あらすじとは?基本的な役割を解説
この記事は 2023年10月24日 に更新されました。
あらすじとは、本文を要約した文章です。文体や文字数に明確な決まりはなく、ケースバイケースで形が変わります。
しかし、形式は違えどあらすじが担う役割は同じです。
あらすじを書くに際して大切なことは、形式やテクニックを身につけることより、根幹たる役割を理解することにあるのではないでしょうか。
そんなあらすじの役割について基本的なポイントを3つ解説します。
あらすじの役割1_
読者の時間を節約する
あらすじは、物語の内容を簡潔に要約する文章です。これは映画脚本でも小説でも変わりません。
小説の背表紙や映画パッケージのあらすじを参考にすると、おおよそ150~300文字くらいでまとめています。メインコンテンツを購入したくなるよう、キャッチーに書かれている点が特徴です。
一方、シナリオコンクールなどへ応募する際にもあらすじは求められます。コンクールあらすじの特徴は、最初から最後まで書くことです。一般的には400~800文字以内にまとめます。
どちらにしろ、あらすじの役割は長い本文を短くまとめることです。なぜ短くまとめる必要があるかといえば、読者の時間を節約するためといえるでしょう。
小説や映画、脚本の本編を読むと時間がかかります。それらすべてに目を通していたら時間がいくらあっても足りません。そこで本文を読むに値するかどうか、ふるいにかけるためにあらすじを読むのです。
あらすじの役割2_
魅力を伝える最初で最後のチャンス
作者にとってあらすじは、作品の魅力を読者に伝える重要な文章です。
例えば、スーパーなどで商品を売る場合、価格や品質などのアピールポイントをポップに書きます。その情報をもとにして、お客は購入の判断を下すのです。不要と思われた商品は、絶対に売れません。
作家にとっての商品は物語本編、ポップがあらすじです。読者はあらすじを一度だけ読み、本編を読むかどうか判断します。あらすじが琴線に触れなければ、本編もつまらないと判断されてしまうでしょう。
また、あらすじを何度も読み返す人は多くありません。基本、一読して本編を読むかどうかを判断します。つまり、一度きりのチャンスを生かし、本編の魅力を余すところなく伝えることがあらすじの役割なのです。
あらすじの役割3_
本編への橋渡し
あらすじが持つ最も重要な役割は、本編への橋渡しです。あらすじを読んだ結果、脚本や小説の本編に興味を持ってもらわなければなりません。
裏を返せば、あらすじで読者を満足させる必要はないのです。
例えば映画の予告動画は、本編の見どころシーンばかりを寄せ集めて作ります。主人公が派手なアクションやラブロマンスを体験し、絶体絶命のピンチに陥る様子を見せ、「はい、続きは劇場で」と作るのです。どうやって問題解決するかなど、肝心な部分は見せません。
通常のコンテンツなら観客は消化不良を起こすでしょう。しかしそうならないのは、映画予告の役割が、それ単体で楽しませることではなく、本編に興味を抱かせることにあるからです。
あらすじも同様です。小説の裏表紙にあるあらすじでは、導入のつかみ部分だけを書きます。一部分を興味深く書くことで、続きを読みたいと思わせる構造になっているのです。
一方、コンクールのあらすじは、ストーリーのラストまですべて書きます。そのルールに則った上で読者の興味を惹きつけなければなりません。
一つの方法として、ストーリーに緩急を付けると良いでしょう。最初から最後まで同じテンションであらすじを書くのではなく、重要な部分(魅力的なエピソード)とそうではない部分のボリュームを書き分けるのです。
まとめ
たかがあらすじとあなどるなかれ。あらすじが未熟な場合、本編が読まれないことも往々にしてあるからです。作家は本編を読まれてはじめて評価されます。あらすじはそのスタートラインに立つための重要なコンテンツだと考えて、丁寧に書いてください。
あらすじの役割を理解したら、次は具体的な書き方も身につけましょう。
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