「え、次の展開は?」「この人、最終的にどうなっちゃうの?」と読者の興味を引きつけられる人物が理想的なキャラクターです。その反面、読者が関心を持てないキャラクターが登場すると、そこで本を閉じられてしまうでしょう。違いは、作者が登場人物のキャラクター設定を理解しているかどうかです。記事では、脚本家がキャラクター設定を作る時に最初に考えるべき3つのポイントを紹介します。ぜひ、キャラ創作時の参考としてください。
脚本家としてキャラクターを作るときは、名前や年齢といった表面的な情報だけでなく、その人物の生活や人間関係、誰にも見せない一面まで掘り下げることを意識しています。この記事では、キャラクター設定を考える際に最初に押さえておきたい3つのポイントとして、読者の興味を引き付ける視点、キャラクターに興味を持つための情報収集の考え方、そしてパブリック・プライベート・シークレットという3種類の情報の整理方法を紹介します。
目次
空気のようなキャラクターは不要
脚本家は、自分の作り出したキャラクターが嫌われることを避ける傾向があり、できるだけ好かれたいと考えがちです。しかし、実際に気をつけるべきポイントはそこではありません。そのキャラクターが、読者の興味を引き付けられるかどうかに注目をしてください。極端な話、読者から嫌われても興味を引くキャラクター設定ならOKです。
例えば学校や職場で苦手な人がいる時、その人のことを考えないようにしても目で追ってしまいませんか? これはその人物に興味がひきつけられているということです。脚本の上では、このようなキャラクターが存在していれば読みすすめてもらえます。逆に万人から好かれるような良い人であっても興味を持たれない空気のようなキャラクターであれば、脚本上は必要のないキャラクターだといえるのです。
避けるべくは読者の無関心だと心得ましょう。そのキャラクターが幸せでも不幸でも、生き残っても死んでもどうでもいいと思われたら、残念ながらそのキャラクター設定は失敗だと言わざるを得ません。「無関心」という不名誉な烙印を押された段階で、脚本は読まれなくなるからです。そのため脚本家は、読者の興味を維持できるキャラクター設定を作る必要があります。
魅力的なキャラクター設定の作り方
読者の興味をそそるキャラクター設定を作るには、まず作者自身が登場人物に興味を持たなければなりません。自分が興味の持てないキャラクターは、他の誰も魅力を感じないからです。
キャラクターに興味を持つには、名前と年齢のような薄い設定だけでは不十分でしょう。そのキャラクターに関する深くて広い情報を集めて設定に組み込む必要があります。例えば、どんな外見で、どのようにしゃべり、どのような仕事をして、どのようなコミュニティーに属しているかなど、設定は細かく多いほど有益です。
参考になるのは現実における人付き合い。あなたは家族や親しい友人についてある程度の情報(設定)を知っているでしょう。逆に、見ず知らずの人物とは深い仲にはなれないものです。つまり人物に興味を抱くには、付随する情報(設定)を知らなければならない、とも言えます。
この世界に生まれて間もない空想上のキャラクターに興味を抱く方法は、情報(設定)を集めることです。そして、情報(設定)は脚本家がゼロから作らなければなりません。
例えば、キャラクターの人物像を「優しい」「真面目」といった言葉だけで設定してしまうのはNG例です。良い例は、その「優しさ」がどのような場面のどんな行動として表れるのか、パブリック・プライベート・シークレットの3つの視点から具体的に書き出すことです。言葉だけの設定では、いざセリフや行動を書く段階で何も思い浮かばなくなってしまいます。
キャラクター設定に必要な情報
キャラクター設定に必要な情報は、パブリック(公的)な情報、プライベート(私的)な情報、シークレット(個人的・秘密)な情報の3つの情報です。これらを改めて書き出すことで、作者自身がキャラクターを深く知ることに役立ちます。また、ここで書き出した情報は必ずしも作品の表に出さなくても良い設定です。あくまで、作家が個人的にキャラクターを知るために書き出すメモ程度と考えてください。いわゆる裏設定ともいえます。そのため文体などにこだわらず、思うままに書き出すと良いでしょう。
キャラクター設定のポイント001_
パブリック(公的)
パブリック(公的)な情報は、その人物が所属する公的なコミュニティーに関する設定です。大人であれば職場や趣味の場、子供であれば学校などが該当します。例えば主婦というキャラクターを描く時、パブリック(公的)な立場としてパート先での情報を加えるだけで、人物としての厚みが生まれるでしょう。他にも以下のような具体例が挙げられます。
- 仕事の業種や職種は?
