ストーリーの作り方やドラマの描き方が少しずつ分かってくると、次のような疑問が湧いてきませんか?
- 「脚本って、どんな見た目で書けばいいの?」
- 「小説みたいに文章を詰め込んじゃダメ?」
- 「決まったルールがあるの?」
今回は、脚本のフォーマット(型)について解説します。 これは「暗記するためのもの」ではなく、あなたが「安心して書くためのガイド」です。
目次
脚本フォーマットは「縛り」ではなく「共通言語」
まず、一番大切なことをお伝えします。 脚本の型は、あなたの才能を縛るためのルールではありません。それは、読む人・作る人のための「共通言語」です。
- 作品をパッと見て理解するため
- 読む人が内容に迷わないため
- 制作現場のスタッフ全員でイメージを共有するため
つまり、脚本という設計図をスムーズに扱うための「整理整頓のルール」なのです。
もし型がバラバラだったら、どこがセリフで、誰がどこにいるのかを探すだけで読む人は疲れてしまいます。フォーマットを守ることで、読み手は「あなたの描く物語の中身」に集中できるようになります。
脚本を構成する「3つの要素」
脚本の誌面は、基本的に次の3つの要素だけで構成されています。この形さえ守れば、一気に「脚本らしく」なります。
① 柱書き(はしらがき)
シーンの冒頭に書く「場所」や「時間」のことです。 文字通り、物語を支える「柱」となります。
「柱」の数は、そのまま「シーンの数」になります。場所や時間が変わるたびに、新しい柱を立てて整理します。
② ト書き(とがき)
映像で見える「状況」や「アクション」を書きます。 「誰がどこにいて、何をしているか」という、カメラに映るすべての動きがここに含まれます。
小説ではないので、心の中の思い(モノローグ以外)は書かず、動作や風景など「目に見えること」に絞って書くのがコツです。
③ セリフ
登場人物が話す言葉です。
「誰が話しているか」を一目で分かるようにします。セリフの間にト書き(アクション)を挟むことで、映像のテンポを作ることもあります。
伝わる脚本にするための「書き方のコツ」
1. ト書きは「短く・シンプルに」
初心者のうちは、小説のように美しく長い文章を書こうとしがちです。しかし、脚本のト書きは「メモ」に近い感覚でOK。 「何が見えるか」「何が起きているか」が伝われば、それだけで十分合格点です。
2. セリフで「説明」しすぎない
「俺は今、すごく怒っているんだ!」とすべてを言葉にさせる必要はありません。 あえて言わない、あるいは言葉とは裏腹な態度をとる。そんな「行間」があるほど、ドラマは深まります。
3. 小さな「アクション」を混ぜる
「ペンを握り直す」「一瞬だけ足が止まる」。 こうした小さな動きは、時に長いセリフよりも雄弁にキャラクターの感情を伝えてくれます。
完璧を目指さなくていい
ここも大事なポイントです。
- 最初から完璧な書式じゃなくていい
- 少しぐらいズレていても構わない
- 書きながら、少しずつ慣れていけばいい
一番大切なのは、「これは映像(スクリーン)で伝わるか?」という視点を持つことです。
- それは目に見えるか?
- それは耳に聞こえるか?
この問いに「YES」と言えるなら、それはもう立派な脚本の表現です。
今日からできる「1分練習」
まずは、たった3〜4行の練習から始めてみませんか?
- 柱書きを1つ書く(例:夕方のカフェ)
- ト書きを1行書く(例:窓際の席で、男がコーヒーを飲んでいる)
- セリフを1行入れる(例:「……来ないな」)
- アクションを1つ足す(例:スマホの画面を伏せる)
これだけで、あなたの物語は「脚本」として動き出します。
まとめ:フォーマットはあなたの味方
- フォーマットは縛りではなく、親切心。
- 「柱書き・ト書き・セリフ(アクション)」が基本。
- 「映像として伝わるか」が唯一の判断基準。
ストーリーが「何の話か」、ドラマが「心の葛藤」だとしたら、フォーマットは「それをどう見せるか」の技術です。
型を味方につけて、あなたの頭の中にある世界を、誰かに届く形に整えていきましょう!


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