10月27日(火)20時15分からWOWOWプライムで、映画「富士山と、コーヒーと、しあわせの数式」が放送されます。監督を務めたのは、「青い鳥」「花のあと」「大河への道」などを手がけてきた中西健二さんです。
祖母と孫が同じ大学で学び、それぞれの人生に向き合っていく静かな家族映画を、中西監督はどのように形にしたのでしょうか。公式プロフィールと作品情報、監督インタビューをもとに、経歴や代表作、演出から学べる点を紹介します。
10月27日放送「富士山と、コーヒーと、しあわせの数式」
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 放送日時 | 2026年10月27日(火)20:15〜 |
| 放送局 | WOWOWプライム |
| 作品 | 富士山と、コーヒーと、しあわせの数式 |
| 監督 | 中西健二 |
| 脚本 | まなべゆきこ |
| 主演 | 豆原一成、市毛良枝 |
WOWOW公式によると、本作は2025年制作の日本映画で、10月27日20時15分から放送予定です。大学生の拓磨と祖母の文子が、亡くなった祖父・偉志の思いをきっかけに、それぞれ新しい一歩を踏み出す家族の物語です。
拓磨は将来の夢に自信を持てずに悩んでいます。一方、若い頃に大学へ行けなかった文子は、偉志が残した生涯学習教室の案内をきっかけに大学で学び始め、同じキャンパスに通う孫と祖母の時間が動き始めます。
監督は中西健二さん、脚本はまなべゆきこさん、原案は文京学院大学の創立者・島田依史子さんの自叙伝です。豆原一成さんと市毛良枝さんがダブル主演を務め、酒井美紀さん、八木莉可子さん、長塚京三さんらが共演しています。
作品は大きな事件を次々に起こすタイプではなく、家族の会話や学び直し、将来への迷いといった身近な感情を積み重ねていきます。中西監督自身もインタビューで、人の優しさを感じられる作品として、じっくり味わってほしいと語っています。
中西健二さんはどんな監督?
映画公式サイトによると、中西健二さんは1961年12月3日生まれ、大阪府出身です。1986年、舛田利雄監督の映画「この愛の物語」で助監督として映画業界に入りました。
長く助監督として現場経験を積み、2008年に重松清さん原作、阿部寛さん主演の「青い鳥」で映画監督デビューしました。同作は東京国際映画祭の「日本映画・ある視点」に出品されています。
その後、藤沢周平さん原作の「花のあと」、赤城大空さん原作の「二度めの夏、二度と会えない君」、立川志の輔さんの創作落語をもとにした「大河への道」などを監督しました。JFDBの人物ページでも、これらが中西さんの主な監督作として掲載されています。
また、JFDBでは「探偵ミタライの事件簿 星籠の海」で脚本スタッフとしても記録されています。監督だけでなく、物語を文章の段階から組み立てる仕事にも関わってきたことが分かります。
中西健二さんの代表作
監督デビュー作「青い鳥」は、重松清さんの小説を映画化した作品です。いじめによって一人の生徒が転校した中学校を舞台に、吃音のある臨時教師と生徒たちの関係を描きました。
「花のあと」は藤沢周平さんの同名短編を原作にした時代劇で、北川景子さんが主演しました。剣の腕を持つ女性が身分や家の事情と向き合う物語で、恋愛だけでなく、抑えた感情をどう映像で見せるかが重要になる作品です。
「二度めの夏、二度と会えない君」は、青春と音楽、時間を越えたやり直しを題材にしています。時代劇や社会派作品とは異なる若者の物語も手がけており、題材に合わせて演出の温度を変えられる監督であることが分かります。
2022年の「大河への道」は、中井貴一さん主演で、伊能忠敬の日本地図をめぐる物語を現代と江戸時代の二つの時間軸で描きました。歴史上の偉業をそのまま説明するのではなく、現代人が地域の企画を作る過程と重ねる構成が特徴です。
そして2025年の「富士山と、コーヒーと、しあわせの数式」では、孫と祖母という世代の違う二人を中心に置きました。中西監督の作品歴を並べると、原作ものを多く手がけながら、人物の感情を軸に映像へ置き換えてきた流れが見えてきます。
「富士山と、コーヒーと、しあわせの数式」の演出
映画公式サイトでは、本作を「祖父が遺したやさしいサプライズ」から始まる家族の物語として紹介しています。祖父は物語の開始時点で亡くなっていますが、その思いが大学の案内や手帳の数式を通して、残された家族を動かします。
つまり、画面に長く登場しない人物を、物語の中心に置く構造です。拓磨と文子がそれぞれ迷いを抱えながら、偉志が残したものを読み解くことで、過去の人物が現在の行動へ影響を与え続けます。
