脚本が思うように書けない時があります。いわゆるスランプです。そんな時は一行だって書けないでしょう。スランプを解決するには気楽に考えるのが一番。そこで今回は、脚本執筆にあたって心をリラックスさせる3つのアドバイスをお伝えします。
脚本家として、スランプに陥るのは決して特別なことではないと感じています。完璧を目指すあまり手が止まってしまうのは、むしろ真面目に脚本と向き合っている証拠です。この記事では、心をリラックスさせて再び書き始めるための3つのアドバイスを紹介します。
目次
書き続ければ道は開ける

脚本が書けない大きな要因は、変に考えすぎてしまうから。優等生タイプや完璧主義者など、真面目な性格の人に多い傾向があります。
キャラクターや舞台の設定、構成など、事前の下準備を頭の中で完璧に完成させないと脚本が書けないタイプは少なくありません。
確かに、脚本執筆に下準備は不可欠。しかし、アイデアを温め過ぎると旬を逃してしまいます。
ここで言う旬とは、世間での流行とは別に、脚本家自身の気持ちも指します。マイブームが過ぎてしまうと、脚本を書くモチベーションが消えてしまうのです。
そのため、脚本が書けないときは、深く考え込む前にアウトプットしましょう。ちょっとしたアイデアやキャラクター設定など、書き出すことが大切です。自分自身の考えをまとめる効果もあります。
NG例は、キャラクターの過去や世界観の細部まで頭の中で完璧に固めてから書き始めようとすることです。完成イメージが高くなるほど、現実の文章とのギャップに悩み、手が止まりやすくなります。良い例は、「とりあえず仮の設定」で書き始め、書きながら設定を固めていくことです。例えば主人公の名前が決まっていなくても「主人公A」のまま書き進め、後から名付ければ十分です。
大きなテーマでも尻込みしない

新人脚本家でも、壮大なテーマで脚本を書くことがあります。しかし、あまりに大きすぎるテーマは手に負えないと、筆が止まることもあるでしょう。
このような理由でスランプに陥った場合、改善するには脚本家の使命を再確認することが大切です。
脚本家に求められていることは、人間を描くことです。命とは、人生とは、という大きなテーマにぶつかった主人公はどんな行動をとるのか、ということを描きます。
テーマ自体の解決策を考えることが主目的ではありません。
大抵の場合は、妙なリアクションをしてしまい、悪い方へと転がり落ちていくことになるものです。
そして、紆余曲折を経て最後にたどり着いた先がゴールです。そこにはあなただけの答えがあるでしょう。
この答えは多くの人にとっての正解ではないかもしれません。しかし、あなたにとっては唯一無二の答えです。その思いが強いほど観客も共感します。
注意すべきはテーマの大きさに尻込みしないということ。ビビって小さくまとまるとつまらなくなってしまいます。
脚本を書く時は大風呂敷を広げてください。作者自身が先を見通せないくらいの方が観客も楽しめます。
まずは自分が楽しもう

脚本は不特定多数の人に向けて書きます。しかし、万人受けするアイデアはなかなか思いつきません。そうして負のスパイラルにおちいると、脚本が書けない状態になるのです。
このようなケースでは足元を確認することが大切です。作品を最初に読む人は誰かを考えます。当然、作者であるあなたが読むはずです。つまり、あなたも読者の一人だということです。
しかも、自分は最も身近な読者といっても良いでしょう。どんな作品が好きか手にとるようにわかるはずです。誰に向けて書くか迷ったら、自分が観たい映画を追求してください。
あなたが見たい映画はどんな映画でしょうか。改めて考えてみても思いつかない場合、今までに感動した作品に思いを巡らします。それも、頭の中で自問自答するのではなく、紙に書き出すとハッキリと認識できるのでおすすめです。
- 好きな映画やドラマ作品は
- 昔と今で好きなジャンルは変わったか
- 人生で一番夢中になった小説は?
- 子供のころに好きだった漫画のキャラクター
これは、自分の琴線がどこにあるかを再確認する作業です。そのため、フィクションにこだわる必要はありません。リアルでの経験も参考にしてください。
- はじめて好きな異性に告白した時の気持ち
- 最も気になるニュースは?
- 友達とケンカしたときの感想。口喧嘩だったか、それとも殴り合い?
- 感動して泣いたことはあるか。それはどんな時?
- 最近、声を上げて笑った出来事って?
- 今週、いちばん嬉しかったことと悔しかったことは?
自分が興味を持てることであれば素直に書けるし、ロケットスタートにつながります。脚本が書けないというスランプも解消できるでしょう。
脚本のスランプに関するよくある質問
Q. スランプが長引いて、何日も脚本に手をつけられません
まずは脚本そのものから少し離れて、記事で紹介したような「自分が好きな作品」や「印象に残った出来事」を紙に書き出す時間を作ってみてください。脚本を書くこと自体にこだわらず、思いついたことを書き出す習慣を取り戻すことが、再スタートの一歩になります。
Q. 大きなテーマを扱うと、途中で「自分には書けない」と感じてしまいます
テーマそのものに答えを出す必要はありません。脚本家の役割は、そのテーマにぶつかった主人公がどう行動し、どう変化していくかを描くことです。テーマへの「正解」を探すのではなく、主人公にとっての「結論」を描くことに意識を向けてみてください。
Q. 万人受けする脚本が思いつかず、書く前から悩んでしまいます
「万人受け」を最初から目指す必要はありません。記事で紹介したように、まずはあなた自身が観たい・読みたいと思える作品を目指してください。あなた自身が最も身近な読者であり、あなたが心から楽しめる作品は、同じ感覚を持つ誰かにも届くはずです。
まとめ
脚本を書く作業は長丁場の重労働です。主人公の人生を書き切るには、すごいエネルギーが脚本家に求められます。だからこそ、できるだけリラックスすることが大切です。なぜなら、最初からがんばりすぎると途中でバテてしまうから。最悪の場合、脚本が完成しないことにもなりかねません。そうならないように、今回お伝えしたことを参考にして楽しんで書いてください。
脚本家として、スランプは「書く力がなくなった」のではなく「考えすぎて止まっている」状態だと捉えています。今回紹介した3つのアドバイスを参考に、まずはペンを持ち、思いついたことから書き出してみてください。
脚本の書き方をさらに学べる本
構成やキャラクター作りについてさらに学びたい方には、以下の書籍もおすすめです。


コメント