10月27日(火)22時からJ:COM BSで、「三男三女婿一匹」第1シリーズ第19話が放送されます。制作会社テレパックの公式作品ページでは、このシリーズの脚本陣として高橋玄洋さん、福田陽一郎さんとともに市川森一さんの名前が掲載されています。
市川森一さんは「快獣ブースカ」で脚本家デビューし、「傷だらけの天使」「黄金の日日」「淋しいのはお前だけじゃない」など、テレビ史に残る作品を数多く手がけた脚本家です。今回の再放送をきっかけに、市川さんの歩みと代表作、作品づくりの特徴を改めて見ていきます。
10月27日放送「三男三女婿一匹」と市川森一さん
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 放送日時 | 2026年10月27日(火)22:00〜23:00 |
| 放送局 | J:COM BS |
| 番組 | 「三男三女婿一匹」第1シリーズ第19話 |
| 主な出演 | 森繁久彌、山岡久乃、井上順ほか |
| シリーズ脚本 | 高橋玄洋、福田陽一郎、市川森一 |
J:COM BSの公式番組表では、10月27日22時から第1シリーズ第19話が放送されることが確認できます。番組表情報によると、この回では大学受験の日を迎えた君子を家族が気にかける様子が描かれます。
制作会社テレパックは「三男三女婿一匹」を、大病院を舞台に患者や病院スタッフ、家族の悲喜こもごもを描いたドラマとして紹介しています。第1シリーズは全29話で、市川森一さんは高橋玄洋さん、福田陽一郎さんと並んでシリーズの脚本陣に名を連ねています。
ただし、公式に確認できる資料では第19話そのものを市川森一さんが単独で執筆したとは特定できません。この記事では、今回の放送作に関わったシリーズ脚本家の一人として、市川さんの仕事を紹介します。
市川森一さんはどんな脚本家?
市川森一さんは1941年、長崎県諫早市生まれです。諫早市の公式プロフィールによると、日本大学芸術学部を卒業し、1966年に「快獣ブースカ」第4話で脚本家としてデビューしました。
その後は「ウルトラセブン」「帰ってきたウルトラマン」などの特撮作品から、青春ドラマ、ホームドラマ、大河ドラマ、映画まで幅広いジャンルを執筆しました。デジタル脚本アーカイブズでは、1974年の「傷だらけの天使」でメインライターを務め、脚光を浴びたことが紹介されています。
1978年には37歳でNHK大河ドラマ「黄金の日日」の脚本を担当しました。さらに「山河燃ゆ」「花の乱」も手がけ、大河ドラマを複数回担当した脚本家として知られています。
諫早市は、市川さんが生涯で手がけた作品を800本以上と紹介しています。テレビだけにとどまらず、映画、舞台、小説にも活動を広げ、日本放送作家協会理事長や長崎歴史文化博物館名誉館長、諫早図書館名誉館長なども務めました。
2011年12月に70歳で亡くなった後も、故郷の諫早市では「森一忌」や記念文化講演会が続けられています。脚本そのものだけでなく、放送文化に残した仕事が今も地域と業界の双方で受け継がれている人物です。
市川森一さんの代表作と受賞歴
市川森一さんの代表作を振り返ると、ひとつの作風に収まらない幅の広さが見えてきます。特撮でキャリアを始めながら、のちには家族、男女、歴史、死生観などを扱う人間ドラマへ領域を広げました。
「傷だらけの天使」は萩原健一さん、水谷豊さんが演じる若者たちを中心にした作品で、市川さんの名前を広く知らしめた一本です。一方、「黄金の日日」では歴史上の人物を題材にしながら、商人の視点から時代を見せる大河ドラマを作り上げました。
1982年放送の「淋しいのはお前だけじゃない」は、第1回向田邦子賞の受賞作です。東京ニュース通信社の公式ページでは、斬新な発想でテレビドラマの新しい境地を開拓したことが授賞理由として示されています。
映画では「異人たちとの夏」で第12回日本アカデミー賞最優秀脚本賞を受賞しました。日本アカデミー賞公式では、山田太一さんの小説を映画脚本へ脚色した仕事として市川さんの受賞が記録されています。
ほかにも「港町純情シネマ」で芸術選奨文部大臣新人賞、「明日・1945年8月8日・長崎」などで芸術選奨文部大臣賞、「幽婚」でモンテカルロ・テレビ祭最優秀脚本賞を受賞しました。2003年には紫綬褒章、2011年には旭日小綬章を受章しています。
こうした経歴を見ると、市川さんは連続ドラマの娯楽性と、歴史や土地に根ざした重いテーマの両方を扱ってきたことが分かります。「三男三女婿一匹」のような家族ドラマも、その幅広い仕事の中に位置づけて見ると面白さが増します。
「三男三女婿一匹」に見る家族と職場の重なり
「三男三女婿一匹」は、病院と大家族という二つの共同体を同時に描く作品です。院長の大五郎を中心に、患者や職員の出来事と、家庭内の親子・夫婦の騒動が交差していきます。
この設定の強みは、登場人物が家庭だけ、職場だけに閉じないところにあります。病院での立場が家族関係に影響し、家族の問題が病院での振る舞いににじむため、一人の人物を複数の角度から見せられる構造になっています。
第19話は君子の大学受験を家族が気にかけるエピソードです。大五郎が渡すお守りが実は去年のものだったという小さなずれが、家族の心配とユーモアを同時に生み出しています。
