2026年11月4日(水)7時30分から、日本映画専門チャンネルで1944年公開の映画「四つの結婚」が放送されます。入江たか子、山田五十鈴、山根寿子、高峰秀子が四姉妹を演じ、戦時下の日常をユーモラスに描いた作品です。
原作は太宰治の短編小説『佳日』。監督は青柳信雄、脚本は八木隆一郎が担当しています。
出征する友人の結婚を手伝うことになった青年が、婚約者の家を訪ねたことから思いがけない騒動に巻き込まれていきます。
戦争の影が日常に入り込む時代を背景にしながら、人物の思い違いや気まずさを笑いへ変えていくところが見どころです。原作との関係や四姉妹の配置、喜劇を成立させる脚本の工夫にも注目してみましょう。
四つの結婚の放送日時・作品情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 放送日時 | 2026年11月4日(水)7:30~8:40 |
| 放送局 | 日本映画専門チャンネル |
| 作品名 | 四つの結婚 |
| 公開年 | 1944年 |
| 製作 | 東宝 |
| 放送案内の上映時間 | 64分 |
| 監督 | 青柳信雄 |
| 脚本 | 八木隆一郎 |
| 原作 | 太宰治『佳日』 |
| 主な出演 | 入江たか子、山田五十鈴、山根寿子、高峰秀子、河野秋武、藤田進、志村喬、清川荘司 ほか |
日本映画専門チャンネルの11月4日の日別番組表には、午前7時30分から「四つの結婚」が掲載されています。番組案内では、1944年の作品で、戦時下の日常をユーモラスに描く映画として紹介されています。
放送枠は午前8時40分までです。映画本編の上映時間は放送案内で64分とされていますが、国立映画アーカイブの作品記録では63分と記載されています。
資料によって表記に差があるため、ここでは今回の放送案内に合わせて64分としています。
また、本作は日本映画専門チャンネルの「蔵出し名画座」で紹介されている作品です。同企画では、本編前に映画評論家の川本三郎さんによる解説を届けると案内されています。
作品そのものに加え、時代背景や映画史の中での位置づけを知る手がかりにもなりそうです。
四つの結婚はどんな映画?
「四つの結婚」は、太宰治の小説『佳日』を原作とする1944年の東宝映画です。国立映画アーカイブの作品紹介では、35ミリ・白黒の作品として記録され、監督は青柳信雄、脚本は八木隆一郎とされています。
物語の中心になるのは、友人の結婚を手伝うことになった青年です。出征を控えた友人から仲人を頼まれた青年は、相手の女性の家を訪ねますが、そこには美しい四姉妹が暮らしていました。
婚約者をめぐる思い違いが起こり、青年は予想していなかった状況に直面します。
四姉妹を演じるのは、入江たか子、山田五十鈴、山根寿子、高峰秀子です。作品の紹介では、四人が美人姉妹として登場することが強調されています。
姉妹それぞれの立場や家族の事情が、青年の勘違いと結びつき、物語にユーモアを生み出します。
一方で、背景にあるのは戦時下の暮らしです。国立映画アーカイブは本作を、緊迫する戦況の中でも明るく振る舞おうとする銃後の生活を描いたメロドラマとして紹介しています。
結婚の準備や家族の会話といった身近な出来事の中に、出征や召集という時代の現実が入り込んでいる点が、本作を特徴づけています。
四つの結婚のあらすじ
航空研究所に勤める三島は、出征を控えた友人から結婚の仲人を頼まれます。友人は婚約者と式を挙げることを決めており、三島に相手の家との話を進めてほしいと依頼します。
三島は頼みを引き受け、婚約者の家を訪ねます。しかし、相手の女性の名前や家族について十分に確かめないまま訪問したため、家にいる四人の姉妹を前に戸惑うことになります。
誰が友人の婚約者なのか、姉妹の関係をどう理解すればよいのか。三島の思い違いが、場面に笑いを生み出します。
国立映画アーカイブの紹介では、三島が友人の婚約者である三女を四女と取り違えることが、物語のユーモラスな出来事として説明されています。家族の側にとっては当たり前の姉妹関係も、事情を知らずに訪れた三島にはすぐに理解できません。