- 上司との関係は良好か?
- もし関係が悪いのならその原因は?
- 同僚との関係はどうか?
- 無視されていないか?
- 勤続年数は?
- 仕事を始めた時期やきっかけは?
- 新卒採用か、中途採用か。
- スクールカーストでのポジションは?
- 教師からの印象は?
- クラスメートからの印象は?
- あだ名で呼ばれている?
- 好きな異性はいる?
- 得意な教科や苦手な教科は?
- 放課後はどのように過ごしている?
キャラクター設定のポイント002_
プライベート(私的)
プライベート(私的)な情報は、家族や恋人、友人たちとの関係性を表す設定になります。日常生活や人間性を形作る重要な情報なので、できるだけ詳しく明記してください。公的な部分がメインの作品では、箸休めのようなパートとして使えることもあります。以下に具体例をあげるので参考としてください。
- 独身か、既婚者か?
- 離婚しているか、死別しているか?
- 夫婦関係は良好か?
- 結婚生活は何年くらいか?
- 子供はいるか?
- なれそめは?
- 友人との出会いはいつか?
- 大きなケンカをしたことがあるか?
- 何かを成し遂げたことがあるか?
- 休日にはどのような遊びをするか?
- 恋愛感情はあるか?
- 共通の趣味はなに?
キャラクター設定のポイント003_
シークレット(個人的・秘密)
シークレット(個人的・秘密)の情報は、その登場人物だけが知り得る設定です。他の誰も知らない極個人的な情報だと考えてください。極少数の登場人物感で共有する情報はここに含まれます。また、ライトな意味合いでは一人の時をどのように過ごすかということも含んでください。この情報は、極めて私的であり、その人物のキャラクターを形作る点で大いに役立ちます。以下はその例です。
- 趣味はなにか
- 罪を犯したことがあるか
- 不倫をしているか
- 特別な性癖を持っているか
- 癖はなにか
- 整形をしているか
- 国籍を偽っているか
- 政治的思想を抱えているか
- 筋トレをしているか
- 毎日のルーティンがあるか
キャラクター設定に関するよくある質問
Q. キャラクター設定はどこまで詳しく作るべきですか?
作品に直接書かない部分まで含めて、作者自身がそのキャラクターを「知っている」と思えるレベルまで作り込むのが理想です。パブリック・プライベート・シークレットの3つの情報を書き出すことで、自然と詳細な設定になります。
Q. シークレットな情報は本編で明かさなくてもいいですか?
問題ありません。シークレットな情報は、作者がキャラクターを深く理解するためのメモのようなものです。本編で明かさなくても、その情報を知っているだけで、セリフや行動に自然な説得力が生まれます。
Q. キャラクター設定を作っても、なかなか興味を持てるキャラクターになりません。どうすればいいですか?
設定が名前と年齢など表面的な情報だけになっていないか確認してみましょう。パブリック・プライベート・シークレットの3つの情報を、現実の知人について考えるくらい具体的に書き出すと、キャラクターへの興味が湧きやすくなります。
まとめ
脚本家がキャラクター設定を作るときには、まず自分自身が興味を持つところがスタート地点です。しかし、そのキャラクターがどのような人物かわからなければ興味の持ちようがありません。そこで登場人物に付随する情報から考えます。どのような仕事をしているのか、家族構成はどうなっているか、友人や恋人との関係はどうか、個人的な秘密はあるかなど、大きく3つのカテゴリーに分けて考えるとよいでしょう。
脚本家として新しいキャラクターを作るときは、まずこの3つのカテゴリーを箇条書きでどんどん書き出してみることをおすすめします。書き出すうちに、そのキャラクターならではの口調や行動、こだわりが見えてくることがあります。最初に時間をかけて設定を作り込んでおくことで、本編を書く際にキャラクターが自然に動き出してくれるようになります。
脚本の書き方をさらに学べる本
キャラクター設定をさらに深く学びたい方には、以下の書籍もおすすめです。


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