脚本家を目指す人へ|物語の芯となる「テーマ」の力

テーマとジャンルの決め方

※当サイトはアフィリエイト広告を利用しています。商品を紹介し、収益を得ることがあります。

脚本を書き始めたばかりの頃は、「面白いシーンを思いつくこと」に意識が向きがちです。しかし、いくつものシーンを書き進めていくうちに、「結局この物語で何を伝えたいんだろう」と手が止まってしまうことはありませんか? その悩みのカギになるのが「テーマ」です。テーマとは、物語全体を貫く一本の芯のようなもの。この記事では、テーマとは何か、そしてテーマをどうやって見つけ、脚本に落とし込んでいくのかを、脚本家を目指す方に向けて解説します。

「テーマ」とは何か?物語の芯になるもの

テーマとは、物語を通して伝えたい「考え方」や「価値観」のことです。「何が起きるか」を表すプロット(出来事の流れ)とは違い、テーマは「だから何だったのか」を表します。例えば「友情の大切さ」「家族との向き合い方」「自分らしく生きること」といったものが、テーマの例です。

同じ「主人公が困難を乗り越えて成功する」というプロットでも、テーマが「努力すれば報われる」なのか、「結果よりも仲間との過程が大切だ」なのかによって、描くべきシーンやセリフはまったく変わってきます。つまり、テーマは脚本のあらゆる選択を左右する「判断基準」でもあるのです。テーマについてさらに詳しく知りたい方は、脚本のテーマとは?テーマの作り方や実例を紹介も参考にしてみてください。

テーマが定まっていないと、脚本はどうなるか

テーマが定まっていない脚本は、一つひとつのシーンは面白くても、全体として「何が言いたいのかわからない」という印象になりがちです。読む人や観る人は、物語が進むにつれて「この主人公は結局、何を求めて行動しているんだろう」と感じてしまいます。これは、各シーンを貫く一貫した軸がないために起こる現象です。

NG例は、「とりあえず盛り上がりそうな展開」を思いつくたびに、テーマとの関係を考えずにシーンを追加してしまうことです。良い例は、新しいシーンを思いついたときに「このシーンは、自分が伝えたいテーマとつながっているか」を一度立ち止まって確認することです。テーマという軸があるだけで、シーンを取捨選択する判断がぐっとしやすくなります

自分だけのテーマを見つける方法

テーマは、どこか遠くから探してくるものではありません。多くの場合、自分自身がこれまでの人生で感じてきたことの中にヒントがあります。「なぜ自分はこの物語を書きたいと思ったのか」「どんな出来事や感情が、この物語のきっかけになっているか」を振り返ってみてください。

例えば、過去に人間関係でつらい経験をしたことがある人なら、「本当の自分を見せることの怖さと大切さ」がテーマになるかもしれません。新しい環境に飛び込んだ経験がある人なら、「変化を恐れずに一歩を踏み出すこと」がテーマになるかもしれません。テーマを見つけるコツは、頭で考えるだけでなく、「自分がこれまで誰かに伝えたかったこと」を、短い一文で書き出してみることです。最初はうまくまとまらなくても構いません。書き出すうちに、自分の中にある芯が少しずつ見えてくるはずです。テーマを決める具体的なステップについては、脚本のテーマを悩まずに決める5ステップでも紹介しています。

テーマを脚本に落とし込むコツ

テーマが決まったら、それを脚本の中に直接的なセリフとして書き込みたくなるかもしれません。しかし、「友情って大切だよね」のようにキャラクターに言わせてしまうと、説教くさく感じられてしまうことがあります。テーマは、セリフで説明するのではなく、キャラクターの行動や選択、物語の結末を通して伝えるのが基本です。

例えば「本当の自分を見せることの大切さ」がテーマなら、物語の前半では本音を隠して無理に周りに合わせていた主人公が、後半でありのままの自分を見せる選択をする、という展開にすることでテーマが伝わります。対立するキャラクターや、主人公が迷う場面も、テーマに沿って設計すると、物語全体に一本の筋が通ります。テーマという視点から物語の構成を見直したい方は、テーマは感情!演劇『マクベス』を例にテーマを理解するもあわせて読んでみてください。

脚本のテーマに関するよくある質問

Q. テーマは、脚本を書き始める前に決めておくべきですか?

できれば、大まかな方向性だけでも先に決めておくのがおすすめです。とはいえ、書き進めるうちにテーマがより明確になっていくことも珍しくありません。最初から完璧なテーマを決める必要はなく、書きながら見つけていくくらいの気持ちで大丈夫です。

Q. テーマが複数あってもいいのでしょうか?

複数のテーマを盛り込むこと自体は問題ありません。ただし、初心者のうちは欲張りすぎると、結局どのテーマも浅くなってしまうことがあります。まずは一番伝えたい「メインのテーマ」を一つに絞り、それを軸にして物語を組み立てることをおすすめします。

Q. テーマが思いつかないときは、どうすればいいですか?

無理に新しいテーマを考え出そうとせず、自分が好きな映画やドラマ、小説を思い出してみてください。「なぜこの作品が好きなのか」を考えると、自分が大切にしている価値観が見えてくることがあります。それが、あなた自身のテーマのヒントになるはずです。

まとめ:テーマは脚本を貫く一本の軸

テーマは、脚本のあらゆる選択を支える土台です。テーマが定まっていると、シーンやセリフを選ぶときに迷いが減り、物語全体に一貫性が生まれます。最初から完璧なテーマを見つけようとする必要はありません。「自分がなぜこの物語を書きたいのか」を、まずは短い言葉で書き出してみることから始めてみてください。その一文が、あなたの脚本を支える芯になっていくはずです。

脚本の書き方をさらに学べる本

テーマやストーリー作りについてさらに学びたい方には、以下の書籍もおすすめです。


関連記事で更に学ぶ

コメント