脚本執筆は多くの要素から成り立っており、すべてをクリアすることは、特に初心者にとっては難しいかもしれません。しかし、いくつかのポイントに絞って注意を払えば脚本のレベルをアップさせることも難しくありません。
脚本の作り方ポイントは3つ。これらをおさえて脚本レベルの向上を目指せば、読者や視聴者から喜ばれる作品に一歩近づくことができるはずです。
脚本家として脚本を書くときは、アクション・情景描写・セリフという3つの要素のバランスが、読みやすさと完成度を大きく左右します。この記事では、アクションをゆったり書くことで読者を置いていかない工夫、情景描写を最小限に抑えて想像力に委ねるテクニック、そしてセリフを削ぎ落として効果的に見せる吟味の仕方を解説します。
目次
脚本の作り方ポイント1_
アクションはゆったりと書く

脚本のアクションは、登場人物の動き全般を指します。これには、コーヒーカップを持ち上げる仕草から、一言話しかける様子、派手なカーアクション、緊張感あふれる犯罪シーンなど、あらゆる動作を含みます。
初心者がアクションを書く際におちいりがちなミスは、自分が表現したいことを一通り詳細に書こうとする点です。
ト書きが過度に詰まると、読み手に窮屈な印象を与えます。映像化した際にも情報が錯綜してメッセージが伝わりにくくなってしまうのです。
アクションを書く際に大切なことは、読者や観客に寄り添うことです。彼らを突き放さず、でも停滞せずにリードしなければなりません。そのためにも、アクションは適度にゆっくりと丁寧に書いてください。
丁寧に書くことで読者や観客が情報についていけない事態を避けられます。また、ひとつひとつのアクションに対する理解度もアップするはずです。
脚本の作り方ポイント2_
情景描写は最小限に抑える

脚本のト書き部分には、アクション以外にも情景描写や場面設定、登場人物の配置など、物語の視覚的な要素を伝える役目があります。
その際、できる限りト書きを省略することが重要です。読者や視聴者は、書かれていない部分(行間)を自分なりに想像するからです。
特定の場所や時間帯、登場人物の関係性が重要であれば、それを明示的に記述することは必要ですが、細かなディテールや視覚的な描写は最小限に抑えます。
そうすることで、読者や視聴者は、物語に自分の経験や感性を投影し、独自の視点で物語を楽しめます。読者や視聴者の想像力に任せることが、良い脚本を書く鍵です。
脚本の作り方ポイント3_
セリフを吟味する

セリフは登場キャラクターが実際に喋る言葉を指し、モノローグやナレーションも同じくセリフとして扱います。
初心者の脚本を読んでいて疲れる要因の一つは、セリフが必要以上に長いことです。言われなくても理解できることや察しのつくことを、わざわざセリフで説明されることを、読者や視聴者は嫌います。
また、キャラクターの性格や関係性を強調するために無駄な世間話やコメディーパートを作っても、読者や視聴者の共感は得られません。
台詞を書くコツは、シンプル・イズ・ベストです。簡潔で鋭いセリフであるほど効果があります。冗長なセリフや無駄な相槌(「ああ」や「うん」など)は避け、セリフが本当にストーリーやキャラクターの発展に貢献するかどうかをよく吟味することが大切です。
例えば、キャラクターに「ああ、本当に疲れたよ。今日は朝から大変な一日だったんだ」のように、状況をそのまま説明させるセリフはNG例です。読者や視聴者は説明されているように感じ、興ざめしてしまいます。良い例は、「……はぁ」とため息をつくだけ、あるいは無言で椅子に倒れ込む仕草で疲労を見せることです。セリフを削ぎ落とすほど、行動や表情が際立ち、印象に残ります。
脚本の作り方に関するよくある質問
Q. アクション(ト書き)を「ゆったり書く」とは、具体的にどういうことですか?
一度に多くの動作を詰め込まず、ひとつひとつの動作を順番に、丁寧に描写することです。情報量を絞ることで、読者や観客が映像をイメージしやすくなります。
Q. 情景描写を最小限に抑えると、物語が伝わりにくくなりませんか?
場所や時間帯、人物の関係性など、物語の理解に必要な情報は明示します。一方で、細かい視覚的なディテールは省略し、読者の想像に委ねることで、むしろ物語への没入感が高まります。
Q. セリフを削るとき、何を基準にすればいいですか?
そのセリフが「ストーリーやキャラクターの発展に貢献しているか」を基準にしてください。言わなくても伝わる内容や、相槌、世間話は思い切って削りましょう。
まとめ
紹介した3つの要素は、脚本執筆において非常に重要であり、特に初心者が見落としがちな部分です。これらに注意するだけでも、脚本の質が向上し、より魅力的な作品を提供できます。ぜひ脚本執筆時の参考にしてください。
脚本家として振り返ると、この3つのポイントはどれも「引く」ことに関するコツです。書き込みすぎず、説明しすぎず、語らせすぎない。あなたの脚本でも、書き終えたシーンを読み返し、削れるアクション・描写・セリフがないかを確認してみてください。
脚本の書き方をさらに学べる本
アクションやセリフの書き方についてさらに学びたい方には、以下の書籍もおすすめです。


コメント