脚本を書きたい人ほど知っておきたい「いちばん地味で大事なこと」

脚本の基礎を学ぶ

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脚本の勉強を始めようとすると、決まって返ってくる答えがあります。 それは、まずは脚本をたくさん読みなさいというアドバイス。

でも、正直こう思いませんか? 「脚本って、ぶっちゃけ読みにくい…」「小説の方がおもしろいし、ワクワクする」「映画を観るほうが手っ取り早い気がする」。もしそう感じているなら、安心してください。その感覚、正解です。

脚本家として活動する中でも、脚本を読むこと自体が楽しいと感じる人はあまり多くありません。それでも脚本を読む経験は、書くときの不安を減らし、自分の書き方の方向性を見つけ、読み手の感覚を体感的に身につけるという、3つの意味で役立ちます。この記事では、なぜ脚本を読むことが大事なのか、そして無理なく続けるためのハードルの下げ方を解説します。




脚本を読むのは「楽しむため」じゃない

最初にお伝えしたい、いちばん大切な結論はこれです。

脚本を読む目的は、感動するためでも、おもしろさを味わうためでもありません。 ただ一つ、脚本という形に、脳と目を慣らすこと。これだけでいいんです。

そもそも脚本は、読者に楽しんでもらうための「読み物」ではありません。 スタッフや俳優さんが使うための設計図です。

  • 文章に味気がないのは当たり前
  • 情景が想像しにくいのも当たり前
  • 読んでいて「不親切だな」と思うのも当たり前

脚本は「読むためのもの」ではなく「作るためのもの」だからです。

それでも「読むこと」に意味がある3つの理由

「おもしろくないのに、なぜ読むの?」 その理由は、あなたの「書く作業」をグッと楽にしてくれる3つのメリットがあるからです。

① 「書き方の不安」がなくなる

読んだことがないまま書こうとすると、「これで合ってるのかな?」「ルールを間違えてないかな?」と、書き始める前に手が止まってしまいます。 でも何本か読んでみると、あ、こんなにシンプルでいいんだ!と気づけます。この安心感が、ペンを動かす原動力になります。

例えば、脚本を1本も読まずに、自分の感覚だけでフォーマットを決めて書き始めてしまうのはNG例です。後から「書式が違う」と指摘されて、最初から書き直すことになりかねません。良い例は、書き始める前にたった1本でも目を通し、見た目の型だけ真似してから自分の物語を書くことです。型を先に知っておくだけで、書き直しの手間が減ります。

② 自分の「好き・嫌い」がはっきりする

脚本を読んでいると、スラスラ読めるものと、なんだか疲れるものに分かれます。 「なぜこれは読みやすいんだろう?」と考えることで、自分が目指したい書き方のヒントが自然と見つかります。

③ 「読み手の気持ち」がわかるようになる

脚本家にとって大切なのは、何を書きたいかと同じくらいどう読まれるかという視点です。 自分が読者になってみることで、「ここで説明が長いと飽きるな」「ここで会話があると助かるな」という感覚が、体感として身につきます。




「何百本も読まなきゃ」は忘れていい

よく「プロになりたいなら100本読め」なんて言われますが、最初は気にしなくて大丈夫です。

ハードルをぐーんと下げて、まずはこれだけで十分。

  1. 大好きな映画を1本選ぶ
  2. その脚本を探してみる
  3. 最後まで読まなくてもいい。パラパラ眺めるだけ。
  4. 読みにくいと感じた場所を覚えておく。

これだけで、立派な「脚本の練習」になっています。

脚本を読む勉強法に関するよくある質問

Q. 脚本はどこで読めますか?

大好きな映画のタイトルに「脚本」「シナリオ」と付けて検索してみてください。シナリオ集として書籍化されているものや、コンクール作品として公開されているものが見つかることがあります。1本でも見つかれば、それで十分です。

Q. 脚本を読んでも、よくわからない箇所が多いのですが大丈夫ですか?

大丈夫です。脚本はスタッフや俳優のための設計図なので、読みにくさを感じるのは当然です。すべてを理解しようとせず、「ここは読みやすい」「ここは引っかかる」という感覚を持てれば、十分な収穫です。

Q. 何本くらい読めば書き始めていいですか?

最初は1本で構いません。1本パラパラと眺めて型に慣れたら、もう書き始めてしまって大丈夫です。書きながら気になったときに、また別の脚本を読んでみる。そのくり返しで十分力がついていきます。




まとめ:脚本を読むのは「近道」のため

脚本を読むことは、一見すると地味で遠回りに見えるかもしれません。 でも実際は、

  • 型に慣れる
  • 自分の好みを知る
  • 読み手の感覚を知る

これらを手に入れるための、いちばん確実な近道です。

「勉強しなきゃ!」と肩をひじを張らずに、まずは設計図をのぞき見するくらいの軽い気持ちで、1ページ目を開いてみませんか?

脚本家として振り返っても、いちばん力になったのは、面白いと評判の脚本ではなく、自分が好きな映画の脚本でした。地味な作業に思えるかもしれませんが、これを続けた人ほど、書くことへの不安が少なくなっていきます。

脚本の書き方をさらに学べる本

脚本の型や書き方の基本についてさらに学びたい方には、以下の書籍もおすすめです。


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