設定がおもしろい!映画『TAG タグ』から学ぶ脚本設定の作り方

この記事は 2023年10月24日 に更新されました。

中年の幼なじみグループが、23年間、年に1ヶ月だけ本気で鬼ごっこをしたという実話があります。その事実を元にして作った映画が『TAG タグ』です。

彼らは、遊びに集中するために仕事を辞めたり、相手の冠婚葬祭に押しかけたり、鬼ごっこで勝つために手段を選びません。

この映画で一番面白いのが設定です。実際、「鬼ごっこを楽しむ大人たち」という設定に心がくすぐられて視聴しました。

記事では、その魅力的な設定を分析しつつ、脚本の設定を考える際のヒントも紹介します。

※本記事では、脚本の書き方を解説する特性上、多くのネタバレを含みます。気になる方は、事前の映画視聴がおすすめです。

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映画『TAG タグ』

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好かれる非常識

『TAG タグ』の設定が面白いと感じた理由を一言で言えば、非常識だからです。大人がなりふり構わず鬼ごっこをするなんて、普通ではありえません。

普通、非常識な人がいれば避けて通ります。関わり合いになりたくありません。

でも、この映画の視聴者は「あんな人生を送りたい」「理想の友人関係だ」「羨ましい」と憧れます。

同じ非常識でも、嫌われるパターンと好かれるパターンがあるのは不思議です。

『TAG タグ』の非常識が好かれる理由は、私達がやりたくてもやれないことに取り組んでいるからではないでしょうか。

ある意味で、彼らはヒーローなのです。

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共感してもらうことが大切

現実世界の大人は、いろいろと忙しく、自由に思いきり遊べません。ところが、映画では、おじさんやおばさんが、汗水たらして鬼ごっこで熱くなっています。

あまりに必死過ぎる顔は少しひいてしまうかもしれませんが「気持ちはわかる」という人は多いでしょう。誰だって、いつまでも自由に遊び回っていたいからです。

一方、裸で叫びながら走り回る人がいたら、そんな非常識な人には近づきたくありませんね。なんでそんなことをするのか、理解に苦しみます。

つまり、非常識な行動が好かれるか嫌われるかの境界線は、その行動に共感できるかどうかにかかっているのです。

もちろん、脚本の設定は、多くの人から共感されなければなりません。「変な設定だな。理解できない」と拒絶されたら最後。作品を見てもらえないからです。

常識を逆さまに見る

「大人の鬼ごっこ」という設定は、実話が元になっています。そのため、創作することはできない、敵わないとあきらめるかも知れません。でも、良い設定をゼロから作ることは可能です。

良い設定を考えるためのヒントは、私達の生活のなかに隠れています。ただし、それを見つけるには、素直で純粋なだけでは足りません。ひねくれた、天邪鬼な考え方を持つことも必要です。

例えば「赤信号、みんなで渡れば怖くない」というブラックジョークがあります。ビートたけしさんが考えた言葉で、1980年の流行語にもなりました。

赤信号で止まることは、子供でも知っている一般常識です。その真逆を指摘することで、多くの共感を集め、話題となりました。

このように、常識を逆さまに見る思考回路が、良い設定を思いつく鍵なのです。

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今の時代にあっているか

ただし、注意点もあります。非常識だけど面白い設定を考えついたとしても、世の中から拒絶される危険もあるということです。

「赤信号、みんなで渡れば怖くない」は当時でこそ多くの人が「そうだそうだ」と共感しました。しかし、2022年の現代では、おそらく多くの人が拒絶するでしょう。

高齢者による運転事故や幼い子供が巻き込まれる交通事故のニュースが頻繁に伝えられる現代。潔癖を重んじる現代。SNSを通じてあらゆる事件や事故を自分ごととして考えやすくなった現代。

そのような時代に、無責任なブラックジョークは、おそらく批判の対象になっても、大多数の共感を得ることは難しいのではないでしょうか。

時代性を反映するとは、明確な基準があるわけではなく、肌感覚に頼る部分が多いので難しい問題です。しかし、脚本の設定を考えるときには無視できません。

たとえ時代劇であっても、未来を描くSFであっても、今を生きる人々がどう感じるかという視点は大切にしてください。なぜなら、作品に触れる人は現代の人たちだからです。

感性を磨くには、最新のニュースに触れ、映画や小説の名作・話題作に目を通し、友だちと遊び、家族と会話して、新たなコミュニティを築くことです。いずれも、脚本家を目指す人にとっては大切なことでしょう。

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