話は動いているのに、なぜか面白くならないという悩みはありませんか? キャラクターは作り込んだはずなのに、物語が進まない。クライマックスを書いても、手応えがない等など。
もしこれに心当たりがあるなら、シーンをもう一度見直すと良いかもしれません。
シーンで“何も変わっていない”場合は要リライト候補です。
ポイントは「プロット」と「キャラクター」を切り離さないことにあります。
もし、
👉 展開が弱い
👉 キャラクターが動かない
👉 ラストが盛り上がらない
このような悩みがあるならご一読をおすすめします。この3つを同時に解決する実践チェック法を解説します。
面白いシーンの条件は1つだけ
良いシーンとは何だと思いますか。答えはシンプルです。
キャラクターの人生の価値が反転する瞬間を描く
これだけです。
たとえば以下のような価値観の変化を描くことがそうですね。
- 信頼 → 裏切り
- 恐怖 → 決意
- 愛 → 憎しみ
- 無知 → 真実
- 依存 → 自立
何かが起きて、人物が同じ人間でいられなくなる。これが「出来事」です。
ド派手な爆発や戦闘、愛の告白なんかは一見して見栄えがするシーンに思えます。でも、キャラクターの価値観が変わらなければ。ただの騒音に過ぎません。どれだけ派手でも記憶に残らないのです。
少し乱暴かもしれませんが、変わらないシーンは全部カット候補。この視点を持つだけで、物語の密度が一気に上がります。
シーン診断チェックリスト
さて、面白いシーンの条件を把握できたところで、ご自身の作品の見せ場と思えるシーンを診断しましょう。次の3つで診断してください。
- 誰かが傷ついた?
- 何かを失った/得た?
- この後、同じ人間でいられる?
全部「特に変わらない」なら、そのシーン(出来事)はお飾りと判断できます。物語は進んでいません。
これは多くの人が陥りやすい罠でもあります。気分が乗って気持ちよく書いているときにありがちですね。後で読み返すと面白くない、というやつです。私もよくやります。
イベントはある。でも人格は動いていない、という状況です。
キャラクターに変化がないから、読者の感情も動かない。(=面白くないシーン)となっちゃうんです。
出来事とは「価値の変化」です。
それ以外は背景描写に過ぎません。
キャラクターを強くする最短ルート
キャラクターの設定をあれよこれよと複雑にするだけでは魅力的にはなりません。
もちろん、最初に設定を考える作業は必要ですが、それはベースであって、そこからより魅力的にするには次のことを覚えておきましょう。
キャラクターは選択で強くなる
履歴書や過去設定の次の段階、「いま何を選択するか」がそのキャラクターを奥深く成長させます。
具体的な選択の例とは以下のようなものです。
- 嘘をつくか真実を言うか
- 逃げるか立ち向かうか
- 守るか裏切るか
- 愛を取るか自由を取るか
これらの選択をする際、必ず代償を伴うようにしましょう。
代償がない選択はドラマになりません。
ここでなにを選ぶか?が、そのキャラクターの性格の表現につながります。
観客や読者は説明ではなく、決断でそのキャラクター人物を理解します。
「自分の命をかえりみず他人を守る男だよあの人は」と聞くより、身を挺して爆風から子供を守る姿を見せるほうが説得力がありますよね。
クライマックスが弱いときの直し方
ラストが盛り上がらない脚本には共通点があります。
最大の代償を払っていない
良いクライマックスは、主人公から必ず何かを奪いましょう。できるだけ大切なものを。
- 勝利を得るために → 友を失う
- 真実を知るために → 社会的に破滅する
- 愛を守るために → 自由を失う
- 成功するために → 孤独になる
観客や読者が見たいのは「成功」ではなく、変化の代償です。
代償が大きいほど、大きな変化「例:成功」にも納得ができるというものです。
そして変化が大きければ大きいほど余韻(カタルシス)を残します。
もしラストが弱いなら、
👉 何を失わせるか
👉 何を壊すか
👉 何を手放させるか
ここを再度検討することをおすすめします。主人公にとって最も大事なものは何か、を考えましょう。それを失うなら、それに見合う褒美はなにか? 逆に、それを得るために釣り合う代償はなにか?
プロットとキャラクターは同じもの
プロットを直すことは、キャラクターを直すこと。
キャラクターを直すことは、プロットを直すこと。
プロットとキャラクターは隔絶された別々の存在と思っていませんか? どちらかだけうまくできればストーリーは面白くなる、というのは錯覚ですよ。両方一緒に相乗効果で高め合うものです。
出来事は人物を変え、変化した人物の選択が新しい出来事を生む。その逆も然り、です。
この繰り返しが循環してストーリーが出来上がります。
ここまで読んで「もっと深く理解したい」と思った人へ。本記事の土台になっているのが、ロバート・マッキーの名著『キャラクター』です。創作を続けるならご一読をおすすめします。
まとめ:物語とは変化する人間の記録
強いストーリーに共通するのは、キャラクターが元の自分でいられなくなるという事実があること。そのためにも、シーンを書くたびに自問してください。
- 何が変わった?
- 誰が傷ついた?
- 代償は何だ?
この問いを持つだけで、展開が締まり、キャラクターが立ち上がり、クライマックスが盛り上がるはずです。

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