さらに、四姉妹の家庭には戦争の影響が及んでいます。国立映画アーカイブの2004年の上映解説によると、退職した司法官の家には四人の娘がおり、長女の夫は戦死、次女の夫は出征中という状況です。
結婚の話が進む場面にも、家族が抱える不在や心配が重なっています。
やがて三島自身にも召集令状が届きます。友人の結婚を手伝うという身近な出来事から始まった物語は、登場人物たちが暮らす時代の現実へとつながっていきます。
笑いのある場面と、戦争によって生活が左右される状況が同じ作品の中に置かれていることが、本作の大きな特徴です。
四姉妹を演じる出演者と登場人物
四姉妹を演じるのは、入江たか子、山田五十鈴、山根寿子、高峰秀子です。日本映画専門チャンネルの作品紹介では、四人が美しい姉妹として登場することが紹介されています。
国立映画アーカイブの作品記録では、長女を入江たか子、次女を山田五十鈴、三女を山根寿子、四女を高峰秀子が演じると確認できます。四人の姉妹は同じ家に暮らしながら、それぞれ異なる家族の事情を抱えています。
入江たか子と山田五十鈴は、戦時下の家庭を支える姉たちを演じます。山根寿子と高峰秀子は、三女と四女をめぐる取り違えの中心に関わる役どころです。
姉妹の関係を観客が理解している一方で、訪問してきた三島が状況を把握できていないという情報の差が、喜劇の土台になります。
三島を演じるのは河野秋武です。友人役には江川宇礼雄が出演し、ほかに藤田進、志村喬、清川荘司らの名前も作品情報に記載されています。
太宰治『佳日』と映画版の関係
本作の原作は、太宰治の短編小説『佳日』です。青空文庫の図書カードによると、『佳日』は1944年1月1日発行の雑誌「改造」第二十六巻第一号に初出しました。
同じ1944年に、東宝によって映画化されています。
原作の『佳日』は、友人の大隅から結納と結婚式の準備を頼まれた語り手が、相手の家を訪ねる一人称の物語です。語り手は結婚の手続きを進める役目を引き受けますが、礼儀作法や訪問先の家族とのやりとりに戸惑い、思いどおりに振る舞えません。
青空文庫で公開されている原作本文では、語り手が結納を届けるために相手の家を訪れ、家族の前で緊張する様子が細かく描かれています。足袋を履き替える場面や、家族との会話で言葉に詰まる場面など、本人にとっては深刻な失敗が、読者には滑稽に映るように組み立てられています。
映画版について国立映画アーカイブが紹介しているのは、航空研究所に勤める三島を中心とした物語です。友人の婚約者を四姉妹の一人と取り違える展開や、三島自身にも召集令状が届く流れが示されています。
原作の語り手が経験する気まずさや結婚の世話をめぐる騒動を、映画では登場人物の動きや姉妹の配置を使って見せていると考えられます。
原作と映画は、同じ出来事をそのまま文章と映像に置き換えたものではありません。小説では語り手の内面や言葉の調子が笑いを生みますが、映画では人物同士の位置関係、表情、会話の行き違いが画面上の笑いにつながります。
原作を読んでから映画を見ると、同じ題材を別の表現で組み立てる面白さを感じられるでしょう。
戦時下の暮らしを描くメロドラマとしての特徴
「四つの結婚」は、戦時下の家庭を舞台にした作品です。国立映画アーカイブの解説では、長女の夫は戦死し、次女の夫は出征中と説明されています。
四姉妹の家には、結婚や家族の話題とともに、戦争によって家族が離れて暮らす現実があります。
作品の中で描かれるのは、戦場そのものではありません。結婚の準備を進める青年、娘たちの暮らし、家族の会話といった日常の場面を通して、戦争が家庭に及ぼしている影響を見せています。
大きな出来事を直接描くのではなく、家族の不在や召集という形で時代の緊張を伝えていると考えられます。
また、国立映画アーカイブの2004年の上映記録では、本作は63分、35ミリ、白黒で「不完全」と記録されています。一方、今回の日本映画専門チャンネルの放送案内では64分とされています。
今回放送されるプリントが当時の上映記録と同じものかどうかは、公開されている番組情報だけでは確認できません。
短い上映時間の中で、姉妹の取り違えによる喜劇と、出征・戦死・召集という戦時下の現実が並行して描かれます。家庭内の小さな騒動を楽しみながら、その背後にある時代の重さにも目を向けたい作品です。
青柳信雄監督と八木隆一郎脚本の見どころ
