10月27日(火)21時からBS-TBSで放送される「横山秀夫サスペンス 刑事の勲章」の脚本を担当しているのが、窪田信介さんです。
窪田さんは映画やテレビドラマの脚本を手がける一方、桜美林大学で映画の構造や技法を研究・教育している脚本家です。作品を書く実践と、過去の映画を分析する研究の両方から脚本に向き合っています。
この記事では、BS-TBSと桜美林大学の公式情報を中心に、「刑事の勲章」での担当、経歴と代表作、本人が語る作風、脚本志望者が学べる点をまとめます。
10月27日放送「刑事の勲章」で窪田信介さんが担当する役割
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 放送日時 | 2026年10月27日(火)21:00〜 |
| 放送局 | BS-TBS |
| 番組名 | 横山秀夫サスペンス 刑事の勲章 |
| 脚本 | 窪田信介 |
| 原作 | 横山秀夫 |
| 監督 | 榎戸耕史 |
| 主演 | 仲村トオル(二渡真治役) |
BS-TBS公式ページでは、「刑事の勲章」の脚本を窪田信介さん、原作を横山秀夫さん、監督を榎戸耕史さんが担当すると明記されています。
物語は、県警警務部警務課の調査官・二渡真治が、警察手帳30冊の盗難事件を調べるところから大きく動きます。二渡が提案した警察手帳の一括保管に現場の刑事たちは反発しており、盗難事件は単なる犯人探しだけではなく、管理部門と現場の刑事たちの価値観の衝突につながっていきます。
TBSチャンネルによると、ドラマは横山秀夫さんの短編「刑事の勲章」に、同じく横山作品で日本推理作家協会賞を受賞した「動機」のエピソードを加えて構成されています。つまり脚本では、複数の原作要素を一本のテレビドラマとしてまとめる仕事も必要だったと考えられます。
「刑事の勲章」と「動機」に共通する警察組織の世界観や人物の立場を整理しながら、二渡を中心に一本の物語として見せる点は、原作ものの脚色を見るうえで大切なポイントです。
窪田信介さんの経歴|助監督から脚本家、大学教員へ
桜美林大学の公式教員紹介によると、窪田信介さんは1967年大阪府生まれです。大学では史学科に進み、イタリア中世史を学びながら、8ミリカメラの同好会で映画制作にも取り組みました。
大学卒業後は映画の世界に入り、助監督や制作プロダクション勤務を経験した後、脚本家として活動するようになります。公式プロフィールでは、2007年に桜美林大学の総合文化学群で講師となり、その後、芸術文化学群の准教授として教育と研究に携わっていることが紹介されています。
本人のインタビューでは、映画監督の榎戸耕史さんに連絡したことが映画業界へ入るきっかけだったと語られています。現場では脚本への台詞の差し込みを書く機会などもあり、その後、榎戸監督からドラマの脚本を書くよう声をかけられたことが脚本家として活動する契機になったと説明されています。
最初から脚本家だけを目指して一直線に進んだというより、映画の現場でさまざまな仕事に触れながら脚本へ進んだ経歴です。この現場経験は、脚本を文字だけで完結するものではなく、撮影や俳優の演技、空間、音とつながる設計図として考える姿勢にも結びついていると読めます。
窪田信介さんの代表作
桜美林大学の公式プロフィールには、窪田さんの主な脚本作品として「深追い」「ボーイ・ミーツ・プサン」「今夜のメニュー」「ビート」「陰の季節」「息ができない」「ふたりごっこ」などが挙げられています。
特に今回の「刑事の勲章」とつながりが深いのが、横山秀夫さん原作の作品です。公式プロフィールでは、2005年の「深追い」と2016年の「陰の季節」が窪田さんの脚本作品として掲載され、いずれも榎戸耕史監督作品として紹介されています。
「刑事の勲章」も原作は横山秀夫さん、監督は榎戸耕史さんです。窪田さんにとって、横山作品の警察世界を映像化する仕事は今回だけの単発ではなく、複数作品で積み重ねてきた仕事の流れの中に位置づけられます。
また、桜美林大学公式によれば、榎戸耕史監督の「やがて水に歸る」は、日本シナリオ作家協会の「2017年鑑代表シナリオ」に選出されています。テレビドラマだけでなく映画でも脚本を手がけ、長く榎戸監督と仕事をしてきたことが確認できます。
国立国会図書館サーチには、窪田さんが2016年に発表した論文「『羅生門』脚本の一考察」が登録されています。脚本を書く実作者であるだけでなく、既存作品の構造や視点を分析する研究者としても活動している点が特徴です。
窪田信介さんの作風|「人のつながり」を物語の軸にする
桜美林大学のインタビューで、窪田さんは脚本家としてのモットーを「人のつながりを描くこと」と語っています。作品ごとにテーマは違っても、人と人が出会うことで生まれるドラマを軸にしていると説明しています。
興味深いのは、必ずしも大きく劇的な出来事を置かなければ物語にならないとは考えていない点です。人物とシチュエーションがあれば出来事は起こせるので、シンプルな出来事をどう魅力的な物語にするかを考えていると本人が話しています。
「刑事の勲章」は警察手帳30冊の盗難という事件がありますが、その周囲には、管理部門出身の上原と現場刑事の距離、二渡と部下の関係、現役刑事とOBの誇りなど、人と人の関係が幾重にも置かれています。事件だけでなく関係の変化を追うと、窪田さんの言う「人のつながり」という軸と重なる部分が見えてきます。
最初の3カットを意識して脚本を書く
