10月27日(火)午前6時からWOWOWプライムで、「アイム・スティル・ヒア(字幕版)[PG12]」が放送されます。GガイドのWOWOW公式EPG情報では午前8時30分までの枠で、1970年代のブラジル軍事政権下で起きた実話をもとにした映画として紹介されています。
ウォルター・サレス監督が、突然夫を奪われたエウニセ・パイヴァと家族の時間を描いた作品です。大きな歴史事件を正面から説明し続けるのではなく、家族の日常がどう壊され、沈黙の中で記憶が残されるかを追う脚本と演出に注目すると、この映画の強さが見えやすくなります。
10月27日の放送日時と作品情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 放送日時 | 2026年10月27日(火)6:00〜8:30 |
| 放送局 | WOWOWプライム |
| 作品 | アイム・スティル・ヒア(字幕版)[PG12] |
| 原題 | Ainda Estou Aqui |
| 制作年 | 2024年 |
| 制作国 | ブラジル・フランス |
| 監督 | ウォルター・サレス |
| 脚本 | ムリロ・ハウザー、エイトール・ロレガ |
| 主演 | フェルナンダ・トーレス |
WOWOW公式オンデマンドでは、本作を2024年製作、PG12、字幕付きの映画として掲載しています。出演はフェルナンダ・トーレス、セルトン・メロ、フェルナンダ・モンテネグロらで、監督ウォルター・サレス、脚本ムリロ・ハウザーとエイトール・ロレガ、音楽ウォーレン・エリスと確認できます。
日本配給のクロックワークス公式では上映時間を137分とし、2025年8月8日に日本公開された作品として案内しています。今回の放送枠は2時間30分ですが、本編の長さと放送枠は別なので、作品情報としては公式の137分を基準に見るのが分かりやすいです。
「アイム・スティル・ヒア」はどんな映画?
物語の舞台は1971年のブラジルです。元国会議員ルーベンス・パイヴァは、妻エウニセと5人の子どもたちとリオデジャネイロで暮らしていましたが、軍事独裁政権の抑圧が強まる中、ある日突然連行され、そのまま消息を絶ちます。
クロックワークス公式のあらすじでは、その後エウニセ自身も拘束され、尋問を受けたのち釈放されます。しかし夫の行方は知らされないままで、彼女は家族を守りながらルーベンスの消息を追い続けます。
Sony Pictures Classicsも、軍事独裁の締め付けが強まる1971年のブラジルを舞台に、5人の子どもの母エウニセが家族に起きた暴力的で恣意的な出来事の後、自分自身を立て直していく物語と紹介しています。原作は息子マルセロ・ルーベンス・パイヴァによる伝記的な本で、家族の記憶からブラジルの隠された歴史をたどる作品です。
この映画の特徴は、夫が連行される事件そのものだけでなく、その後も続く家族の生活を中心に置いていることです。国家の暴力を巨大な政治ドラマとしてだけ描かず、日常の中に残る不在や沈黙を通して見せるため、観客はエウニセと同じように「分からないまま待つ時間」を体験することになります。
脚本・演出・原作のスタッフ
| 役割 | 担当 |
|---|---|
| 監督 | ウォルター・サレス |
| 脚本 | ムリロ・ハウザー、エイトール・ロレガ |
| 原作 | マルセロ・ルーベンス・パイヴァの伝記的著作 |
| 撮影 | アドリアン・テイジド |
| 音楽 | ウォーレン・エリス |
| 主演 | フェルナンダ・トーレス |
クロックワークスとSony Pictures Classicsの公式情報では、監督はウォルター・サレス、脚本はムリロ・ハウザーとエイトール・ロレガです。原作はルーベンスとエウニセの息子マルセロ・ルーベンス・パイヴァが家族について記した本で、実際の家族史を映画へ翻案しています。
ウォルター・サレスはクロックワークス公式の紹介で、幼少期にパイヴァ家と親交があったとされています。そのため本作は、単なる歴史再現ではなく、監督自身の記憶とも接点を持つ題材を映画にした作品です。
脚本を担当したハウザーとロレガは、第81回ヴェネツィア国際映画祭で脚本賞を受賞しました。La Biennale di Veneziaの公式記録でも、両名が脚本担当として記載され、それぞれ脚本賞の受賞者として確認できます。
脚本づくりの視点:不在を物語の中心に置く
本作を脚本の観点から見ると、最も印象的なのは画面にいない人物の存在を物語の中心に置く構成です。ルーベンスが連行された後、物語を動かすのは彼の行動ではなく、残された家族が「どこにいるのか」「何が起きたのか」を知らされない状態そのものです。
普通なら重要人物が不在になると、別の事件を次々に起こして速度を保ちたくなります。しかし本作では、不在によって生まれる空白を急いで埋めず、家族の食事、移動、写真、会話などの日常を積み重ねることで、失われた人の大きさを見せていると考えられます。
脚本を書くとき、登場人物の感情を直接説明する台詞だけに頼らなくても、いつもいた人がいない場所や、以前と同じ行動ができなくなった状況を置くことで喪失を表現できます。本作は、出来事そのものより「出来事の後に何が残るか」をドラマにする方法を考える材料になります。
主人公の視点を守ることで歴史を身近にする
