2026年11月7日(土)8時45分から、WOWOWシネマで映画「罪の声」が放送されます。小栗旬さんと星野源さんがダブル主演し、35年前の未解決事件を追う新聞記者と、幼いころの自分の声が事件に使われていたと知る男性をそれぞれ演じます。
この作品は、謎を追うミステリーであると同時に、事件の外側にいたはずの人が長い年月を経て「当事者」にされてしまう痛みを描くヒューマンドラマです。野木亜紀子さんの脚本と土井裕泰監督の演出が、情報量の多い物語をどのように整理しているかにも注目したい作品です。
「罪の声」の放送日時と作品データ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 放送日時 | 2026年11月7日(土)8:45〜 |
| 放送局 | WOWOWシネマ |
| 制作年 | 2020年 |
| 内容時間 | 142分 |
| 監督 | 土井裕泰 |
| 脚本 | 野木亜紀子 |
| 原作 | 塩田武士「罪の声」 |
| 主演 | 小栗旬、星野源 |
WOWOW公式では、本作をドラマ・サスペンス/ミステリーとして紹介しています。2020年10月30日に劇場公開された作品で、JFDBでも上映時間142分、監督・土井裕泰さん、脚本・野木亜紀子さん、原作・塩田武士さんと確認できます。
放送は朝8時45分からですが、本編は2時間を超える長編です。録画や視聴時間を確保する場合は、映画1本をじっくり見るつもりで予定を空けておくと安心です。
「罪の声」はどんな映画?
「罪の声」は、1980年代に実際に起きた複数の食品会社を標的とする未解決事件をモチーフにした、塩田武士さんの同名小説を映画化した作品です。映画では実際の事件名ではなく、フィクションとして再構成された事件を追います。
主人公の一人は、大日新聞の記者・阿久津英士です。WOWOW公式のあらすじでは、阿久津は約35年前に起き、すでに時効を迎えた事件を取材することになります。複数の食品会社への脅迫、誘拐、毒物混入など、複雑な手口が絡む事件を調べるうちに、過去に置き去りにされた人々へ近づいていきます。
もう一人の主人公は、京都で父から継いだテーラーを営む曽根俊也です。父の遺品から古いカセットテープを見つけ、その音声を聞いたことで、自分が思いもよらない形で事件とつながっていたことを知ります。
二人は最初から同じ目的で動くバディではありません。阿久津は「取材する側」、曽根は「自分の過去を確かめる側」として、それぞれ別の入口から事件へ入っていきます。この二本の線が次第に近づく構成が、長い物語を前へ進める大きな力になっています。
あらすじと見どころ
阿久津は新聞社の特別企画で、35年前の未解決事件を改めて調べることになります。時間がたった事件では、当時の関係者に会うだけでも簡単ではありません。記録を追い、人を訪ね、証言の断片をつないでいく取材が、阿久津側の物語を動かします。
一方の曽根は、父の遺品から見つけたカセットテープをきっかけに、自分の幼い声が脅迫に使われていたと気づきます。本人に犯罪の記憶や意思がなくても、「自分の声が使われた」という事実は消えません。その衝撃から、なぜ自分の声が録音され、誰が事件に関わらせたのかを調べ始めます。
ここで重要なのは、二人が同じ事件を追いながら、背負っているものがまったく違うことです。阿久津にとっては記者としての取材対象ですが、曽根にとっては自分の家族史と人生に直接つながる問題です。同じ情報を知ったときでも、二人の反応が同じにはならないため、観客は事件の「事実」と「人への影響」を同時に見ることになります。
また、WOWOW公式は本作を、未解決事件の真相だけでなく、長年苦悩した関係者の心情に迫る作品として紹介しています。犯人当てだけを目的に見るよりも、事件の周辺で人生を変えられた人たちが何を失い、何を抱えてきたのかに注目すると、作品の印象が大きく変わります。
小栗旬が演じる阿久津英士
小栗旬さんが演じる阿久津は、事件を外側から調べる人物です。情報を集め、証言を聞き、過去を整理する役割を担うため、観客が事件の全体像を理解するための案内役にもなっています。
取材が進むにつれ、数字や資料だけでは見えない「事件後の人生」に触れていくところがポイントです。社会部の事件記者が派手に犯人を追い詰めるタイプの物語とは違い、人から話を聞く行為そのものがドラマになります。
星野源が演じる曽根俊也
星野源さんが演じる曽根は、京都でテーラーを営み、家族と暮らしている人物です。自分が知らないところで幼少期の声が犯罪に利用されていたと知ることで、それまでの日常の見え方が変わっていきます。
「何も知らなかった子どもにも罪はあるのか」という問いを、説明的な議論ではなく、一人の生活者の感情として受け止めさせる役です。阿久津の取材が事件を広げる方向に働くのに対し、曽根の調査は家族の奥へ、個人の記憶へと深く潜っていきます。
脚本・演出・原作のスタッフ
| 役割 | 担当 |
|---|---|
| 原作 | 塩田武士 |
| 脚本 | 野木亜紀子 |
