物語を分解して起承転結を理解する『桃太郎』
この記事は 2023年10月24日 に更新されました。
起承転結は、最もポピュラーな物語フォーマットのひとつ。しかし、簡単なようで奥が深いのも事実です。
一般の方なら曖昧でもいいのですが、物語を創作する者であれば、起承転結についてきちんと理解しておくべきでしょう。
古来、種子島の職人は外国から持ち込まれた鉄砲を分解して隅々まで研究し尽くしたといいます。同様に、完成した物語を分解することで、起承転結の深い理解を得られるのです。
今回は、誰もが知る物語『桃太郎』を元に起承転結を解説します。創作のコツも一緒に伝えるので参考としてください。
目次
「結(終わり)」を最初に考える
まずは『桃太郎』の起承転結を簡単におさらいします。
- 起:桃から生まれる桃太郎
- 承:犬・サル・キジを仲間にして鬼退治へ向かう
- 転:鬼が島で鬼と対決
- 結:平和な世界を取り戻す
はじめに言ってしまいますが、起承転結を理解するコツは考える順序を変えることです。他にもありますが、これが最も簡単に理解できます。初めに「結」、後は順当に「起」「承」「転」です。
下記では、起承転結を利用してシナリオを書く方法を詳しく解説しています。
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桃太郎の「結」
「結」とは作者が一番言いたいことであり、作品全体のテーマでもあります。『桃太郎』の「結」は、「すべての問題が解決した後の平和な世界」です。
それを象徴する要素として以下が考えられます。
- 鬼という脅威の消滅
- 金銀財宝を手に入れた一行
- 強くたくましい桃太郎
どうすればこれらの要素が手に入るか、を残りの「起」「承」「転」で描きます。
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桃太郎の「起」
「結(終わり)」が決まれば「起(始まり)」は自動的に決まります。なぜなら起と結は表裏一体の存在だからです。
つまり、先述した「結」の要素の正反対を考えれば「起」が浮き彫りになります。
- 鬼による恐怖(結:鬼という脅威の消滅)
- 貧乏なおじいさんとおばあさん(結:金銀財宝を手に入れた一行)
- 赤ん坊で登場する桃太郎(結:強くたくましい桃太郎)
これらの要素が相まって「起」を構成するのです。
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桃太郎の「承」
「承」は役目が多く説明的になりやすいパートです。具体的には、「起」から「結」の状態へ変化するために納得できる理由を作ります。
桃太郎といえば、犬、サル、キジという仲間を仲間に加えます。これは、桃太郎が一人で鬼退治するのでは説得力に欠けるため必要なエピソードです。
仲間を増やして強大な敵を倒すというパターンは、現代の漫画などでもよくあるパターンだと言えるでしょう。強い武器を手に入れたり、厳しい修行をしたりするのも同様です。
ポイントは切り口です。『桃太郎』では「動物」や「きびだんご」でオリジナリティを出しました。「承」では、他の作品にはない独自の視点が必要です。
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桃太郎の「転」
「転」は物語の中で一番盛り上がるパートです。『桃太郎』では凶悪な鬼との戦闘を描きます。
ピンチを乗り越え最後に大逆転する流れを作るには、敵を強大に描くことが大切です。人外の存在、人間より大きく力も強い。荒い気性で村人たちも虐げられている描写が鬼の存在感を確立します。
「転」を盛り上げるためには、伏線を張り巡らせることが重要です。
まとめ
『桃太郎』を分析することで、物語とは起承転結というロジックで構成されていることがわかりました。
起承転結が理解できれば、大まかなストーリーはすぐに作れます。物語の全体像がつかめれば、創作活動がスムーズに進行するはずです。
また、起承転結の意味や由来については下記で詳しくまとめています。ぜひご一読ください。
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