道具を生かすには、「変化」を描くことがポイントです。何も持っていなかった人物が、急に隠し持っていたナイフを取り出すから驚きが生まれます。化粧直しに使っていた手鏡が、実は割れていたとわかるから、複雑な心情が伝わります。つまり、ビフォーとアフターの状況をそれぞれきちんと書き分けることが、小道具を生かすコツなのです。

シーンが連続すると、すでに説明した小道具については、つい描写を省略したくなるものです。しかし、小道具を印象づけたいときは、面倒でも一つひとつ丁寧に書いていきましょう。「きっと読者がわかってくれるだろう」という甘い考えは、手抜きと受け取られてしまいます。

小道具を使った脚本の演出に関するよくある質問

Q. 小道具を使った演出は、どんなシーンに向いていますか?

登場人物の感情が大きく動くシーンほど効果的です。喜び、怒り、悲しみといった感情をセリフで説明する代わりに、身近な小道具を使った行動に置き換えてみてください。セリフが多くなりがちなシーンほど、小道具の出番です。

Q. 小道具がうまく思いつかないときは、どうすればいいですか?

そのキャラクターの身の回りにあるものを、まず書き出してみてください。スマホ、ハサミ、傘、手鏡など、特別なものでなくてかまいません。日常的なアイテムほど、観客が自分の生活と結びつけやすく、感情を想像しやすくなります。

Q. 小道具を使うと、ト書きが長くなってしまいませんか?

多少長くなってもかまいません。ただし、感情を直接説明する言葉(「嬉しい」「悲しい」など)は削り、その代わりに小道具を使った行動だけを書くようにしましょう。説明の言葉を減らして行動の描写に置き換えることで、結果的に読みやすいト書きになります。

まとめ:小道具は感情を伝える最強のツール

「神は細部に宿る」という言葉があるように、一本の映画で使われるたった一つの小道具が、脚本の完成度を大きく左右します。小道具を自在に操れるようになると、登場人物の感情を読者へ直接伝えることができ、読者も自然と感動してくれるはずです。あなたの脚本でも、感情をセリフで説明している部分があれば、その感情を小道具を使った行動に置き換えられないか、一度見直してみてはいかがでしょうか。

脚本の書き方をさらに学べる本

ト書きや演出についてさらに学びたい方には、以下の書籍もおすすめです。


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