中西監督はQJWebのインタビューで、主演の豆原一成さんについて、撮影前に動きながら本読みを行ったことを話しています。俳優としての経験値を考え、座ったまま読むだけでなく、実際の芝居に近い状態で準備する方法を選んだと説明しています。
また豆原さん自身も別のインタビューで、中西監督から不自然なことを見せたくないと言われていたと振り返っています。日常の一瞬を切り取る作品だからこそ、感情を大きく見せすぎず、自然なやり取りを積み重ねることが演出の軸になったと考えられます。
主演・共演者とスタッフ
主人公の安藤拓磨を演じるのはJO1の豆原一成さん、祖母の安藤文子を演じるのは市毛良枝さんです。市毛さんにとっては44年ぶりの映画主演となり、世代の大きく異なる二人が同じ大学に通う関係を演じています。
拓磨の母・綾役は酒井美紀さん、拓磨と関わる大石紗季役は八木莉可子さん、亡き祖父・偉志役は長塚京三さんです。物語の中心にいる二人だけでなく、家族や周囲の人々が、それぞれの一歩を支える配置になっています。
脚本はまなべゆきこさん、撮影は中坊武文さん、音楽は安川午朗さんが担当しています。原案は島田依史子さんの著書で、文京学院大学の創立100周年事業とも結びついた作品です。
中西監督は、こうした原案の背景をそのまま伝記映画にするのではなく、現代の孫と祖母の物語へ置き換えています。原案が持つ「学ぶこと」への思いを、家族のドラマとして観客に届ける形を選んだ点が特徴です。
中西健二さんの演出から脚本志望者が学べる点
第一に学べるのは、中心テーマを人物の行動に変えることです。本作のテーマには学び直しや人生の再出発がありますが、それを説明だけで語らず、文子が実際に大学へ通い始める行動として見せています。
脚本でもテーマを台詞で言わせるだけでは弱くなります。「挑戦することが大切だ」と話す代わりに、迷っていた人物が教室の扉を開ける場面を書けば、観客は行動から意味を受け取れます。
第二は、登場しない人物を物語の推進力にできることです。偉志は亡くなっていますが、大学の案内や手帳の数式を残すことで、文子と拓磨を動かします。人物が画面にいなくても、残した物や言葉が現在の選択に作用すれば、存在感を保てます。
第三は、俳優に合わせて準備方法を変える姿勢です。中西監督は豆原さんの経験を踏まえ、動きながら本読みをする方法を採りました。脚本も同じで、完成した文章を絶対視するのではなく、俳優が自然に演じられるかを考えて場面や台詞を見直す視点が重要です。
第四は、原案の核を残しながら別のドラマへ再構成することです。島田依史子さんの人生をそのまま再現するのではなく、「学ぶ喜び」という核を現代の祖母と孫へ受け渡しています。原作や実話を扱う脚本では、何を残し、何を新しく作るかを決めることが脚色の要になります。
中西監督の作品は、派手な出来事よりも人物の心が少し動く瞬間を丁寧に拾う作品が少なくありません。今回の放送では、拓磨と文子が大きな決断をする場面だけでなく、その前後の表情や間、日常のやり取りにも注目すると、演出と脚本のつながりを学びやすくなります。
参考にした情報
- WOWOW公式「富士山と、コーヒーと、しあわせの数式」
- 映画「富士山と、コーヒーと、しあわせの数式」公式サイト ABOUT THE MOVIE
- JFDB「中西健二」
- 文京学院大学 創立100周年事業「富士山と、コーヒーと、しあわせの数式」
- QJWeb「中西健二監督インタビュー」
よくある質問
中西健二さんは「富士山と、コーヒーと、しあわせの数式」の監督ですか?
はい。WOWOW公式と映画公式サイトの双方で、中西健二さんが監督として掲載されています。
中西健二さんの代表作は何ですか?
監督作に「青い鳥」「花のあと」「二度めの夏、二度と会えない君」「大河への道」「富士山と、コーヒーと、しあわせの数式」などがあります。
中西健二さんはいつ監督デビューしましたか?
映画公式サイトによると、2008年に重松清さん原作、阿部寛さん主演の「青い鳥」で映画監督デビューしました。
「富士山と、コーヒーと、しあわせの数式」はいつ放送されますか?
2026年10月27日(火)20時15分からWOWOWプライムで放送予定です。
まとめ
10月27日20時15分からWOWOWプライムで放送される「富士山と、コーヒーと、しあわせの数式」は、中西健二さんが監督を務めた家族映画です。祖母と孫が同じ大学に通い、亡き祖父の思いに導かれながら、それぞれの人生に一歩を踏み出します。
中西監督は「青い鳥」で監督デビュー後、「花のあと」「大河への道」など、幅広い原作作品を映像化してきました。本作では自然な芝居と日常の感情を重視しており、脚本志望者にとっても、テーマを人物の行動に変える方法や、原案の核を別の物語へ移す方法を考える良い教材になります。

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