脚本を書いていると、「うまく書けない」「もうダメだ」と落ち込む瞬間が誰にでもあります。そんなとき頼りになるのが、先輩脚本家たちが残してくれたヒントです。この記事では、脚本の書き方が上達するコツを10個に厳選してご紹介します。完成させるための心構えから、キャラクターの描き方、セリフを削るテクニックまで、今日からすぐに使える内容です。あなたの脚本をもう一歩前に進めるきっかけになれば嬉しいです。
脚本の書き方のコツ①:どんな脚本でも、まず完成させる
脚本を書いている途中で、「これは失敗作だ」「全部書き直したい」と感じることはよくあります。ゼロから書き直したくなる気持ちもわかりますが、ここはぐっとこらえて、最後まで書き切ってみてください。
物語を最後まで完成させることには、大きな意味があります。脚本家を目指す人の中には、ひとつのアイデアにこだわりすぎて、何年も書き直しを繰り返している人も少なくありません。気になる部分があれば、完成させたあとにリライトで直せば大丈夫です。まずは「最後まで書き終える」という経験を積むことが、次の一歩につながります。
脚本の書き方のコツ②:好きな作品を「見ながら読む」
脚本家として成長したいなら、映画やドラマを見て学ぶのがおすすめです。プロの作品から学べることはたくさんありますが、ただぼんやり見ているだけでは、なかなか身につきません。
おすすめなのは、気に入った作品の脚本を手に入れて、映像を見ながら脚本を目で追う方法です。ヒット作の脚本は書籍として販売されていることもあるので、気になる作品を探してみてください。映像と脚本を同時に追うことで、「このセリフのために、この場面が用意されていたのか」といった脚本家の意図が見えてくるはずです。
脚本の書き方のコツ③:映画以外からもひらめきを集める
脚本家としての感性を磨くには、映画やドラマを見るだけでは足りません。小説やマンガ、音楽、絵画、彫刻など、ジャンルを問わずいろいろな作品に触れてみましょう。
日常のちょっとした風景や、身近な人との何気ない会話からも、ストーリーやキャラクターのヒントは生まれます。「これは脚本に使えないかも」と決めつけず、感覚をやわらかくしておくことが、ひらめきにつながります。
脚本の書き方のコツ④:登場人物の「邪魔」をする
観客は、テーマやストーリーそのものより、登場人物に興味を持つものです。だからこそ、脚本では登場人物がいちばん大切な要素だといえます。
主人公だけでなく、脇役一人ひとりについても、「この人は何を望んでいるんだろう」と考えてみてください。そして、脚本家であるあなたは、その望みをわざと邪魔する役割を担います。望みを邪魔されたキャラクターは、感情をあらわにして、生き生きと動き出すはずです。
脚本の書き方のコツ⑤:セリフより「行動」で見せる
登場人物の本音やストーリーの核心に近づくシーンほど、セリフで説明したくなるものです。しかし、そういう場面ほど、セリフではなく行動で見せたほうが、ドラマとして強くなります。
NG例は、「もう疲れた、限界だ」と登場人物にそのまま言わせてしまうことです。良い例は、その人物が黙ってデスクの荷物をまとめ始める、というように、セリフを使わずに行動だけで「もう辞める」という決意を伝えることです。セリフで説明したくなった瞬間こそ、「行動に置き換えられないか」と考えるクセをつけてみてください。
脚本の書き方のコツ⑥:身近なテーマを選ぶ
脚本のテーマは、案外身近なところに転がっています。リサーチをしなくても語れる分野があるなら、それを作品に取り入れてみましょう。
例えば、販売員として働いた経験があるなら、その経験を活かしてサスペンスやミステリーを書くこともできます。一方、まったく知識のない分野をゼロから調べて脚本を書こうとすると、調査だけで何年もかかってしまうこともあります。脚本家にとって大切なのは、調査することではなく、脚本を書き終えることです。
脚本の書き方のコツ⑦:自分の感情を信じる
登場人物の感情を描くときは、あなた自身の経験を振り返ってみてください。子供のころの思い出や、家族・友達・恋人との出来事の中に、近い感情が見つかることがあります。
例えば、可愛がっていたペットを失った悲しみは、大切な人を亡くした登場人物の感情と重なる部分があるはずです。自分が本当に感じた感情を土台にすることで、セリフや行動に説得力が生まれます。
脚本の書き方のコツ⑧:ステレオタイプを手放す
教師なら真面目、少年なら元気いっぱい、お年寄りなら優しくて穏やか、というような「いかにもありがちな」キャラクターは、読者や観客を飽きさせてしまいます。
オリジナリティのあるキャラクターを作るには、こうした思い込みを一度手放すことが大切です。性別や年齢、職業を少し変えてみるだけで、まったく新しいキャラクターのアイデアが生まれることもあります。
脚本の書き方のコツ⑨:自分の意見を恐れずに書く
脚本家の役割のひとつは、「世間ではこう思われているけれど、本当はこうじゃないか」という自分なりの視点を、物語として伝えることです。自分の考えを主張するには、ちょっとした勇気が必要です。
無難にまとめようとすると、当たり障りのない脚本になってしまい、読者の心には残りません。間違っているかもしれない、と感じても、まずは自分の意見を脚本に乗せてみましょう。
脚本の書き方のコツ⑩:思い切って短くする
テンポの良いシーンを書くコツは、「省略」にあります。例えば、カップルが喧嘩をして、女性が男性を平手打ちするシーンを書くとき、喧嘩の原因や二人の険悪な空気から丁寧に描くと、どうしても長くなってしまいます。
そんなときは、平手打ちのシーンからいきなり始めて、すぐに次のシーンへ移ってみてください。「この二人、この先どうなるんだろう」と、読者や観客の興味を引きつけられます。説明したくなる気持ちを抑えて、思い切って短くすることを意識してみましょう。
脚本の書き方のコツに関するよくある質問
Q. 脚本がうまく書けないとき、最初にやるべきことは何ですか?
まずは、気になる部分があっても、最後まで書き切ることを優先してください。完成していない脚本は直すこともできません。コツ①でご紹介したように、「完成させる」という経験を積むことが、上達への一番の近道です。
Q. セリフと行動、どちらを優先して書けばいいですか?
登場人物の本音やストーリーの核心に関わる場面では、行動で見せることを優先してみてください。セリフで説明してしまうと、観客に「考える余白」が残らなくなります。セリフを書きたくなった瞬間こそ、行動に置き換えられないか考えるクセをつけると、シーンに深みが出ます。
Q. キャラクターがステレオタイプになっていないか、どう確認すればいいですか?
そのキャラクターの性別・年齢・職業を入れ替えても、セリフや行動が成立するかどうかを考えてみてください。入れ替えても何も変わらない場合は、その人物だけの個性が描けていないサインです。設定を少し変えるだけで、新しいアイデアが見つかることもあります。
まとめ:コツを知ったら、まずは書き続けることが大切
今回ご紹介した10個のコツは、どれも今日からすぐに意識できるものばかりです。脚本家として大切なのは、知識を増やすことだけでなく、それを実際の執筆に活かしてみることです。すべてを一度に完璧にこなす必要はありません。まずは1つでも気になったコツを、次に書く脚本に取り入れてみてはいかがでしょうか。書き続けるうちに、自分なりのコツも見つかっていくはずです。
脚本の書き方をさらに学べる本
構成やキャラクター作りについてさらに学びたい方には、以下の書籍もおすすめです。


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