テーマは感情!演劇『マクベス』を例にテーマを理解する

テーマとジャンルの決め方

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脚本を書くとき、テーマは欠かせません。なぜなら、テーマは作品に一貫性を与える要素だからです。しかし、初心者がテーマを理解し活用するのは難しいでしょう。記事では、そのようなテーマとはなにか、どのように理解するべきかということについて、演劇『マクベス』を例にして、わかりやすく解説します。

脚本家として「テーマ」という言葉は、つかみどころがなく難しく感じられがちです。しかし実際には、テーマは登場人物の感情そのものであり、物語に一貫性を与え、読者や視聴者への問いかけにもなる重要な要素です。この記事では、『マクベス』を例にテーマとは何かを解説し、テーマで物語に一貫性を持たせる方法、テーマの伝え方、そしてテーマを軸にしたリライトの進め方を紹介します。




テーマとは感情

テーマとは、物語を一言で表す核の要素です。古典演劇であるシェイクスピアの『マクベス』を例に説明します。

『マクベス』は、スコットランドの将軍マクベスが、クーデターによって王になり、その後疑心暗鬼に取り憑かれて暴君となり、最終的には恐ろしい結末を終える物語です。

テーマは物語を一言で表す要素とは言いましたが、上記は、出来事を列挙しているだけでテーマとは言えません。

テーマとは感情です。演劇の中でマクベスが暴君となり、最終的に滅びる原因になった感情に注目してください。

彼の心は貪欲でした。どんな手段を使っても権力を手に入れようとします。この欲望と野心こそが『マクベス』という物語全体を貫く感情でありテーマです。

テーマで一貫性を保つ

テーマは、感情であるとともに、物語全体を統一する役割も果たします。物語の前提として、早い段階で明示されることが一般的です。

このアプローチは、ビジネス文章で使用される「アンサーファースト」に似ています。最初に主張を提示し、その後に根拠となる内容を伝えることで、読者を納得させる論法です。

テーマを決めたら、途中で逸脱しないように注意しなければなりません。テーマは物語の骨子であり、それが崩れると一貫性が失われます。一貫性は、読者や視聴者への説得力を高める重要な要素です。

テーマの伝え方

テーマを伝える方法は様々です。冒頭で早めに伝える場合、作品の進行方向を明確に示せます。この際、主人公が自ら言葉で表明してもいいし、周囲のキャラクターが口にすることも考えられます。

一方、テーマをはっきり台詞にしないケースも存在します。そのような場合、関連するフレーズやアクションをくり返すことで、間接的に伝えるのです。

どのような方法を選んでも構いませんが、テーマは物語全体に関わる要素であり、ストーリーの進行に大きな影響を与えます。

例えば、テーマを伝えたいからといって、主人公に「人は欲望に飲まれると破滅する」とそのまま説明させてしまうのはNG例です。良い例は、マクベスのように、欲望に取り憑かれていく過程を行動や選択の変化として描き、セリフでは直接語らせないことです。テーマは説明するものではなく、物語そのものを通じて伝わるものだと意識しましょう。




テーマは問いかけ

テーマは問いかけです。脚本家から世間への問いかけであり、視聴者や読者に対する質問です。「私はこう思う、君はどうですか?」の形で表現されます。そして、そのテーマは様々な角度から試され、議論の的になるのです。

例えば「愛は正義」というテーマの脚本を書くと仮定します。 脚本家は、愛こそが正義だ!と信じているかもしれません。これに対して、「本当にそうか?」「金のほうが大事じゃないか?」「愛の定義って何?」などの疑問や反論をぶつけるのです。これらの困難を乗り越え、最終的には最初に提唱したテーマに戻ります。当初想定したものとは異なる形になっているはずです。深い説得力が備わっているでしょう。

つまり、テーマとは、物語によって変化し成長するものです。当初の口先だけの問いかけが、さまざまな試練や疑問を経て、より深い理解と総括された視点を備え、真実に近づきます。そうなって初めて、視聴者や読者に感銘を与えるのです。

テーマを元にリライトする

脚本を書き上げた後でテーマが決まらないということがあります。書いているうちに作者も思いもよらない方向に進んでしまい、テーマを見失うのです。まさに「画竜点睛を欠く」状態であり、そのような脚本では読者や視聴者に深い印象は残せません。

例えば、派手なアクションだけが続く映画作品は退屈です。殺陣や銃撃戦、カーアクションは物語を盛り上げる要素になることはあるかもしれませんが、それだけでは飽きてしまいます。これは、テーマの欠如が原因です。

テーマは、執筆に夢中になりすぎて見落とすこともあれば、物語が進むうちに変わることもあります。どちらにしても自分の作品の中にしかありません。最初から読み直して見つけてください。繰り返し出てくるキーワードや台詞、キャラクターの行動原理などから判明するでしょう。

そして、テーマになる要素を見つけたら、それに照らし合わせて脚本全体を見直します。最初のシーンから最後のシーンまで、物語すべての部分がテーマと関連しているかどうかを確認します。関連シーンがない場合は、それらを書き直さなければなりません。

多くの部分をリライトすることになるかも知れませんが、これによって脚本のレベルがアップすることは確実なので、是非実践してください。

脚本のテーマに関するよくある質問

Q. テーマとメッセージは違うのですか?

明確に区別するのは難しいですが、テーマは物語全体を貫く「感情」や「問いかけ」であり、メッセージはそこから読者や視聴者が受け取る「答え」や「教訓」に近いものです。テーマは脚本家が提示する問い、メッセージは観客がそこから感じ取る結論と考えるとわかりやすいでしょう。

Q. テーマは1つの作品に1つだけですか?

物語全体を貫く主テーマのほかに、エピソードごとの副テーマが存在することもあります。主テーマと副テーマが関連し合うことで、物語に深みが生まれます。

Q. テーマが思いつかないまま書き始めても大丈夫ですか?

大丈夫です。むしろ書き進めるうちにテーマが見えてくることも多くあります。一通り書き終えたら、繰り返し出てくるキーワードやキャラクターの行動原理からテーマを見つけ、それに沿って全体を見直すリライトを行いましょう。




まとめ

テーマは登場人物の感情であり、物語の一貫性を保つ要素です。ストーリーに必須の要素であり、作者からの問いかけでもあります。テーマが存在しない脚本はありえません。もし不足していると判明したらリライトしなければなりません。

脚本家として作品を見直すときは、テーマを一文で言い表せるかどうかをまず確認しています。一文にならない、あるいは複数の方向に分裂している場合は、リライトのサインです。『マクベス』のように、感情としてのテーマを軸にすることで、物語全体に一貫性と深い説得力が生まれます。

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テーマや構成についてさらに深く学びたい方には、以下の書籍もおすすめです。


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