監督の青柳信雄は、本作の演出を担当しています。国立映画アーカイブの記録では、原作が太宰治、脚本が八木隆一郎、撮影が川村清衛、音楽が服部正とされています。
脚本を担当した八木隆一郎は、太宰治の小説『佳日』を映画の物語として構成する役割を担いました。原作は語り手の一人称で進むため、語り手が何を知り、何を知らず、どのように失敗するかが文章の面白さにつながっています。
映画では、その状況を人物の動きや会話として見せる必要があります。
映画版の紹介にある四姉妹の取り違えは、観客には姉妹の関係が見えているのに、三島だけが正しく把握できていないという構造です。観客と主人公が持っている情報の差が、次の言動を予想させ、思い違いが明らかになる瞬間に笑いを生みます。
さらに、三島の召集という出来事が、物語の喜劇的な流れに時代の現実を持ち込みます。人物の勘違いを笑いとして描きながら、登場人物たちが自由に将来を選べるわけではない状況も示しています。
明るい場面だけで終わらせないところに、戦時下のメロドラマとしての奥行きがあると考えられます。
脚本づくりの視点:情報の行き違いを笑いに変える
脚本づくりの視点で注目したいのは、主人公だけが必要な情報を十分に持っていないという設定です。三島は友人の婚約者の家へ向かいますが、姉妹の関係を正確に理解できていません。
そのため、訪問先では普通に進む会話が、三島にとっては思い違いの連続になります。
この構造では、観客が人物関係を理解していることが大切です。観客が四姉妹の存在や役割を把握しているからこそ、三島の勘違いを先回りして見守ることができます。
主人公が間違えること自体ではなく、観客がその間違いに気づいているという情報の差が、笑いを支えていると考えられます。
もうひとつのポイントは、主人公の小さな失敗が、家族の事情や時代背景と結びついていることです。婚約者を取り違えるという喜劇的な出来事の背後には、夫を戦地に送り出した姉や、夫を亡くした姉の生活があります。
笑いの場面だけで人物を描かず、その人物が置かれた状況まで見せることで、物語に厚みが生まれています。
自分で脚本を書くときにも、登場人物の一人に情報を与えないことで、会話の行き違いや誤解を作れます。ただし、観客にも状況が分からないままでは、何が面白いのか伝わりません。
誰が何を知っていて、誰が何を知らないのかを整理し、観客に必要な情報を先に渡すことが、喜劇の構成を考える手がかりになります。
参考にした情報
- 日本映画専門チャンネル「蔵出し名画座」
- 日本映画専門チャンネル「2026年11月4日 日別番組表」
- 国立映画アーカイブ「返還映画コレクション(1)――第一次・劇映画篇-20」
- 国立映画アーカイブ「映画女優 高峰秀子」上映作品解説
- 青空文庫「佳日」図書カード
- 青空文庫「佳日」太宰治
- KINENOTE「四つの結婚」作品情報
よくある質問
四つの結婚はいつ放送されますか?
2026年11月4日(水)午前7時30分から、日本映画専門チャンネルで放送される予定です。番組表の終了時刻は午前8時40分です。
四つの結婚の原作は何ですか?
太宰治の短編小説『佳日』です。青空文庫の作品情報では、1944年1月1日発行の雑誌「改造」に初出した作品とされています。
四つの結婚の監督と脚本は誰ですか?
監督は青柳信雄、脚本は八木隆一郎です。製作は東宝で、1944年に公開されました。
四つの結婚に出演している四姉妹役の俳優は誰ですか?
入江たか子、山田五十鈴、山根寿子、高峰秀子です。国立映画アーカイブの記録では、四人が長女から四女を演じています。
まとめ
「四つの結婚」は、太宰治の『佳日』を原作に、青柳信雄監督、八木隆一郎脚本で映画化された1944年の東宝作品です。入江たか子、山田五十鈴、山根寿子、高峰秀子が四姉妹を演じ、友人の結婚を手伝う青年の思い違いを通して、戦時下の日常をユーモラスに描いています。
原作の一人称の語りを、映画では四姉妹と青年の会話や行動に置き換えて見せている点が、脚本・演出の見どころです。2026年11月4日の放送では、人物同士の情報の行き違いがどのように笑いを生み、戦時下の家族の事情と結びついていくのかに注目してみてください。

コメント