プロット or キャラクター、良いストーリーを書くにはどちらを重視するべきか?
この記事は 2023年9月9日 に更新されました。
脚本のストーリーを考える際、プロット主導とキャラクター主導の2つのアプローチがあります。どちらも一長一短があり、脚本家自身の好みやストーリーの性質に依存します。以下では、それぞれの特徴を解説するので、脚本執筆時の参考にしてください。
目次
プロット型のストーリーとは?
プロット型のストーリーは、エピソードや出来事が綿密に計算されている点が特徴的です。キャラクターたちの人間性を深掘りするよりも、物語の進行やプロットの展開に重点が置かれます。
プロット型のストーリーは、SFやミステリーなどのジャンルでよく見られます。これらの映画や作品では、プロットが複雑になりがちです。登場人物の行動や決定は、物語のプロットに合わせて配置されます。
要するに、プロット型のストーリーは、キャラクターよりも物語の複雑さやスリリングな展開が重要視されるストーリータイプです。
プロット型ストーリーを書くためのヒント
プロット型のストーリーを書く際に役立つヒントを以下に紹介します。これらのポイントを考慮すると、複雑なストーリー展開やプロットの計算をより効果的に行えるでしょう。
外部対立でストーリーを展開させる
物語を展開させるには主人公の行動が不可欠です。その際、プロット型のストーリーでは外部対立が鍵となります。事件の発生、新しい証拠品の発見、重要な人物の急な行動など、これらの出来事が主人公などの登場人物を動かし、物語の進行を促進します。
細部を明確に作り込む
プロット主導のストーリーは、計算に計算を重ね、論理的な順序で進行します。このため、脚本の執筆途中に新しいエピソードを挿入する余地は限られています。
プロットを細部までこだわらなければなりません。そのためには、物語全体を俯瞰し、未来の展開を予測する視点が必要です。ターニングポイントやクライマックスなど、物語の要所を見落とさないでください。
プロットにひねりを加える
優れたプロットには、複数のサブプロットや予想外のストーリー展開が含まれています。視聴者や読者を驚かすことは、魅力的なストーリーテリングの要素の一つです。
伏線を用意したり、サブプロットを配置したり、ストーリー展開にひねりを加えてください。これらが読者や視聴者の興味を引き、物語を魅力的に保ちます。
キャラクター主導のストーリーとは?
キャラクター主導のストーリーは、登場人物の成長や内面に焦点を置くアプローチです。この手法は文学作品などでよく見られます。
また、短編映画など、制限された時間内に物語を構築する場合にも用いられることがあります。この際、通常は一人か二人の重要なキャラクターの内面に焦点を当て、彼らの感情や心の動きがストーリー進行の要因となるのです。
キャラクター主導のストーリーを書くためのヒント
キャラクター主導のストーリーでは、キャラクターの内部の葛藤や変化が物語の中心です。彼らが成長し、変わっていく過程にスポットが当たります。
読者や視聴者は、主要キャラクターの感情や心の状態に共感し、その成長に共鳴するのです。そのため、このアプローチは、物語をより感情的に魅力的にする手法だと言えます。
バックストーリーを充実させる
キャラクター主導のストーリーにおいて、魅力的なキャラクターは不可欠です。そのためにも、バックストーリーを十分に作り込むことが効果的です。
バックストーリーを充実させることで、キャラクターの成長や変化を際立たせるので、キャラクターの魅力アップに繋がります。
キャラクターアークは大きく変化させる
キャラクター主導のストーリーでは、キャラクターアークを大きく変化させるよう心がけてください。
アークは、物語の過程で登場人物の精神的な変化を表します。ストーリーが進むにつれてキャラクターがどのように成長し、変化するかを示すものです。
例えば、最初は不愉快なキャラクターが、物語の終わりには立派な人間になるような場合、キャラクターアークが良い変化をしていると考えられます。
キャラクターアークはしばしば曲線で表現され、その変化が大きいほど観客や読者は興味を惹かれるものです。キャラクターが困難に立ち向かい、成長し、変化するプロセスは、感情的な共感を生み出し、物語に深みを与えます。
葛藤に焦点を当てる
キャラクター主導の物語では、基本的に1人または複数の登場人物の内部で発生する葛藤が中心です。そして、葛藤はキャラクターの心情や価値観が変化するたびに起こります。
キャラクターたちの葛藤がストーリーの魅力を形作り、視聴者や読者から共感を誘うのです。
キャラクター視点で進む
キャラクターの視点を明確にすることは重要です。特に主人公の目線を探ることは常に考えておいてください。こんなとき主人公はどう思うか、どう行動するか、と思いを巡らすのです。
キャラクターの視点や価値観が、独特であるほど読者や視聴者の目を引きます。
まとめ
脚本のストーリーを考える際、プロット主導とキャラクター主導の2つのアプローチが存在します。どちらを選ぶかは、脚本家自身の好みや物語の性質に依存するでしょう。
一方、読者や視聴者に魅力的な体験を提供することが脚本家の役割です。選んだアプローチにかかわらず、ストーリーテリングのスタイルと物語の要素を熟考し、最適な方法を見つけ出してください。
この記事へのコメントはありません。