シリーズには複数の脚本家が参加しているため、市川森一さんの担当回だけの特徴として断定することはできません。それでも、家族の会話や関係のずれをドラマにする作品に市川さんが参加していたことは、その後の人間ドラマにつながる仕事として見ることができます。
市川森一さんの作風を代表作から見る
市川森一さんの作品には、社会の中で少しはみ出した人物や、心の中に矛盾を抱えた人物が多く登場します。善悪を単純に分けず、格好悪さや弱さを持つ人間を物語の中心に置くことで、人物そのものに興味を持たせる作りが目立ちます。
「淋しいのはお前だけじゃない」では、華やかな舞台の世界と現実の生活がぶつかり合います。「異人たちとの夏」では現実と記憶、現在と過去が交わり、主人公の孤独を浮かび上がらせます。
また、故郷の長崎を扱った作品を数多く残したことも大きな特徴です。諫早市は「夢暦長崎奉行」「蝶々さん」「幻日」などを挙げ、市川さんの郷土への思いが創作につながったと紹介しています。
題材が特撮、ホームドラマ、大河、映画と変わっても、人物の内側にある寂しさや欲望、家族や土地との結びつきを掘り下げる姿勢は共通しています。大きな事件だけでなく、人が誰かとどう関わるかをドラマの中心に置いた脚本家といえるでしょう。
共演者・作品を支えた顔ぶれ
今回放送される「三男三女婿一匹」には、森繁久彌さん、山岡久乃さん、井上順さんのほか、西田敏行さん、泉ピン子さん、池上季実子さんらが出演しています。制作会社テレパックの公式ページには、3シリーズが作られた人気作であることも記載されています。
市川森一さんの代表作では、西田敏行さんが「淋しいのはお前だけじゃない」に出演しています。同作には泉ピン子さんも出演しており、「三男三女婿一匹」の出演者と、その後の市川脚本を代表する作品で再び接点が生まれている点も興味深いところです。
脚本家の仕事を追うときは、作品名だけでなく、同じ俳優や演出家と別作品でどのような関係を築いたかを見ると、テレビドラマの歴史が立体的に見えてきます。
脚本志望者が学べる点
市川森一さんの仕事から学びたい第一の点は、人物を一面だけで決めないことです。「三男三女婿一匹」の大五郎は病院では院長ですが、家庭では家族に振り回される父親でもあります。肩書きと家庭内の顔をずらすだけで、人物に奥行きが生まれます。
第二の点は、人物の弱さを物語の欠点にしないことです。「淋しいのはお前だけじゃない」や「異人たちとの夏」のように、寂しさや未練を抱えた人物を中心に据えると、その弱さが行動の理由になります。
第三の点は、土地や時代背景を飾りにせず、人物の選択と結びつけることです。市川さんは長崎を題材にした作品を繰り返し手がけましたが、郷土の歴史や記憶を人物の人生と重ねることで、物語の必然性を高めています。
脚本を書くときも、設定を増やすだけでは人物は立ちません。「この人は職場ではどう見られているのか」「家族の前では何が崩れるのか」「この土地で暮らしてきたことが何を選ばせるのか」と問いを重ねると、行動に理由が生まれます。
市川さんの作品群は、派手な仕掛けより先に人物の矛盾を見つけ、その矛盾が人間関係の中でどう揺れるかを描く大切さを教えてくれます。今回の「三男三女婿一匹」も、家族の何気ないやり取りの中で人物がどう見えるかに注目すると、脚本の勉強材料として楽しめます。
参考にした情報
- J:COM BS 公式番組表
- テレパック公式「三男三女婿一匹」
- 諫早市「森一忌」市川森一プロフィール
- デジタル脚本アーカイブズ「市川森一」
- 東京ニュース通信社「第1回向田邦子賞」
- 日本アカデミー賞公式 第12回受賞結果
よくある質問
市川森一さんは「三男三女婿一匹」の脚本家ですか?
制作会社テレパックの公式ページでは、高橋玄洋さん、福田陽一郎さんとともに市川森一さんがシリーズ脚本陣として掲載されています。ただし、第19話単独の担当者までは公式資料で特定できませんでした。
市川森一さんの代表作は何ですか?
「傷だらけの天使」「黄金の日日」「淋しいのはお前だけじゃない」「山河燃ゆ」「花の乱」などがあります。映画「異人たちとの夏」では日本アカデミー賞最優秀脚本賞を受賞しています。
市川森一さんはどこ出身ですか?
1941年、長崎県諫早市生まれです。諫早市では市川さんの功績を伝える「森一忌」や記念文化講演会が行われています。
「三男三女婿一匹」第19話はいつ放送されますか?
2026年10月27日(火)22時から23時まで、J:COM BSで放送されます。
まとめ
10月27日22時からJ:COM BSで放送される「三男三女婿一匹」第1シリーズ第19話は、市川森一さんがシリーズ脚本陣の一人として関わった作品です。第19話単独の担当者は確認できないため、市川さんの執筆回と断定せずに見るのが正確です。
市川さんは特撮から大河ドラマ、家族ドラマ、映画まで幅広く手がけ、人物の弱さや矛盾、家族や土地との結びつきを物語にしてきました。今回の再放送では、登場人物が病院と家庭で見せる違う顔や、家族の会話から生まれる小さなずれに注目すると、脚本づくりのヒントを見つけやすくなります。

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