今村昌弘さんは、『屍人荘の殺人』でデビューしたミステリー作家です。
東京創元社の公式プロフィールによると、1985年に長崎県で生まれ、岡山大学を卒業。2017年に『屍人荘の殺人』で第27回鮎川哲也賞を受賞してデビューし、同作は第18回本格ミステリ大賞の小説部門も受賞しました。2019年には実写映画化され、原作者として映像作品にもつながっています。
2026年には、完全新作『0秒前の彼女』を小説として書き下ろし、その物語を原作とする日本テレビ系ドラマ「ハイド&シーク 0秒前の彼女」が放送されています。ここでは、今村さんの経歴と代表作、映像化との関わり、原作を脚本にするときに学べる視点をまとめます。
今村昌弘さんの経歴
東京創元社の著者プロフィールでは、今村昌弘さんは1985年長崎県生まれ、岡山大学卒、兵庫県在住と紹介されています。正確な誕生日の月日までは公式プロフィールで確認できないため、年齢は断定せず、公式に示されている生年のみを扱います。
作家としての大きな転機は2017年です。『屍人荘の殺人』で第27回鮎川哲也賞を受賞し、同作でデビューしました。その後、『このミステリーがすごい!2018年版』国内編、週刊文春の2017年ミステリーベスト10国内部門、『2018本格ミステリ・ベスト10』で第1位となり、第18回本格ミステリ大賞小説部門も受賞しています。
シリーズは『魔眼の匣の殺人』『兇人邸の殺人』へと続き、さらに『でぃすぺる』『明智恭介の奔走』などの著書があります。東京創元社のプロフィールには、2021年の日本テレビ系ドラマ「ネメシス」に脚本協力として参加したことも記載されており、小説だけでなく映像制作との接点も持つ作家です。
代表作『屍人荘の殺人』と映像化
『屍人荘の殺人』は、神紅大学ミステリ愛好会の葉村譲と明智恭介、そして探偵の剣崎比留子が、映画研究会の夏合宿に参加するところから始まる本格ミステリーです。山中のペンションという閉ざされた場所で、通常の推理小説とは違う異常事態と連続殺人が重なる構成が大きな特徴です。
東京創元社の作品ページでは、第27回鮎川哲也賞、第18回本格ミステリ大賞の受賞歴に加え、複数のミステリーランキングで高く評価されたことが紹介されています。デビュー作でありながら、今村さんの代表作として定着した一冊です。
2019年12月13日には実写映画が公開されました。アミューズの作品情報では、神木隆之介さん、浜辺美波さん、中村倫也さんが出演し、監督は木村ひさしさん、脚本は蒔田光治さん、原作は今村昌弘さんと記載されています。
小説の作者と映画の脚本家が別である点は、原作と映像化の関係を考えるうえで大切です。原作が持つ謎や人物、世界観を土台にしつつ、映画では上映時間、俳優の演技、画面で見せる情報量に合わせて再構成する必要があります。『屍人荘の殺人』は、原作者の物語が映像脚本へ渡される実例として見ることができます。
今村昌弘さんの作風
今村昌弘さんの作品には、本格ミステリーの論理性を大切にしながら、従来の形式に別ジャンルの要素を組み合わせる特徴が見られます。『屍人荘の殺人』では、古典的なクローズドサークルの状況に意外な設定を重ね、登場人物が外へ出られない理由そのものを強く物語化しました。
小説丸のインタビューでは、『屍人荘の殺人』が「閉ざされた山荘で起きる連続殺人」という古典的な題材を意外な形で蘇らせた作品として紹介されています。作品の大きな仕掛けを安易に明かさずに語られてきたことも、驚きを設計するミステリーとしての性格を示しています。
2024年の『明智恭介の奔走』に関するインタビューでは、今村さん自身が「会話劇で進んでいく話」を一編書いてみようと考えた作品について語っています。同じシリーズでも、謎解きだけに形式を固定せず、会話の運びやキャラクターの見せ方を変えながら物語を組み立てていることが分かります。
作風を一言で決めつけるより、仕掛け、閉鎖空間、人物の役割、会話といった複数の方法を使い分ける作家として見ると、今村作品の幅が理解しやすくなります。
『0秒前の彼女』はどんな原作?
