10月29日(木)21時からNHK BSP4Kで放送されるのが、ジェレミー・ブレット主演「シャーロック・ホームズの冒険(14)『空き家の怪事件』」です。放送予定は21時50分までで、1986年に制作された英国グラナダ版のエピソードです。
この回は、前回「最後の事件」で姿を消したホームズがロンドンへ戻り、ワトソンと再会する大きな節目にあたります。さらに、ワトソン役がエドワード・ハードウィックへ交代する最初の回としても注目したい一本です。
脚色はジョン・ホークスワース、演出はハワード・ベイカー。再会の驚きだけでなく、ホームズ不在の3年間を生きてきたワトソンの視点をどう使って名探偵の帰還を見せるかが、脚本と演出の大きな見どころです。
「空き家の怪事件」の放送日時と主な出演者
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 放送日時 | 2026年10月29日(木)21:00〜21:50 |
| 放送局 | NHK BSP4K |
| 作品 | シャーロック・ホームズの冒険(14)「空き家の怪事件」 |
| シャーロック・ホームズ | ジェレミー・ブレット/日本語吹替:露口茂 |
| ワトソン | エドワード・ハードウィック/日本語吹替:福田豊土 |
| レストレード警部 | コリン・ジェボンズ/日本語吹替:川辺久造 |
| ハドスン夫人 | ロザリー・ウィリアムズ/日本語吹替:竹口安芸子 |
| セバスチャン・モラン | パトリック・アレン/日本語吹替:坂口芳貞 |
J:COMテレビ番組表の番組データでは、10月29日21時からNHK BSP4Kで放送予定とされています。今回の紹介文には、ホームズがいなくなって3年が経過し、開業医を続けながら警察にも協力するワトソンが、ある殺人事件の検視に関わることが示されています。
シリーズの作品ページでは、ジェレミー・ブレット主演の英国グラナダ版は全41話で、アーサー・コナン・ドイルの原作を大切にした映像化として紹介されています。「空き家の怪事件」は、そのシリーズの中でも物語の状態が大きく切り替わる回です。
「空き家の怪事件」はどんな話?
今回の中心にいるのは、ホームズではなく、まずワトソンです。ホームズがいなくなってから3年、ワトソンは医師として暮らしながら、警察の捜査にも協力する人物として描かれます。
番組紹介によると、ワトソンはある殺人事件の検視法廷で証言した帰り、裁判所の前で老人とぶつかります。その後、診療所へ戻ったワトソンのもとに、先ほどの老人が現れます。
ここで重要なのは、視聴者がホームズの帰還を知っていたとしても、劇中のワトソンはそれを知らないことです。老人との出会いをワトソン側から描くことで、ホームズが姿を現す瞬間そのものを一つの事件のように見せる構成になっていると考えられます。
原題は「The Empty House」。英国国立公文書館に残るジョン・ホークスワース関係資料では、1986年7月9日放送の「The Empty House」について、脚本ジョン・ホークスワース、監督ハワード・ベイカー、プロデューサーはジューン・ウィンダム・デイヴィスと記録されています。
原作はコナン・ドイルの短編「The Adventure of the Empty House」です。ホームズの帰還だけでなく、前回のモリアーティとの対決から続く危険が完全には終わっていないことも、この回を単なる「再会の回」で終わらせない要素になっています。
二代目ワトソン、エドワード・ハードウィックの初登場
「空き家の怪事件」は、エドワード・ハードウィックがワトソンを演じる最初のエピソードです。前回「最後の事件」まではデビッド・バークがワトソンを演じており、物語上の3年間の空白と、実際のキャスト交代が同時に起きています。
J:COMの今回の番組情報でも、ワトソン役としてエドワード・ハードウィックが掲載されています。Paley Centerのアーカイブでも、ジェレミー・ブレットのホームズ、エドワード・ハードウィックのワトソン、パトリック・アレンのセバスチャン・モラン、コリン・ジェボンズのレストレード警部などが出演者として記録されています。
脚本の立場から見ると、これは難しい引き継ぎです。視聴者にとって親しい役を別の俳優が演じ始める一方、劇中ではワトソン自身は同じ人物として物語を継続しなければなりません。
そのため今回のワトソンは、ホームズがいない時間を一人で過ごしてきた人物として登場します。医師として仕事を続け、捜査にも関わる姿を先に見せることで、「ホームズの助手」だけではないワトソンの生活を提示してから再会へ進む構成になっています。
脚本・演出・原作のスタッフ
| 役割 | 担当 |
|---|---|
| 原作 | アーサー・コナン・ドイル |
| 脚色 | ジョン・ホークスワース |
| 演出 | ハワード・ベイカー |
| プロデューサー | ジューン・ウィンダム・デイヴィス |
| 音楽 | パトリック・ゴワーズ |
CiNiiの映像資料の書誌情報では、「空き家の怪事件」はハワード・ベイカー監督、ジョン・ホークスワース脚色として記録されています。英国国立公文書館の資料目録とPaley Centerの番組記録でも同じ組み合わせが確認できるため、スタッフ情報は複数資料で一致しています。
ジョン・ホークスワースは、前回「最後の事件」の脚色も担当しています。前後編ではありませんが、モリアーティとの対決でホームズが姿を消す回と、3年後に帰還する回を同じ脚色家が担当している点は、連続して見るときに重要です。
「最後の事件」では、ホームズとモリアーティの直接対決が物語の頂点でした。一方、「空き家の怪事件」は、その大事件のあとに残されたワトソンの日常から始めて、ホームズをもう一度物語の中心へ戻していきます。
脚本づくりの視点:主人公の帰還を「相棒の驚き」で見せる
