日本語の脚本執筆ツールはGoogleドキュメントとWord

脚本を書く・磨く

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脚本を書き始めようとすると、「Final Draftのような専門ソフトを買わないとプロっぽく書けないのでは」と不安になる方は少なくありません。けれど、脚本家として実際に多くの現場で使われているのは、特別なソフトではなく、誰もが使い慣れたGoogleドキュメントとWordです。この記事では、日本語で脚本を書くときにこの2つが向いている理由と、それぞれの使い分け方、そして海外製ツールとの違いを脚本家の視点から紹介します。

Googleドキュメントが脚本の執筆段階に向いている理由

日本の映像・舞台・WEBコンテンツ制作の現場で最もよく使われているのがGoogleドキュメントです。理由は、次のような特徴にあります。

完全に日本語対応で迷わない

画面の表示も操作もすべて日本語なので、英語UIに戸惑うことなく執筆に集中できます。パソコンで脚本を書くのが初めてという方でも、迷わず使い始められるでしょう。

自動保存とクラウド管理で書きかけの不安がない

編集内容は自動で保存されるため、保存し忘れて作業が消えてしまう心配がありません。また、自宅のパソコンで書きかけた脚本を、外出先のスマートフォンやタブレットから開いて続きを書くこともできます。

書き直しの多い脚本執筆と相性が良い

脚本は「書く→直す→また直す」の繰り返しです。Googleドキュメントには、コメント機能や編集履歴の確認、過去のバージョンとの比較といった機能が備わっており、何度も改稿を重ねる脚本執筆との相性が良いといえます。

NG例は、最初から完成度の高い清書を目指して、1文ずつ丁寧に整えながら書き進めることです。手が止まりやすく、全体の流れを見失いがちになります。良い例は、まず最後まで書き切ることを優先し、Googleドキュメントの編集履歴を活用しながら何度も書き直していくことです。「とりあえず書く→直す」を繰り返せる環境こそ、脚本の完成度を高めてくれます。

Wordが脚本の清書・提出に向いている理由

一方、Wordは日本語の脚本フォーマットとの相性が良いソフトです。

ト書き・セリフ・柱(シーン見出し)のレイアウトを整えやすい

段落設定やインデントを使えば、ト書き・セリフ・柱といった脚本特有のレイアウトを簡単に整えられます。

PDFでの提出に向いている

Wordで作成した原稿はそのままPDFに変換できます。レイアウトが崩れにくいため、コンクールへの提出やスタッフへの配布にも安心して使えます。

縦書き・横書きのどちらにも対応できる

舞台脚本のように縦書きが求められる場合も、Wordの設定を切り替えるだけで対応できます。実写・アニメ・舞台・小説風の脚本まで、幅広い形式に対応できる点も強みです。

日本の制作現場で標準的に使われている形式

Word形式(.docx)のファイルは、日本の出版社や映像制作会社にとって馴染みのある形式です。シナリオコンクールの応募要項でも、Word形式での提出を指定しているケースは少なくありません。

初心者・中級者向け「最適な使い分け」

目的ツール
とりあえず書き始めたいGoogleドキュメント
何度も書き直す/コメントを入れたいGoogleドキュメント
綺麗な清書版を作りたいWord
印刷して読み合わせしたいWord
PC以外でも書きたいGoogleドキュメント

基本の流れとしては、まずGoogleドキュメントで書き始めて何度も書き直し、ある程度形になったらWordで清書するというルートが、最も効率的です。

海外製ツールとの違い

Final DraftやScrivener、Celtxといった海外製の脚本執筆ソフトにも、それぞれ優れた機能があります。ただし、日本語で脚本を書く場合には、いくつか相性の課題があります。

Final Draft

Final Draftはハリウッドの標準フォーマットに対応し、共同作業やシーン管理に強いソフトです。ただし、UIが英語であることに加え、書式が英語の文字数や行間を基準に設計されているため、日本語の脚本を書こうとするとレイアウトの調整に余計な手間がかかることがあります。

Scrivener

Scrivenerは長編の構成管理やプロットカードの整理に強みがあるソフトです。一方で、脚本モードは英語表記が前提となっているため、日本語で本文を書くと表示が不自然になりやすい点には注意が必要です。

Celtx

Celtxは無料で使い始められ、クラウド型で共同作業にも対応しているソフトです。ただし、UIが英語で、書式も日本語の脚本とは合わない部分があります。

これらのソフトが「使えない」というわけではありません。それぞれ英語圏の脚本フォーマットに最適化されているため、日本語で脚本を書く人にとっては、その機能を十分に活かしにくいというだけです。実際、日本のドラマや映画の現場では、GoogleドキュメントやWordが事実上の標準として使われています。

脚本執筆ツールに関するよくある質問

Q. 脚本を書くのに専門ソフトは絶対に必要ですか?

必須ではありません。日本語で脚本を書く場合、GoogleドキュメントやWordがあれば十分に書き進められます。専門ソフトは、英語圏のフォーマットに合わせて作品を仕上げる必要がある場合や、複数人での共同作業を本格的に行う場合に検討すると良いでしょう。

Q. GoogleドキュメントとWord、どちらか1つだけでも大丈夫ですか?

どちらか1つだけでも問題ありません。執筆から清書まですべてGoogleドキュメントで行うことも、最初からWordで書き進めることも可能です。ただし、書き直しの多い執筆段階ではGoogleドキュメント、提出用の清書にはWordという使い分けをすると、それぞれの強みを活かせます。

Q. スマートフォンだけで脚本を書くことはできますか?

Googleドキュメントであれば、スマートフォンのアプリからでも執筆や編集ができます。ただし、長文を入力する作業はパソコンの方が効率的です。移動中にアイデアを書き留め、自宅のパソコンでまとめるという使い方がおすすめです。

まとめ

脚本家として、ツール選びに時間をかけすぎてしまうのは、実はもったいないことだと感じています。今回紹介したように、日本語で脚本を書くなら、Googleドキュメントで書き始めて何度も書き直し、形になったらWordで清書するという流れが、最も効率的でストレスもありません。海外製のソフトは、それぞれの環境に最適化された優れたツールですが、日本語脚本を書くあなたにとって今すぐ必要というわけではないでしょう。まずは手元にあるGoogleドキュメントやWordを開いて、書き始めることから始めてみてください。

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