2026年11月7日(土)4時45分から、WOWOWシネマで映画「ベイビーガール」字幕版が放送されます。PG12指定の作品で、主演のニコール・キッドマンが第81回ヴェネチア国際映画祭で女優賞を受賞したことでも注目を集めました。
物語の中心にいるのは、仕事も家庭も成功しているCEOロミーと、彼女の会社に入ってきた若いインターンのサミュエルです。社会的な立場だけを見ればロミーが圧倒的に上ですが、二人の私的な関係では力の向きが揺れ動きます。
この記事では、WOWOW公式と映画公式、A24、ヴェネチア国際映画祭の情報をもとに、あらすじとキャストに加えて、ハリナ・ライン監督・脚本による人物配置と演出の見どころを、脚本を書く視点から整理します。
ベイビーガールの放送日時と作品情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 放送日時 | 2026年11月7日(土)4:45〜 |
| 放送局 | WOWOWシネマ |
| 放送形態 | 字幕版 |
| 年齢区分 | PG12 |
| 制作年 | 2024年 |
| 主演 | ニコール・キッドマン |
| 監督・脚本 | ハリナ・ライン |
WOWOW公式では、本作を2024年製作のアメリカ/オランダ作品として紹介し、字幕版の内容時間を115分としています。ジャンルはドラマ・サスペンス/ミステリーです。
日本の映画公式では2025年3月28日に劇場公開された作品として案内され、製作はA24、監督・脚本はハリナ・ラインとされています。日本公開時から、CEOと年下のインターンの間で変化していく力関係が大きな軸として打ち出されていました。
ベイビーガールはどんな映画?
主人公のロミーは、ニューヨークでロボット事業を率いるCEOです。舞台演出家の夫ジェイコブと子どもたちに囲まれ、仕事でも家庭でも、外から見れば不足のない生活を送っています。
しかしWOWOW公式のあらすじでは、ロミーは心の内に満たされない渇きを抱えている人物として描かれます。成功した経営者という表向きの顔と、本人にも整理しきれない欲望を抱える内面との間に、最初から大きな落差が置かれています。
そんなロミーが出会うのが、会社のインターンとして働くサミュエルです。彼はロミーの内面にある欲望を見抜くように接近し、二人の関係は、職場の上下関係とは異なる方向へ進んでいきます。
A24公式も、ロミーが若いインターンとの関係によってキャリアと家族を危険にさらしていく物語だと説明しています。単純に「秘密の恋愛」を追うだけではなく、主人公が守ってきた社会的な立場、家庭、自己像が同時に揺らぐ点が、本作のサスペンスを生み出しているといえます。
ロミーとサミュエルの関係で注目したいこと
ロミーは会社では決定権を持つCEOで、サミュエルはインターンです。ところが日本公式では、二人の間で主導権が逆転していくことが物語のポイントとして紹介されています。
この反転があることで、肩書きだけでは人物同士の力関係を説明できなくなります。誰が命令できる立場なのか、誰が相手の弱みを握っているのか、誰が関係を終わらせられるのかという複数の力が、場面ごとに動いていく構造です。
見る側にとっては、「CEOだから強い」「インターンだから弱い」と最初に理解した関係が、そのまま通用しません。脚本上の人物関係を固定せず、場面のたびに優位と劣位が入れ替わることで、会話そのものに緊張感が生まれていると考えられます。
キャストと登場人物
| 役名 | 出演者 | 役どころ |
|---|---|---|
| ロミー | ニコール・キッドマン | ロボット事業を率いるCEO |
| サミュエル | ハリス・ディキンソン | ロミーの会社で働くインターン |
| ジェイコブ | アントニオ・バンデラス | ロミーの夫で舞台演出家 |
| エスメ | ソフィー・ワイルド | ロミーの会社に関わる人物 |
| イザベル | エスター・マクレガー | ロミーの家族に関わる人物 |
ニコール・キッドマン演じるロミーは、社会的に成功した人物でありながら、自分の欲望を完全には制御できないという二面性を抱えています。ハリナ・ライン監督はヴェネチア国際映画祭の公式ページで、人間の中にある相反する力や、隠された欲望に関心があると説明しています。
サミュエル役のハリス・ディキンソンは、職場ではロミーより弱い立場にいながら、私的な関係では彼女の反応を見抜いて主導権を握る人物です。ロミーの夫ジェイコブをアントニオ・バンデラスが演じることで、ロミーが失うかもしれない家庭の現実味も強くなります。
脚本・演出・音楽のスタッフ
| 役割 | 担当 |
|---|---|
| 監督 | ハリナ・ライン |
| 脚本 | ハリナ・ライン |
| 撮影 | ヤスパー・ウォルフ |
| 音楽 | クリストバル・タピア・デ・ヴィーア |
| 編集 | マット・ハンナム |
WOWOW公式では、監督と脚本はいずれもハリナ・ラインと記載されています。ヴェネチア国際映画祭の公式作品ページでも、監督・脚本をハリナ・ライン、撮影をヤスパー・ウォルフ、編集をマット・ハンナムと確認できます。
脚本と監督を同じ人物が担う作品では、台詞や場面の設計と、俳優の動き・間・視線を一体として作り込めます。本作も、人物が口にする言葉だけでなく、誰が相手に近づくか、距離を取るか、先に視線を外すかといった演出が、力関係を示す重要な要素になっていると考えられます。
