「よし、脚本を書こう!」と意気込んでパソコンに向かっても、途中で手が止まり、最後まで書き切れない……そんな経験はありませんか? 一方で、プロの脚本家は安定して物語を完成させていきます。その違いを生んでいるのが「三幕構成」という考え方です。この記事では、三幕構成を料理の工程にたとえながら、誰でも実践できる脚本の組み立て方をわかりやすく解説します。
目次
三幕構成は脚本のルール?
三幕構成は、作劇の「コツ」というより「ルール」に近いものです。ハリウッド映画はもちろん、日本の連続ドラマやマンガ、小説の多くも、この三幕構成で説明できてしまいます。逆に言えば、三幕構成さえ身につければ、脚本が上達する可能性は高いということです。少なくとも、「何を書けばいいのかわからない」と手が止まり、未完成の脚本だけが増えていく状態からは抜け出せるはずです。
三幕構成とは、状況を説明し、登場人物が葛藤を繰り返し、結論に到達するという構成のことです。これを料理にたとえると、食材をそろえ、調理をして、仕上げるという工程に似ています。例えばカレーであれば、作り方を理解していれば、誰でも作ることができますよね。つまり、三幕構成という「作り方」を正しく覚えれば、誰でも脚本を完成させられるということです。
第一幕は材料調達
カレーを作ろうと決めたら、まずお肉やにんじん、じゃがいもといった食材をそろえますよね。三幕構成の第一幕では、これと同じように、主人公は誰か、どんな場所・時代の物語か、といった状況を説明します。
ここで大切なのは順番です。「どんな料理を作るか」を決めてから食材を集めるのと同じように、「どんな結末にしたいか」を先に決めてから、状況設定を考えるようにしてみてください。
第二幕は調理
そろえた食材は、切ったり煮込んだりして調理していきます。三幕構成の第二幕では、第一幕で説明した状況に事件や出来事を投げ込み、登場人物に葛藤を生み出します。脚本は、登場人物が葛藤し、変化していくことで物語が進んでいきます。
NG例は、主人公の周りに何も起こらず、淡々と日常が流れていくだけの第二幕です。良い例は、主人公が大切にしているものを揺るがすような出来事を起こし、「このままでいいのか、変わるべきなのか」という葛藤を生み出すことです。第二幕で何も起きていないと感じたら、主人公にとって一番つらい出来事を投げ込んでみると、物語が動き出します。
第三幕は仕上げ
煮込んだ鍋にルーを加えれば、カレーが完成します。三幕構成の第三幕も同じように、仕上げのパートです。第二幕で生まれた葛藤に対する重大な出来事が起こり、それまでのエピソードがすべて収束していきます。
第一幕・第二幕で広げたエピソードの中に、回収し忘れているものがないか、最後にもう一度チェックしてみてください。
三幕構成に関するよくある質問
Q. 三幕構成は、必ずページ数を3等分しなければいけませんか?
いいえ、3等分にする必要はありません。一般的には、第一幕が全体の4分の1程度、第二幕が半分程度、第三幕が残りの4分の1程度になることが多いです。分量よりも、「状況説明→葛藤→収束」という流れができているかを意識してみてください。
Q. 三幕構成で書くと、ありがちな展開になってしまいませんか?
構成という「作り方」が同じでも、食材(設定)が違えば、できあがる料理は全く別物になります。三幕構成はあくまで土台であり、そこにどんなキャラクターやテーマを乗せるかによって、物語の個性は決まります。
Q. 第一幕・第二幕・第三幕、どこから書き始めるのがおすすめですか?
迷ったときは、第三幕(結末)から考えてみてください。「どんな結末にしたいか」が決まっていれば、第一幕で何を準備しておくべきか、第二幕でどんな葛藤を起こすべきかが、逆算で見えてきます。
まとめ:三幕構成は脚本を完成させるための道具
三幕構成と聞くと、なんだか大げさで難しい手法のように感じてしまうかもしれません。しかし、その本質はシンプルな「道具」であり、料理における包丁やまな板のようなものです。状況を説明し(材料調達)、葛藤を起こし(調理)、結末に収束させる(仕上げ)という流れを意識するだけで、最後まで書き切れる脚本が増えていくはずです。
脚本の書き方をさらに学べる本
構成についてさらに学びたい方には、以下の書籍もおすすめです。




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