| 監督 | 土井裕泰 |
| 撮影 | 山本英夫 |
| 音楽 | 佐藤直紀 |
TBSスパークル公式でも、原作・塩田武士さん、監督・土井裕泰さん、脚本・野木亜紀子さんという組み合わせが明記されています。制作はTBSスパークルとフイルムフェイス、配給は東宝です。
脚本の野木亜紀子さんは、本作で第44回日本アカデミー賞の最優秀脚本賞を受賞しました。受賞ページでは、原作が非常に長く密度も高かったため、脚本化が大変だったことを本人が振り返っています。
原作の情報量をすべて映画に並べるのではなく、142分の中で観客が人物を見失わず、二人の主人公を通して事件を追える形へまとめることが脚色の大きな課題だったと考えられます。
脚本づくりの視点
「罪の声」を脚本の教材として見るなら、特に参考になるのは二人の主人公に異なる役割を与える構成と、過去の事件を現在の感情へ変換する方法です。
二つの視点で情報を整理する
事件ものでは、背景説明や人物関係、過去の出来事が増えるほど、説明の比重が大きくなります。本作は、阿久津に「取材によって外側から情報を集める役割」、曽根に「自分と家族の内側から真相へ近づく役割」を持たせています。
この分担によって、同じ事件の説明でも目的が変わります。阿久津の場面では次の手掛かりへ進むための情報になり、曽根の場面では「自分は何者なのか」「家族は何を知っていたのか」という感情の問題になります。
脚本を書くとき、説明が多くなる題材では「誰が、なぜその情報を知る必要があるのか」を決めるだけでも場面の性格が変わります。「罪の声」は、情報を伝える場面をそのまま説明場面にせず、人物の目的と結びつけていると考えられます。
「声」という小道具を物語の中心に置く
本作では、古いカセットテープに残された子どもの声が、過去と現在をつなぐ重要な手掛かりです。映像作品でありながら、物語を動かす中心に「声」を置いている点が特徴です。
写真や文書なら「見る」ことで発見できますが、録音は再生して初めて中身が現れます。そのため、曽根がテープを見つけるだけでなく、再生し、自分の声だと気づく段階を踏むことで、発見に時間差と衝撃を作れます。
さらに「声」は本人のものでありながら、録音された瞬間には本人の意思から切り離されます。この性質が、子どもだった人物が知らないうちに事件へ利用されたという物語と強く結びついています。小道具が単なる手掛かりではなく、作品のテーマそのものを背負っている構成です。
過去の事件を「今」の選択にする
35年前の事件だけを再現すると、物語が過去の説明に寄りやすくなります。本作では現在を生きる阿久津と曽根が調べることで、過去の出来事が「今、誰に会うか」「どこまで聞くか」「家族にどう向き合うか」という現在進行形の選択になります。
脚本で過去を扱うときは、回想を増やすだけでなく、過去を知った現在の人物がどう行動を変えるかを描く方法があります。「罪の声」は、事件の情報が明らかになるたびに現在の人物の立場や感情が揺れるため、調査の場面にもドラマが生まれていると考えられます。
受賞歴から見る脚本の評価
第44回日本アカデミー賞では、野木亜紀子さんが「罪の声」で最優秀脚本賞を受賞しています。同賞の作品紹介でも、長大な原作を脚本化し、事件に巻き込まれた子どもたちの苦しみや、警察・メディアの問題まで描いた点が紹介されています。
また、TBSスパークルは第45回報知映画賞で本作が作品賞、主演男優賞、助演男優賞の3部門を受賞したことを発表しています。謎解きだけでなく、人物をどう見せるかが評価につながった作品として見ると、脚本と演技の関係も考えやすくなります。
参考にした情報
よくある質問
「罪の声」は2026年11月7日に何時から放送されますか?
2026年11月7日(土)8時45分からWOWOWシネマで放送されます。WOWOW公式では本編の内容時間は142分と案内されています。
「罪の声」の脚本と監督は誰ですか?
脚本は野木亜紀子さん、監督は土井裕泰さんです。原作は塩田武士さんの同名小説です。
「罪の声」の主演は誰ですか?
小栗旬さんと星野源さんです。小栗旬さんが新聞記者の阿久津英士、星野源さんが京都でテーラーを営む曽根俊也を演じています。
「罪の声」の脚本は受賞していますか?
野木亜紀子さんが「罪の声」で第44回日本アカデミー賞の最優秀脚本賞を受賞しています。
まとめ
2026年11月7日8時45分からWOWOWシネマで放送される「罪の声」は、小栗旬さん演じる新聞記者・阿久津と、星野源さん演じる曽根が、別々の立場から35年前の未解決事件へ近づいていく映画です。
脚本の視点では、二人の主人公に「外から調べる役」と「内側から過去を掘る役」を分担させた構成、そしてカセットテープの「声」を事件の手掛かりとテーマの両方に使う設計が大きな見どころです。事件の真相だけでなく、情報が人物の感情と選択をどう変えていくかに注目すると、脚本づくりの学びが多い作品です。

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