あらすじとは?役割と書く意味を解説[脚本/小説]

構成・ストーリー・プロットの作り方

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あらすじとは、本文を要約した文章です。文体や文字数に明確な決まりはなく、ケースバイケースで形が変わります。しかし、形式は違えどあらすじが担う役割は同じです。

あらすじを書くに際して大切なことは、形式やテクニックを身につけることより、根幹たる役割を理解することにあるのではないでしょうか。この記事では、脚本家として数多くのあらすじを書いてきた経験から、あらすじが担う基本的な役割を3つに分けて解説します。読者の時間を節約する役割、作品の魅力を伝える最初で最後のチャンスとしての役割、そして本編への橋渡しという役割を理解しておくことで、どんな形式のあらすじを書くときにも一貫した軸を持てるようになります。




あらすじの役割1_
読者の時間を節約する

あらすじは、物語の内容を簡潔に要約する文章です。これは映画脚本でも小説でも変わりません。

小説の背表紙や映画パッケージのあらすじを参考にすると、おおよそ150~300文字くらいでまとめています。メインコンテンツを購入したくなるよう、キャッチーに書かれている点が特徴です。

一方、シナリオコンクールなどへ応募する際にもあらすじは求められます。コンクールあらすじの特徴は、最初から最後まで書くことです。一般的には400~800文字以内にまとめます。

どちらにしろ、あらすじの役割は長い本文を短くまとめることです。なぜ短くまとめる必要があるかといえば、読者の時間を節約するためといえるでしょう。

小説や映画、脚本の本編を読むと時間がかかります。それらすべてに目を通していたら時間がいくらあっても足りません。そこで本文を読むに値するかどうか、ふるいにかけるためにあらすじを読むのです。読者にとってあらすじは「この作品に時間を使う価値があるか」を判断するための材料であり、作者にとっては「限られた文字数で本編の価値を証明する」場でもあります。

あらすじの役割2_
魅力を伝える最初で最後のチャンス

作者にとってあらすじは、作品の魅力を読者に伝える重要な文章です。

例えば、スーパーなどで商品を売る場合、価格や品質などのアピールポイントをポップに書きます。その情報をもとにして、お客は購入の判断を下すのです。不要と思われた商品は、絶対に売れません。

作家にとっての商品は物語本編、ポップがあらすじです。読者はあらすじを一度だけ読み、本編を読むかどうか判断します。あらすじが琴線に触れなければ、本編もつまらないと判断されてしまうでしょう。

また、あらすじを何度も読み返す人は多くありません。基本、一読して本編を読むかどうかを判断します。つまり、一度きりのチャンスを生かし、本編の魅力を余すところなく伝えることがあらすじの役割なのです。だからこそ、「とりあえず書いた要約」で終わらせず、本編の最大の魅力が一文目から伝わるように構成を練る必要があります。




あらすじの役割3_
本編への橋渡し

あらすじが持つ最も重要な役割は、本編への橋渡しです。あらすじを読んだ結果、脚本や小説の本編に興味を持ってもらわなければなりません。

裏を返せば、あらすじで読者を満足させる必要はないのです。

例えば映画の予告動画は、本編の見どころシーンばかりを寄せ集めて作ります。主人公が派手なアクションやラブロマンスを体験し、絶体絶命のピンチに陥る様子を見せ、「はい、続きは劇場で」と作るのです。どうやって問題解決するかなど、肝心な部分は見せません。

通常のコンテンツなら観客は消化不良を起こすでしょう。しかしそうならないのは、映画予告の役割が、それ単体で楽しませることではなく、本編に興味を抱かせることにあるからです。

あらすじも同様です。小説の裏表紙にあるあらすじでは、導入のつかみ部分だけを書きます。一部分を興味深く書くことで、続きを読みたいと思わせる構造になっているのです。

一方、コンクールのあらすじは、ストーリーのラストまですべて書きます。そのルールに則った上で読者の興味を惹きつけなければなりません。

一つの方法として、ストーリーに緩急を付けると良いでしょう。最初から最後まで同じテンションであらすじを書くのではなく、重要な部分(魅力的なエピソード)とそうではない部分のボリュームを書き分けるのです。

あらすじの役割に関するよくある質問

Q. あらすじと要約の違いは何ですか?

要約は本文の内容を漏れなく短くまとめることが目的です。一方、あらすじは「読者に本編を読んでもらう」という目的を持った文章であり、すべての情報を均等に伝える必要はありません。重要なエピソードを厚く、そうでない部分は薄く書くなど、目的に応じた取捨選択が必要になる点が大きな違いです。

Q. 販促用のあらすじとコンクール用のあらすじは何が違いますか?

販促用のあらすじは、結末を見せずに導入部分の興味を惹くことを目的とした「本編への橋渡し」です。一方、コンクール用のあらすじは、審査員に物語全体の構造を理解してもらうために、結末まですべて書くのが基本です。どちらも「読者の時間を節約する」「魅力を伝える」という役割は共通していますが、結末を見せるかどうかという点で書き方が変わります。

Q. あらすじを書くときに最初に意識すべき役割は何ですか?

まずは「読者の時間を節約する」という役割を意識しましょう。あらすじは、読者が本編を読むかどうかを判断するためのふるいです。形式やテクニックよりも先に、「この作品に時間を使う価値があるか」を一読で判断できる文章になっているかを確認することが、すべての土台になります。




まとめ

たかがあらすじとあなどるなかれ。あらすじが未熟な場合、本編が読まれないことも往々にしてあるからです。作家は本編を読まれてはじめて評価されます。あらすじはそのスタートラインに立つための重要なコンテンツだと考えて、丁寧に書いてください。

あらすじの役割を理解したら、次は具体的な書き方も身につけましょう。


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