日本テレビの公式ページによると、『0秒前の彼女』は今村昌弘さんが書き下ろした完全新作のミステリーです。ドラマ「ハイド&シーク 0秒前の彼女」と同時に展開される企画で、小説は双葉社から刊行されています。
物語の出発点は、「死んだはずの恋人から電話がかかってくる」というアイデアです。ドラマ版では、爆弾事件で恋人を失ったフリージャーナリスト・津倉が、その事件の首謀者として追われながら、死んだはずの恋人につながる謎を追います。
原作者コメントで今村さんは、同じアイデアを出発点にしながら、小説では謎解きの面白さをより重視したと説明しています。つまり、ドラマが小説をそのまま映像へ置き換えるだけではなく、同じ核からそれぞれの媒体に合う物語を走らせる企画です。
この説明は、原作と映像化の違いを理解するうえで非常に分かりやすい材料です。小説では人物の思考や心理を文章で細かく追えますが、ドラマでは俳優の表情、映像の切り替え、音、時間制限を使って緊張を作れます。同じ出来事でも、どこを強調するかによって作品の印象は変わります。
脚本志望者が学べる点
今村昌弘さんの原作から学べる第一の点は、「強い一文で物語の入口を作る」ことです。『0秒前の彼女』の企画は、死んだはずの恋人から電話が来るという状況だけで、主人公が電話に出る理由、相手の正体、死の真相という複数の疑問を同時に生みます。
脚本では、冒頭で視聴者にすべてを説明するより、主人公が無視できない出来事を置き、その行動を追わせる方がドラマを動かしやすくなります。今村さんが原作者コメントで示した「アイデアを出発点にする」という考え方は、企画段階で物語の核を一文にできる強さを考えるヒントになります。
第二の点は、原作を映像化するときに「何を同じにし、何を変えるか」を意識することです。日本テレビ公式では、小説は謎解きの面白さに重きを置き、ドラマは映像作品として別の魅力を持つ両軸の企画だと説明されています。
原作付き脚本を書く場合、場面や台詞をそのまま移すことだけが忠実さではありません。原作の中心にある問いや人物の欲求を守りながら、映像で伝わる順番へ組み替える必要があります。『0秒前の彼女』は、原作者自身が小説とドラマの違いを前提にしているため、媒体ごとの脚色を考える教材として見やすい作品です。
第三の点は、途中で明かす情報が主人公の目的を変えるように設計することです。第5話では、津倉が追っていた紗奈に関する認識が大きく変わり、第6話では公安への復讐、Xデータ、警察庁への爆弾計画へと目的と危険が拡大します。謎の答えを一つ出すことで物語を終わらせず、その答えが次の問題を生む構造になっています。
最新の出演情報(2026年11月時点)
今村昌弘さんは俳優として出演するのではなく、原作者として「ハイド&シーク 0秒前の彼女」に関わっています。2026年11月8日(日)22時30分から日本テレビ系で第6話「彼女が告げた衝撃の真実」が放送されます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 放送日時 | 2026年11月8日(日)22:30〜 |
| 放送局 | 日本テレビ系 |
| 番組 | ハイド&シーク 0秒前の彼女 第6話 |
| 原作 | 今村昌弘『0秒前の彼女』(双葉社) |
| 脚本 | 山崎太基 |
| 演出 | 鈴木勇馬 |
| 主演 | 福士蒼汰 |
日本テレビ公式の第6話あらすじでは、津倉が紗奈を死なせた黒幕を暴くためにリヴ・コモンズと手を組み、Xデータが隠された警察庁へ爆弾を仕掛ける計画を持ちかけます。しかし堂島が独断で爆弾を起動し、解除不能のタイマーが進む中で、Xデータの内容と京佳の言葉が大きな焦点になります。
原作小説とドラマは同じ出発点を持ちながら、公式に「両軸」で展開する企画と説明されています。第6話を見る際も、小説で重視された謎解きと、ドラマで前面に出る追跡・危機・人物関係がどう配分されているかを比べると、脚色の考え方が見えてきます。
共演者と映像化作品のスタッフ
「ハイド&シーク 0秒前の彼女」では、福士蒼汰さんが津倉勇一を演じ、志田彩良さん、田中樹さん、葉山奨之さん、成海璃子さん、袴田吉彦さん、松尾諭さん、勝村政信さん、風間俊介さんらが出演しています。第6話の脚本は山崎太基さん、演出は鈴木勇馬さんです。
今村さんの映像化作品としては、映画『屍人荘の殺人』も重要です。こちらは神木隆之介さん、浜辺美波さん、中村倫也さんらが出演し、脚本を蒔田光治さん、監督を木村ひさしさんが担当しました。
同じ原作者でも、作品ごとに映像側の脚本家や監督が異なります。原作の魅力がどの要素にあるのかを読み取り、別の作り手が映画やテレビドラマの形へ変換する過程そのものが、脚本を学ぶ人にとって参考になります。
参考にした情報
- 日本テレビ「ハイド&シーク 0秒前の彼女」原作ページ
- 日本テレビ「ハイド&シーク 0秒前の彼女」第6話あらすじ
- 東京創元社「今村昌弘」著者プロフィール
- 東京創元社「屍人荘の殺人」
- アミューズ 映画「屍人荘の殺人」作品情報
- 小説丸「今村昌弘さん『屍人荘の殺人』」インタビュー
よくある質問
今村昌弘さんの代表作は何ですか?
デビュー作『屍人荘の殺人』が代表作です。第27回鮎川哲也賞、第18回本格ミステリ大賞小説部門を受賞し、2019年には実写映画化されました。
今村昌弘さんは何年生まれですか?
東京創元社の公式プロフィールでは1985年長崎県生まれとされています。誕生日の月日は今回確認した公式プロフィールには記載されていないため、年齢は断定していません。
「ハイド&シーク 0秒前の彼女」の原作は誰ですか?
原作は今村昌弘さんの書き下ろし小説『0秒前の彼女』です。日本テレビの公式ページでは、小説とドラマを同時展開する企画として紹介されています。
小説とドラマは同じ内容ですか?
同じアイデアを出発点にしていますが、公式の原作者コメントでは、小説は謎解きの面白さをより重視したと説明されています。ドラマは映像ならではの展開を持つ別の軸として制作されています。
まとめ
今村昌弘さんは、2017年に『屍人荘の殺人』でデビューし、本格ミステリーの仕掛けと大胆な設定を組み合わせた作品で高い評価を受けてきた作家です。同作は2019年に映画化され、2026年には新作『0秒前の彼女』が日本テレビのドラマ「ハイド&シーク 0秒前の彼女」の原作として展開されています。
脚本志望者にとって特に参考になるのは、一文で強い疑問を生む物語の入口、答えが次の問題を生む情報開示、そして同じ物語の核を小説とドラマで別の表現へ組み替える考え方です。原作と映像版を見比べることで、脚色とは単なる短縮ではなく、媒体に合わせて物語の力点を再設計する作業だと理解しやすくなります。

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