主人公が長い不在から戻る場面では、本人の説明を先に置く方法もあります。しかし「空き家の怪事件」は、ワトソンが先に老人と出会い、その正体に気づかない時間を作っています。
この構成によって、ホームズの帰還は「視聴者が待っていた情報の提示」だけでなく、ワトソンの感情が大きく動く出来事になります。主人公の復帰を相棒の反応で受け止めさせることで、再登場の重みを強めていると考えられます。
3年間の空白を説明だけで済ませない
ワトソンが開業医として働き、警察にも協力しているという設定は、ホームズ不在の年月を台詞だけで説明するのではなく、人物の現在の行動として示しています。時間経過を「3年たった」という一文だけに任せず、キャラクターの生活の変化で見せる方法です。
そのうえでホームズが戻ると、以前の二人に即座に戻るのではなく、「一人で生きてきたワトソン」と「帰ってきたホームズ」が再び組むことになります。長期シリーズで関係性を更新するときの作り方として参考になると考えられます。
変装を再会の仕掛けにする
今回、ホームズは老人の姿でワトソンの前に現れます。変装はホームズという人物の能力を示す要素ですが、この回ではそれが事件捜査のためだけでなく、再会場面そのものの演出装置として使われています。
視聴者にとって既知の人物を、別の外見と役割で一度登場させることで、「いつ正体が明らかになるのか」という小さなサスペンスが生まれます。キャラクターの得意技を、筋書きの進行と感情的な場面の両方に使う構成だと読めます。
セバスチャン・モランが担う「前回から続く脅威」
Paley Centerの記録では、パトリック・アレンがセバスチャン・モラン大佐を演じています。今回の物語はホームズが帰還して終わりではなく、モリアーティの側にいた人物の脅威が残っていることが重要です。
前回「最後の事件」は、モリアーティ教授とホームズの対決を大きな結末として描きました。普通なら最大の敵を失った時点で緊張が途切れますが、「空き家の怪事件」はその余波を次の事件へ接続しています。
物語づくりでは、大事件の後に「何もなかったこと」にせず、前の出来事が次の回の人物関係や危険に影響していると、シリーズ全体に連続性が生まれます。今回のモランは、その役割を担う人物として見ると分かりやすいです。
前回「最後の事件」から何が変わった?
10月22日にNHK BSP4Kで放送された前回「最後の事件」では、ホームズが宿敵モリアーティ教授に命を狙われ、ワトソンとともにヨーロッパ大陸へ渡る展開が描かれました。最終的に舞台はスイスへ移り、ライヘンバッハの滝で二人の対決へ向かいます。
前回のワトソンはデビッド・バークが演じており、「空き家の怪事件」からエドワード・ハードウィックへ交代します。つまり視聴者は、ホームズの帰還だけでなく、相棒役の新しい演技にも同時に出会うことになります。
脚色のジョン・ホークスワースは両エピソードを担当しています。大きな喪失で閉じた「最後の事件」から、ワトソンの日常と殺人事件を入り口にしてホームズを復帰させる流れを続けて見比べると、シリーズの切り替えがよりはっきり見えてきます。
見る前に押さえたい3つの見どころ
第一は、ホームズとワトソンの再会をどう見せるかです。事件の情報より先にワトソンの現在を描き、老人との接触を挟んでホームズへつなぐ構成に注目すると、再登場の準備が細かく置かれていることが分かります。
第二は、二代目ワトソンの登場です。エドワード・ハードウィックが、ホームズの不在を経験したワトソンをどのように演じるのかは、シリーズを続けて見るうえで大きなポイントです。
第三は、前回の脅威がどのように残っているかです。モリアーティとの対決で一つの山場を越えた後も、物語の因果が残っています。
ホームズの帰還と新しい事件を一つの線にまとめる脚色の仕方を見ると、単発ミステリーとしてだけでなく連続ドラマとしても楽しめます。
参考にした情報
- ミステリーチャンネル公式「シャーロック・ホームズの冒険」
- J:COMテレビ番組表「シャーロック・ホームズの冒険」
- 英国国立公文書館 John Hawkesworth資料目録
- The Paley Center for Media「The Empty House」
- CiNii 図書「最後の事件/空き家の怪事件」
よくある質問
「空き家の怪事件」はいつ放送されますか?
2026年10月29日(木)21時から21時50分まで、NHK BSP4Kで放送予定です。
「空き家の怪事件」の脚色と演出は誰ですか?
脚色はジョン・ホークスワース、演出はハワード・ベイカーです。原作はアーサー・コナン・ドイルの「The Adventure of the Empty House」です。
ワトソン役は誰に変わりますか?
今回からワトソン役はエドワード・ハードウィックです。前回「最後の事件」までワトソンを演じたデビッド・バークから交代します。
この回は前回「最後の事件」とつながっていますか?
つながっています。前回で姿を消したホームズが3年後に帰還し、モリアーティとの対決の余波を残したまま新しい事件へ進む回です。
まとめ
10月29日21時からNHK BSP4Kで放送される「シャーロック・ホームズの冒険(14)『空き家の怪事件』」は、ホームズの帰還と、エドワード・ハードウィック演じる新しいワトソンの登場が重なる重要回です。
脚色ジョン・ホークスワース、演出ハワード・ベイカーというスタッフのもと、ワトソンの目線を使ってホームズの再登場を大きな出来事に変える構成が見どころです。前回「最後の事件」と続けて見ると、喪失から再会へ物語を切り替える脚本の組み立ても追いやすくなります。
事件の謎だけでなく、「主人公をどう戻すか」「相棒の交代をどう物語になじませるか」という作り手の工夫にも目を向けると、この回をさらに深く楽しめます。

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