岨手由貴子さんは、映画監督と脚本家の両方で活動する映像作家です。映画『グッド・ストライプス』『あのこは貴族』では監督と脚本を担当し、テレビドラマや配信作品でも脚本を手がけています。
2026年11月5日放送のBS-TBS『天狗の台所 Season3』第6話「春野菜とそら豆」でも、脚本を担当します。ここでは公式プロフィールや作品情報をもとに、岨手さんの歩み、代表作、作品から読み取れる脚本の特徴を紹介します。
岨手由貴子さんの経歴・プロフィール
岨手由貴子さんは1983年、長野県生まれです。大学在学中の2003年からENBUゼミナールで映画制作を学び、篠原哲雄監督の指導を受けました。
自主制作映画からキャリアを始め、短編や長編を通じて監督・脚本の経験を重ねています。
初期作品の短編『コスプレイヤー』は水戸短編映像祭や2005年のPFFアワードに入選しました。長編『マイム マイム』は2008年のPFFアワードで準グランプリとエンタテインメント賞を受賞しています。
これらの経歴は、文化庁委託事業の若手映画作家育成プロジェクトndjcと、CRGの公式プロフィールに掲載されています。
2009年にはndjcの参加作家として短編映画『アンダーウェア・アフェア』を制作しました。2010年に完成した同作では、監督と脚本を兼任しています。
若手映画作家の育成事業で作品を発表した経験が、その後の長編商業映画やテレビドラマへとつながっています。
岨手由貴子さんの代表作・脚本作品
岨手さんの作品歴を見ると、映画では監督・脚本を兼ねる作品があり、テレビドラマでは脚本を担当するなど、作品ごとに役割が異なります。クレジットを確認するときは、監督と脚本をひとまとめにせず、作品ごとの担当を分けて見ることが大切です。
| 年 | 作品 | 公式資料で確認できる担当 |
|---|---|---|
| 2010年 | 『アンダーウェア・アフェア』 | 監督・脚本 |
| 2015年 | 『グッド・ストライプス』 | 監督・脚本 |
| 2021年 | 『あのこは貴族』 | 監督・脚本 |
| 2022年 | 『すべて忘れてしまうから』 | 監督・脚本(複数話) |
| 2022年 | 『ヒヤマケンタロウの妊娠』 | 脚本 |
| 2026年 | 『すべて真夜中の恋人たち』 | 監督・脚本 |
| 2024年 | 『ユーミンストーリーズ』「青春のリグレット」 | 脚本 |
| 2023年以降 | 『天狗の台所』シリーズ | 脚本 |
長編商業デビュー作の『グッド・ストライプス』は2015年公開です。結婚を控えた男女の日常を描いた作品で、第7回TAMA映画賞の最優秀新進監督賞と、2015年の新藤兼人賞金賞を受賞しました。
ndjcの受賞ニュースでは、日常の中にある幸せをすくい取る視点が評価理由として紹介されています。
2021年公開の『あのこは貴族』は、山内マリコさんの小説を映画化した作品です。岨手さんは監督と脚本を担当し、第13回TAMA映画賞では作品が最優秀作品賞に選ばれました。
出自や生活環境の異なる2人の女性が出会い、それぞれの生き方を見つめ直す物語です。
配信ドラマ『すべて忘れてしまうから』では、燃え殻さんのエッセイを原作に、岨手さんが監督・脚本を担当しました。テレビ東京の公式番組ページでは、沖田修一さん、大江崇允さんとともに監督・脚本としてクレジットされています。
CRGの作品歴では、岨手さんの担当話数は第1〜3話、第7〜10話と案内されています。
このほか、Netflixシリーズ『ヒヤマケンタロウの妊娠』、NHK夜ドラ『ユーミンストーリーズ』の「青春のリグレット」、BS-TBS『天狗の台所』シリーズなどでも脚本を担当しています。映画と連続ドラマの双方に関わり、原作のある作品からオリジナル要素を含むシリーズまで、活動の幅を広げています。
岨手由貴子さんの作風
岨手さんの作品を考えるとき、ひとつの手掛かりになるのが、日常の場面を通して人物の選択や関係の変化を描く点です。『グッド・ストライプス』の受賞理由では、結婚を目前にした男女の日常を独創的な視点で切り取り、劇的ではない日々の中にある幸せを描いたことが評価されています。
この評価を踏まえると、作品の大きな事件だけでなく、人物が普段どのように会話し、何を選び、相手とどう距離を取るのかに注目すると、物語の味わいが深まります。日常の小さな出来事を、人物の価値観が見える場面として配置していると考えられます。
『あのこは貴族』では、異なる環境で育った華子と美紀の人生が交差します。2人を単純な対立関係に置くのではなく、それぞれが置かれた状況や選択を描くことで、同じ都市で暮らす人の間にも異なる現実があることを浮かび上がらせています。
『あのこは貴族』について、TAMA映画賞の受賞理由は、異なる出自や階層で生きる2人の女性が出会い、それぞれの幸せを見つけていく姿を丁寧に描いた点を評価しています。人物の背景を説明だけで伝えるのではなく、置かれた環境や選択の違いを物語の中で見せる方法が読み取れます。
