11月1日(日)4時から、WOWOWで映画「グッドフェローズ(字幕版)」が放送されます。WOWOW公式は本作を、マフィアに憧れて裏社会へ入ったひとりの男の数十年を追いながら、“グッドフェローズ”と呼ばれる男たちを描く実話ドラマとして紹介しています。
監督はマーティン・スコセッシ、脚本はニコラス・ピレッジとスコセッシ。犯罪映画でありながら、事件を順番に説明するだけではなく、主人公ヘンリー・ヒルの記憶と感覚を通して、裏社会の魅力、恐怖、崩壊を高速で体験させる構成が大きな特徴です。
ここでは放送情報、実話をもとにした脚本の組み立て、演出・編集・音楽の使い方を中心に、脚本づくりの視点から見どころを整理します。
「グッドフェローズ(字幕版)」の放送日時と基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 放送日時 | 2026年11月1日(日)4:00〜6:30 |
| 放送 | WOWOW |
| 原題 | Goodfellas |
| 制作年 | 1990年 |
| 制作国 | アメリカ |
| 内容時間 | 146分 |
| 監督 | マーティン・スコセッシ |
| 脚本 | ニコラス・ピレッジ、マーティン・スコセッシ |
| 主演 | レイ・リオッタ |
WOWOW公式では、11月1日(日)午前4時からの放送予定が案内されています。作品データでは字幕版146分、1990年のアメリカ映画とされています。
番組表情報では6時30分までの枠です。深夜から早朝にかかる長編なので、録画して見る場合も開始時刻を確認しておくと安心です。
「グッドフェローズ」はどんな物語?
主人公はヘンリー・ヒルです。WOWOW公式のあらすじでは、少年時代からマフィアに憧れ、町の顔役ポーリーの使い走りとして裏社会へ入り、強盗を得意とするジミーや、野心的で衝動的なトミーらに囲まれながら一人前になっていきます。
やがて彼らは大きな犯罪に関わり、FBIの捜査がヘンリーにも近づいてきます。物語は「成功した犯罪者の武勇伝」として一直線に進むのではなく、華やかな生活の裏にある疑心暗鬼、暴力、裏切りを少しずつ強めていきます。
AFI Catalogでは、本作が実話に基づく作品であり、ヘンリー・ヒルの人生をもとにしていることが記録されています。脚本のもとになったのは、ニコラス・ピレッジのノンフィクション「Wiseguy」です。
この題材を映画にするうえで重要なのは、巨大な犯罪組織そのものを俯瞰して説明するのではなく、一人の男がそこへ入り、魅了され、慣れ、最後には追い詰められていく体験として見せている点です。
脚本・演出・原作のスタッフ
WOWOW公式は、監督をマーティン・スコセッシ、脚本をニコラス・ピレッジとスコセッシ、撮影をミヒャエル・バルハウスとしています。AFI CatalogとBFIでも同じ主要スタッフが確認できます。
| 役割 | 担当 |
|---|---|
| 監督 | マーティン・スコセッシ |
| 脚本 | ニコラス・ピレッジ、マーティン・スコセッシ |
| 原作となったノンフィクション | ニコラス・ピレッジ「Wiseguy」 |
| 製作 | アーウィン・ウィンクラー |
| 撮影 | ミヒャエル・バルハウス |
| 編集 | セルマ・スクーンメイカー |
アカデミー賞公式では、本作は作品賞、監督賞、脚色賞、助演女優賞、編集賞、助演男優賞の6部門にノミネートされ、ジョー・ペシが助演男優賞を受賞したことが確認できます。
脚色賞にはニコラス・ピレッジとマーティン・スコセッシが名を連ねています。実話の情報量を、そのまま年代順に並べるのではなく、映画として速度と焦点を持たせた脚本であることが評価の一端からもうかがえます。
脚本づくりの視点:主人公の「憧れ」を物語の入口にする
本作で最も分かりやすい脚本上の工夫は、主人公がマフィアを恐れるところから始めないことです。ヘンリーは少年時代から彼らに憧れ、自分もその世界に入りたいと考えています。
この設定によって、観客は最初から犯罪世界を外側から批判的に眺めるのではなく、ヘンリーと同じ近さで内部を見ることになります。高級な服、現金、店での特別扱い、仲間内の結束が魅力として先に見えるため、後半の暴力や疑心暗鬼がより強く響く構成だと考えられます。
物語の主人公に「やりたくないこと」を無理にさせるより、本人が強く望んでいる場所へ入れ、その願いがかなった結果として代償を見せる。これは人物の欲求を物語の推進力にする分かりやすい例です。
成功と破綻を同じ価値観の延長で描く
ヘンリーは裏社会で成功するほど、そこから抜けにくくなります。金、仲間、優越感を得る行動と、やがて彼を危険に近づける行動が別々ではなく、同じ価値観の延長に置かれています。
このため、後半だけ突然「転落の物語」に変わる印象が弱く、前半の楽しさそのものが後半の危機の種になっています。脚本で人物の変化を描くとき、成功と失敗を別の出来事にせず、同じ選択の表と裏として設計する方法が学べます。
脚本づくりの視点:ナレーションで長い年月を走り抜ける
「グッドフェローズ」は数十年にわたる出来事を扱います。長い時間を扱う映画では、年表のように出来事を並べると、場面同士のつながりが弱くなりがちです。
本作では、ヘンリーのナレーションが人物、習慣、ルール、事件を次々に案内します。説明が多いのに速度が落ちにくいのは、ナレーションが単なる背景説明ではなく、主人公の価値観そのものを伝えているからだと考えられます。
さらにカレンの視点も加わることで、ヘンリーが当然だと思っている生活が、別の人物にはどう見えるのかが示されます。ひとつの出来事を一人だけの説明で固定せず、視点をずらして見せることで、人物関係に厚みが出ています。