軍事政権や政治弾圧は非常に大きなテーマですが、本作は観客に制度の説明を大量に与えるのではなく、エウニセと家族が知り得る範囲から状況を見せます。観客も家族と同じように情報不足の状態に置かれるため、歴史上の事件が抽象的な知識ではなく、家庭に入り込む恐怖として感じられます。
これは脚本の視点設定として参考になります。題材が大きいほど全体像を説明したくなりますが、主人公が見聞きできる範囲に絞ることで、観客が人物の感情から離れにくくなると考えられます。
時間を飛ばしても同じ問いを残す
物語は事件の瞬間だけで終わらず、その後の年月へ進みます。時間が経って生活が変化しても、ルーベンスに何が起きたのかという問いと、家族がその不在をどう抱えて生きるかという軸は残ります。
長い年月を扱う脚本では、すべての出来事を描くのではなく、時間を越えて残る問いを一本決めると場面を選びやすくなります。本作では「夫の名を呼び続ける」という行為が、個人の記憶と社会の記録をつなぐ役割を持っていると考えられます。
フェルナンダ・トーレスの演技と家族の描き方
主人公エウニセを演じるのはフェルナンダ・トーレスです。Sony Pictures Classicsでは主演として明記され、第97回アカデミー賞では主演女優賞にノミネートされました。
老年期のエウニセを演じるフェルナンダ・モンテネグロは、フェルナンダ・トーレスの実母です。クロックワークス公式は、母娘である2人の俳優が同じ人物の異なる時代を演じることで、記憶と時代、命の継承を映し出すと紹介しています。
この配役は、単に年齢の違う同一人物を演じ分ける以上の意味を持ちます。作品自体が親から子へ、そして次の世代へ記憶が受け渡される物語なので、現実の母娘がエウニセを演じることが、映画のテーマと重なっています。
アカデミー賞とヴェネツィアで評価されたポイント
第97回アカデミー賞で「アイム・スティル・ヒア」は国際長編映画賞を受賞しました。さらに作品賞とフェルナンダ・トーレスの主演女優賞にもノミネートされ、合計3部門で候補となっています。
また、第81回ヴェネツィア国際映画祭ではムリロ・ハウザーとエイトール・ロレガが脚本賞を受賞しました。歴史的な題材や演技だけでなく、出来事をどの視点から、どの時間軸で語るかという脚本の設計自体が国際的に評価された作品だと分かります。
作品を見るときは、劇的な場面だけを追うのではなく、家族の日常が事件の前後でどう変わるかを比べると脚本の工夫が見えてきます。大きな歴史を小さな生活の変化へ落とし込む方法は、社会的な題材を書くときの参考になります。
見逃し配信と関連情報
WOWOW公式オンデマンドでは本作を配信中で、ページ上では2026年10月31日(土)23時59分までの配信期間が案内されています。10月27日の放送を見逃した場合でも、配信期間内であればWOWOWオンデマンド側の視聴条件を確認する価値があります。
クロックワークス公式では、各種動画配信サービスでも配信中と案内していますが、サービスごとに期間が異なると注意書きがあります。視聴時点で配信が終了している場合もあるため、各サービスの最新表示を確認してください。
参考にした情報
- WOWOWオンデマンド「アイム・スティル・ヒア」
- Gガイド「アイム・スティル・ヒア」
- クロックワークス「アイム・スティル・ヒア」
- Sony Pictures Classics「I’m Still Here」
- Oscars.org「The 97th Academy Awards」
- La Biennale di Venezia「Ainda estou aqui」
よくある質問
「アイム・スティル・ヒア」は10月27日の何時から放送されますか?
2026年10月27日(火)午前6時からWOWOWプライムで放送されます。GガイドのWOWOW公式EPG情報では午前8時30分までの放送予定です。
「アイム・スティル・ヒア」の監督と脚本は誰ですか?
監督はウォルター・サレス、脚本はムリロ・ハウザーとエイトール・ロレガです。クロックワークス、WOWOW、Sony Pictures Classicsの公式情報で確認できます。
「アイム・スティル・ヒア」は実話ですか?
実在したルーベンス・パイヴァと妻エウニセ、その家族の体験をもとにしています。息子マルセロ・ルーベンス・パイヴァの伝記的な著作が原作です。
アカデミー賞では何を受賞しましたか?
第97回アカデミー賞で国際長編映画賞を受賞しました。作品賞とフェルナンダ・トーレスの主演女優賞にもノミネートされています。
まとめ
10月27日6時からWOWOWプライムで放送される「アイム・スティル・ヒア」は、軍事政権下で夫を奪われたエウニセ・パイヴァと家族の記憶を描く実話ベースの映画です。国際長編映画賞受賞作であり、ヴェネツィア国際映画祭では脚本賞にも輝いています。
脚本の視点では、姿を消した人物の「不在」を物語の中心に置き、主人公が知り得る範囲に視点を絞りながら長い時間を描く構成が大きな見どころです。歴史的な出来事を人物の生活へ落とし込む方法に注目すると、静かな場面の一つひとつが物語を支えていることが見えてきます。

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