脚本と演出の両方に関わる岨手さんの作品を考えるうえで、人物の設定と場面の表現を結びつける視点が手掛かりになります。
脚本志望者が学べる点
岨手さんの作品から学べることのひとつは、日常の中にある小さな変化を物語の軸にする方法です。『グッド・ストライプス』の受賞理由は、特別な事件ではなく、結婚を控えた男女の生活を独自の視点で切り取った点を評価しています。
脚本を書くときは、人物の人生を変える大事件だけを探すのではなく、何気ない会話や習慣の変化に注目することも有効だと考えられます。
もうひとつは、異なる立場の人物を並べて描く方法です。『あのこは貴族』では、華子と美紀の育った環境や生活の条件が異なり、その違いが出会いを通して物語を動かします。
人物紹介の台詞だけで背景を説明するのではなく、暮らし方や選択の違いを場面に置くことで、観客が人物像を理解できる構成になっています。
脚本を学ぶ際には、作品を見たあとに「この人物は何を望み、何を選んだのか」「同じ出来事を別の人物はどう受け止めたのか」を書き出してみるとよいでしょう。出来事の大小ではなく、人物の価値観がどの場面で表れたかを追うことが、人物描写を考える手掛かりになります。
最新の出演情報(2026年11月時点)
岨手由貴子さんは、2026年11月5日(木)23時からBS-TBSで放送される『天狗の台所 Season3』第6話「春野菜とそら豆」の脚本を担当します。放送枠は木曜ドラマ23で、放送時間は23時から23時30分までです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 番組名 | 天狗の台所 Season3 |
| 放送日時 | 2026年11月5日(木)23:00〜23:30 |
| 放送局 | BS-TBS |
| 話数・サブタイトル | 第6話「春野菜とそら豆」 |
| 岨手由貴子さんの担当 | 脚本 |
| 監督 | 宮﨑萌加 |
第6話では、桜が咲く春の里を舞台に、慈雨が凪の様子を見に庵を訪れます。凪と気まずい関係にある慈雨は、窓の隙間から様子をうかがいますが、基に見つかってしまいます。
その後、凪は慈雨に自分の正直な気持ちを伝えます。
後日、庵を訪れた有意が、楽しそうに話す4人の姿を目にします。春の陽気の中で花見をしようという話も持ち上がり、人物同士の距離がどのように変わっていくのかが描かれます。
これらはBS-TBSの第6話予告に掲載された内容です。
共同制作者・出演者
『天狗の台所 Season3』は、田中相さんの漫画を原作とし、原作者監修のもとでドラマオリジナルの物語を展開するシリーズです。BS-TBSの番組詳細では、岨手さんのほか、天野千尋さん、熊本浩武さんが脚本スタッフとして紹介されています。
第6話の出演者には、飯綱基役の駒木根葵汰さん、愛宕有意役の塩野瑛久さん、飯綱オン役の越山敬達さん、愛宕慈雨役の古屋呂敏さん、白峯凪役の柊木陽太さんらが名を連ねます。第6話の監督は宮﨑萌加さんです。
参考にした情報
- CRG公式プロフィール「岨手由貴子」
- 文化庁委託事業ndjc「岨手由貴子|アンダーウェア・アフェア」
- ndjc「岨手由貴子監督『グッド・ストライプス』第7回TAMA映画賞受賞」
- TAMA映画賞公式「受賞一覧」
- テレビ東京公式「すべて忘れてしまうから」イントロ・スタッフ
- BS-TBS公式「天狗の台所 Season3」番組詳細
- 番組表.Gガイド「天狗の台所 Season3」
よくある質問
岨手由貴子さんは脚本家ですか?
はい。映画監督として活動する一方、映画やテレビドラマ、配信作品で脚本を担当しています。
『グッド・ストライプス』『あのこは貴族』では監督と脚本を兼任しました。
岨手由貴子さんの代表作は何ですか?
映画では『グッド・ストライプス』『あのこは貴族』、配信ドラマでは『すべて忘れてしまうから』、テレビドラマでは『天狗の台所』シリーズなどが代表的な作品です。
『天狗の台所 Season3』第6話の脚本は誰ですか?
第6話「春野菜とそら豆」の脚本は岨手由貴子さんです。監督は宮﨑萌加さんです。
岨手由貴子さんの作品から脚本志望者が学べることは?
日常の出来事から人物の変化を描くことや、異なる環境にいる人物を並べて、それぞれの選択を通して物語を動かす方法が参考になります。
まとめ
岨手由貴子さんは、映画監督と脚本家の両方で活動し、『グッド・ストライプス』『あのこは貴族』などの映画や、配信・テレビドラマの脚本を手がけてきました。公式プロフィールや作品の受賞理由からは、日常の場面や人物の異なる立場を丁寧に描く作品づくりがうかがえます。
2026年11月5日放送の『天狗の台所 Season3』第6話でも脚本を担当します。作品を鑑賞するときは、出来事だけでなく、登場人物が何を選び、相手との距離をどう変えていくのかにも注目してみてください。

コメント