ヴェネチア国際映画祭の公式ページでハリナ・ライン監督は、ロミーとサミュエルの関係を通じて、権力、ジェンダー、年齢、階層、衝動の混乱を扱ったと説明しています。つまり二人の関係は恋愛感情だけでなく、社会的な立場や年齢差も含めた複数の要素が重なるよう設計されています。
脚本づくりの視点:力関係を反転させて緊張を作る
脚本を書く側から本作で特に参考になるのは、人物の肩書きと実際の主導権を一致させないことです。ロミーはCEO、サミュエルはインターンという明確な上下関係から物語が始まります。
ところが二人きりの場面では、サミュエルがロミーの反応を読み、彼女が隠している欲望に触れることで、心理的な主導権が移っていきます。社会的には上にいる人物が、私的な場面では相手の一言に揺さぶられるため、観客は「次はどちらが主導するのか」を見続けることになります。
一つの人物に矛盾した欲求を持たせる
ロミーは、家庭や仕事を守りたい人物です。その一方で、現在の生活だけでは満たされない欲望を抱えています。
この二つは同時には満たしにくく、どちらかへ動くほど、もう一方を失う危険が大きくなります。
脚本では、主人公に一つの目標だけを持たせるよりも、「守りたい」と「壊したい」のように矛盾する欲求を同居させると、選択そのものがドラマになります。本作ではロミーの内側の対立が、そのままサミュエルとの関係の危うさにつながっていると考えられます。
ハリナ・ライン監督もヴェネチア国際映画祭の公式コメントで、人間の二面性や、抑圧した影の部分に関心を示しています。ロミーは単に誘惑される人物ではなく、自分の中にすでにある矛盾をサミュエルによって表面化させられる人物として設計されています。
会話の「内容」より立場の変化を見る
本作のような関係劇では、台詞の情報量だけを追うと、場面の面白さを見落としやすくなります。重要なのは、会話の前と後で「どちらが優位になったか」「誰が相手に何を認めさせたか」という変化です。
例えば、会社ではロミーがサミュエルを評価する立場でも、二人の私的な場面ではサミュエルの言葉にロミーが反応させられることがあります。場面の目的を「情報を伝える」ではなく「力関係を一段動かす」と考えると、短いやり取りでもドラマを作れます。
脚本志望者が見るなら、各場面の冒頭と終わりで、ロミーとサミュエルのどちらが優位にいるのかを比べてみると分かりやすいです。立場が反転した瞬間に何が起きたのかを追うことで、台詞と行動の役割が見えやすくなります。
家庭と職場を対照的な舞台にする
ロミーにはCEOとして振る舞う職場と、夫や子どもと暮らす家庭があります。二つの場所は、彼女が守ろうとしている「完成された人生」を違う角度から示す舞台です。
そこへサミュエルとの関係が入り込むことで、職場での地位と家庭での信頼が同時に危うくなります。一つの秘密が複数の生活領域に波及するように設定すると、主人公が負うリスクを大きくできます。
ニコール・キッドマンがヴェネチア国際映画祭で女優賞
第81回ヴェネチア国際映画祭の公式受賞結果では、ニコール・キッドマンが「ベイビーガール」で最優秀女優賞にあたるコッパ・ヴォルピを受賞しています。
ロミーは、人前では自信と統制を保ちながら、私的な場面では揺らぎや羞恥、欲望を見せる役です。人物の感情を一方向に固定せず、強さと弱さを同時に見せることが求められるため、演技を見るうえでも表情や沈黙の変化に注目したい作品です。
ヴェネチア国際映画祭の公式作品ページでは、監督自身が、女性の脆さ、愛、恥、怒りなどを判断せずに見つめることを意図したと説明しています。ロミーの行動を単純に善悪で整理せず、矛盾を抱えた人物として描く姿勢が、作品全体の基調になっています。
WOWOWで見るときの注目ポイント
WOWOWシネマで初めて見る場合は、ロミーとサミュエルの関係がどの場面から変化するのかを追うと、物語の構造がつかみやすくなります。二人の肩書きは変わらなくても、会話の主導権、距離、視線、秘密の量が変わることで関係性は動きます。
また、夫ジェイコブとの場面とサミュエルとの場面で、ロミーの話し方や振る舞いがどう変わるかにも注目できます。主人公の「外向きの顔」と「隠している顔」を、別々の相手との会話で見せ分ける構成は、キャラクターを立体的に見せる方法として参考になります。
参考にした情報
よくある質問
ベイビーガールのWOWOW放送はいつですか?
2026年11月7日(土)4時45分から、WOWOWシネマで字幕版が放送されます。
ベイビーガールの監督と脚本は誰ですか?
監督・脚本はいずれもハリナ・ラインです。WOWOW公式、日本公式、ヴェネチア国際映画祭公式で確認できます。
ベイビーガールでニコール・キッドマンは何の賞を受賞しましたか?
第81回ヴェネチア国際映画祭で、最優秀女優賞にあたるコッパ・ヴォルピを受賞しました。
まとめ
「ベイビーガール」は、成功したCEOロミーと若いインターンのサミュエルの関係を通して、肩書きだけでは決まらない権力の揺れを描くサスペンスです。
脚本・演出の視点では、CEOとインターンという明確な上下関係を出発点にしながら、私的な場面で主導権を反転させる構成と、ロミーの中に「守りたい生活」と「抑えきれない欲望」を同居させた人物設計が見どころです。
2026年11月7日(土)4時45分からのWOWOWシネマ放送では、台詞の内容だけでなく、会話の前後でどちらの人物が優位になったのかを意識して見ると、ハリナ・ラインの脚本と演出の狙いをより深く味わえます。

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