情報量が多くても「誰の話か」を失わない
登場人物も事件も多い作品ですが、物語の軸はヘンリーがこの世界にどう入り、どう居場所を作り、どう追い詰められるかに置かれています。
群像劇を書くときも、すべての人物を同じ重さで描く必要はありません。中心人物の欲求と変化を軸にして、周囲の人物を「誘惑する人」「危険を広げる人」「秩序を示す人」のように機能させると、情報量が多くても物語の方向を保ちやすくなります。
演出の見どころ:観客を裏社会の内部へ連れていく
WOWOW公式は、スコセッシの演出を「軽やかながら濃密」と紹介しています。その感覚を最も分かりやすく味わえるのが、人物について移動しながら空間を見せる長いショットや、テンポの速い編集です。
BFIも本作の特徴として、没入感のある世界構築、ステディカム撮影、脚本、サウンドトラックを挙げています。観客は外から犯罪者を観察するより、ヘンリーと一緒に店へ入り、仲間に会い、特別扱いを受ける感覚へ引き込まれます。
この演出は、主人公がマフィアの世界に魅了されていることを台詞で何度も説明する代わりになっています。観客自身に「この世界は確かに魅力的に見える」と感じさせることで、その後の崩壊との落差を作っています。
編集と音楽が物語の速度を変える
本作では、時代ごとの楽曲が大量に使われています。WOWOW公式も、各時代のヒットナンバーが挿入され、ロック年代記としても楽しめる作品だと紹介しています。
音楽は雰囲気づくりだけでなく、年代をまたぐ物語の時間感覚を支えています。人物が年を重ね、生活の規模が変わっても、曲が時代の空気を一瞬で伝えるため、長い説明を減らす働きがあります。
編集も同様です。前半では成功と快楽が勢いよく積み上がり、後半では落ち着きのなさや焦りが強くなっていきます。場面の長さや切り替えの速度が人物の心理と結びついており、脚本に書かれた出来事を、編集によって体感へ変えていると考えられます。
終盤の焦燥を「時間の圧力」に変える
ヘンリーが追い詰められていく終盤では、複数の用事、監視への恐れ、犯罪の後始末が同時進行します。出来事の数そのものより、「次を急がなければならない」感覚が強くなります。
脚本では複数の問題を同時に走らせ、演出と編集ではそれらを短く切り替えることで、人物の焦燥を観客にも共有させています。危機を大きくするだけでなく、処理しなければならない問題を重ねて時間を奪う方法が効果的です。
キャストの見どころ
レイ・リオッタが主人公ヘンリー・ヒル、ロバート・デ・ニーロがジミー・コンウェイ、ジョー・ペシがトミー・デヴィートを演じます。ロレイン・ブラッコはカレン・ヒル、ポール・ソルヴィノはポーリー・シセロ役です。
特にジョー・ペシのトミーは、親しげな会話から暴力へ急変する危うさを持つ人物です。アカデミー賞助演男優賞を受賞した演技としても知られています。
ヘンリー、ジミー、トミーは同じ犯罪世界にいながら、危険への向き合い方が違います。三人の反応の差を見ると、同じ場面でもキャラクターを区別する方法が分かりやすくなります。
実話映画として見るときのポイント
本作は実在のヘンリー・ヒルをもとにしたノンフィクションから作られています。ただし、映画は記録映像ではありません。人物名や出来事をもとにしながら、観客が一本の物語として体験できるよう、場面の選択と構成が行われています。
AFI Catalogは、作品冒頭で実話に基づくことが示される点を記録しています。だからこそ、見るときは「どこまで事実か」だけでなく、膨大な事実の中から何を選び、どの順番で見せたのかにも注目すると、脚色の仕事が見えてきます。
参考にした情報
- WOWOW公式「グッドフェローズ」
- WOWOWオンデマンド「グッドフェローズ(字幕版)」
- AFI Catalog「Goodfellas」
- BFI「GoodFellas」
- Academy Awards「The 63rd Academy Awards」
よくある質問
「グッドフェローズ(字幕版)」はいつ放送されますか?
2026年11月1日(日)午前4時からWOWOWで放送予定です。番組表では午前6時30分までの枠となっています。
「グッドフェローズ」の脚本は誰ですか?
脚本はニコラス・ピレッジとマーティン・スコセッシです。ピレッジのノンフィクション「Wiseguy」をもとに脚色されています。
「グッドフェローズ」は実話ですか?
実在のヘンリー・ヒルと周囲の人物を取材したノンフィクションをもとにした映画です。映画として再構成された作品なので、記録映像そのものではありません。
脚本や演出ではどこに注目するとよいですか?
ヘンリーの「マフィアへの憧れ」を物語の入口にしている点、ナレーションで長い年月を進める構成、音楽と編集で成功から焦燥へ速度を変えていく演出に注目すると、作品の設計が見えやすくなります。
まとめ
「グッドフェローズ(字幕版)」は、11月1日午前4時からWOWOWで放送される、マーティン・スコセッシ監督の犯罪映画です。レイ・リオッタ演じるヘンリー・ヒルの視点から、裏社会への憧れ、成功、恐怖、崩壊を一気に見せていきます。
脚本づくりの視点では、主人公の強い欲求を入口にして観客を世界へ引き込み、その欲求がかなった先に破綻を置く構成が大きな学びになります。演出では、長回し、ナレーション、編集、時代を彩る楽曲が一体となって、人物の人生を説明ではなく体感として見せている点に注目してみてください。

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