桜美林大学の公式記事では、窪田さんが最初の3カットを意識しながら脚本を書くことも紹介されています。脚本家は撮影が始まると現場から離れることが多いため、監督との意思疎通ができているかを冒頭の数カットから感じ取るという話です。
これは、脚本の冒頭で情報を文章として説明するだけではなく、観客が最初に何を見るのかまで意識する姿勢と言えます。脚本の時点から映像の入口を考えていることが、助監督経験を持つ窪田さんらしい特徴です。
構成と時間配分を細かく見る
窪田さんは映画研究でも、作品の「時制」「視点」「時間配分」を重視しています。桜美林大学の記事では、「桐島、部活やめるってよ」の多視点構造や「羅生門」の脚本を研究し、同じ出来事を異なる視点から見せる構成の違いを分析したことが紹介されています。
さらに、アメリカ映画では冒頭10〜15分で必要な情報や作品の方向性を示し、中盤に物語を加速・反転させるポイントを置くなど、時間と構成を精密に組み立てていると説明しています。実作者としてだけでなく研究者として映画を分解して見る姿勢が、脚本の組み立て方にもつながっていると考えられます。
共演者・制作陣から見る「刑事の勲章」
「刑事の勲章」は、仲村トオルさんが二渡真治を演じ、和久井映見さん、長谷川朝晴さん、北見敏之さん、矢島健一さん、細田善彦さん、山中聡さん、石橋蓮司さん、寺田農さん、滝藤賢一さんらが出演します。
原作は横山秀夫さん、監督は榎戸耕史さんです。窪田さんは助監督時代から榎戸監督と縁があり、桜美林大学の公式プロフィールでも「深追い」「陰の季節」「やがて水に歸る」など複数の榎戸監督作品で脚本を担当したことが確認できます。
長く仕事を重ねてきた監督との組み合わせで、横山秀夫さんの警察小説をどのように映像の時間へ整理しているかは、この作品を見る際の大きな注目点です。
脚本志望者が学べる点
窪田信介さんから学べる第一のポイントは、脚本をストーリーだけで考えないことです。桜美林大学のインタビューでは、映画はストーリー、俳優の演技、撮影、音楽など多様な要素の組み合わせで成立するとし、脚本そのものを過度に絶対視しない姿勢が語られています。
脚本家にとっては、自分が書いた台詞や展開を守ることだけが目的ではなく、監督や俳優、撮影など別の表現と結びついて映画になることを前提に考える必要があります。窪田さんが最初の3カットを意識して書くという話は、その考え方を具体的に示しています。
第二のポイントは、人物の関係から出来事を生み出すことです。窪田さんは、大きな事件を無理に置かなくても、人物とシチュエーションがあれば出来事は生まれると語っています。
脚本を書くときに展開が止まったら、新しい事件を足す前に、「この場にいる二人はどんな関係か」「同じ状況をどう違って受け取るか」を見直す方法があります。関係のずれがあれば、会話や行動に自然な摩擦が生まれます。
第三のポイントは、完成した映画を「面白かった」で終わらせず、構造として分析する習慣です。窪田さんは「桐島、部活やめるってよ」や「羅生門」を視点と時間の構造から研究し、映画のどの部分にどれだけ時間が割かれているかにも注目しています。
自分の脚本でも、冒頭10分で何が伝わるか、中盤で何が変わるか、誰の視点で情報を見せているかを確認すると、物語の停滞や説明過多に気づきやすくなります。創作と分析を往復する窪田さんの姿勢は、脚本を継続的に改善する方法として参考になります。
参考にした情報
- BS-TBS「横山秀夫サスペンス 刑事の勲章」
- 桜美林大学「窪田 信介 准教授」
- TBSチャンネル「横山秀夫サスペンス 刑事の勲章」
- 国立国会図書館サーチ「『羅生門』脚本の一考察」
- テレビ大阪「横山秀夫サスペンス 刑事の勲章」
よくある質問
窪田信介さんは「刑事の勲章」で何を担当していますか?
窪田信介さんは脚本を担当しています。原作は横山秀夫さん、監督は榎戸耕史さんです。
窪田信介さんの代表作は何ですか?
桜美林大学の公式プロフィールでは、「深追い」「ボーイ・ミーツ・プサン」「ビート」「陰の季節」「息ができない」「ふたりごっこ」などが主な脚本作品として紹介されています。
窪田信介さんは大学でも教えているのですか?
桜美林大学の芸術文化学群で准教授を務め、映画の構造や技法を研究・教育しています。2007年に同大学の講師となった経歴も公式に掲載されています。
窪田信介さんはどんな脚本を書くことを大切にしていますか?
桜美林大学のインタビューでは、「人のつながり」を描くことを脚本家としての軸にし、シンプルな出来事を魅力的な物語にすることを考えていると語っています。
まとめ
10月27日(火)21時からBS-TBSで放送される「横山秀夫サスペンス 刑事の勲章」で、窪田信介さんは脚本を担当しています。
窪田さんは助監督や制作プロダクションでの経験を経て脚本家となり、現在は桜美林大学で映画の構造や技法を研究・教育しています。「深追い」「陰の季節」など横山秀夫さん原作の作品も手がけてきました。
「人のつながり」を物語の軸に置くこと、最初の3カットまで意識すること、完成作品を時間や視点の構造から分析することは、脚本志望者にとって具体的に取り入れやすい学びです。「刑事の勲章」では事件の謎だけでなく、登場人物同士の立場と関係がどのように場面を動かしているかにも注目してみてください。

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