プロットを書こうとして、
・中盤が弱くなる
・盛り上がるはずの場面が来ない
・最後まで書いたのに「これでいいのか?」と不安になる
そんな経験はありませんか。
私自身、脚本を書き始めた頃は、「なんとなく進めて、なんとなく崩れる」という状態を何度も繰り返していました。
そのときに出会ったのが、『SAVE THE CATの法則』に書かれている、ブレイク・スナイダー・ビート・シート(BS2)です。
BS2は、物語を感覚ではなく構造として組み立てるためのテンプレートです。
このシートを使うようになってから、「次に何を書くか」で迷う時間が大きく減りました。
本記事では、
・BS2とは何か
・どのように使うのか
・すぐに使える構成テンプレート
をまとめて紹介します。
また、BS2を理解する上で欠かせない一冊『SAVE THE CATの法則 : 本当に売れる脚本術』についても触れています。
目次
BS2(ブレイク・スナイダー・ビート・シート)とは?【SAVE THE CATの法則】

BS2とは、「ブレイク(B)・スナイダー(S)・ビート(B)・シート(S)」の各単語の頭文字をつなぎ合わせた言葉です。単純につなげるとBSBSとなるところを、さらに縮めてBS2としています。
ブレイク・スナイダーは作者の名前ですが、ビート・シートという言葉にはピンとこない方もいるかもしれません。
ビートとは何か?映画を構成する「部品」の考え方
彼の書いた本『SAVE THE CATの法則 : 本当に売れる脚本術』によると、映画とは、いくつかの部品が組み合わさって出来た時計のようなものだといいます。
その部品のことをビートといい、各ビートを書き出す紙のことをビートシートと名付けました。いわば脚本の設計図のような役割を持ちます。よく脚本は映画の設計図だと例えられることがありますが、ビートシートはそのさらに前段階の設計図だということです。
BS2は「15のビート」で構成されている【一覧解説】
BS2のビートは15種類です。それらが決まった場所にキチンと配置されるかどうかで、映画の出来が左右されるといいます。ひいては、作品がヒットするかどうかにまで関係するというのです。
驚いたことに、ブレイク・スナイダーは、各ビートが起こる脚本のページ数まで指定しています。
例えば、最初の盛り上がるエピソードは脚本の25枚目に書くべきだ、という具合です。そこまで細かく指定することはないのではないか、と疑問に思う方もいるかも知れません。しかし、多くのヒット作品を例に挙げて、BS2の法則が当てはまると主張しているので、説得力があります。
BS2は脚本執筆・映画分析の両方に使える

BS2(ブレイク・スナイダー・ビート・シート)は、あなたが脚本を書くときに役立つことはもちろん、脚本力を身につけるべく勉強する際にも役立つツールです。
脚本を書くときの使い方(プロット作成)
脚本を書くとき、アイデアを思いついたからといって、いきなり脚本形式で書き出す人は少ないです。多くの場合、アウトライン(大枠)や構成を組むでしょう。
BS2があれば映画脚本に必要な要素とそれらを配置する場所は明確です。穴埋めをするように各ビートを埋めるだけで、アウトラインや構成はスムーズに完成します。
脚本を勉強するときの使い方(映画の構成分析)
脚本の書き方を勉強するとき、優れた作品を分解して研究することがあります。その映画の構成がどのように組まれているかを知ることは、脚本を書く力を上達させるためにも役立ちます。
それぞれのエピソードがどのような意味を持っているのかを考えBS2に落とし込む作業は、とても身になる勉強法ではないでしょうか。
【無料】BS2(ビートシート)構成テンプレートをダウンロード

BS2(ブレイク・スナイダー・ビート・シート)は、脚本を学ぶ人にとって、物語の構造を整理するための基本ツールです。
「何から書けばいいか分からない」
「途中で構成が崩れてしまう」
そんなときに、物語全体を見渡す助けになります。
脚本執筆に役立てたい方や、映画の構成を研究したい方のために、今回、SAVE THE CATの考え方にもとづいた15のビートを一覧で整理した【無料テンプレート】を用意しました。
本資料を使えば、BS2をすぐに書き始めることができます。
プロット作成や映画分析のたたき台として、ぜひご活用ください。
※下記画像を右クリック(または長押し)して保存できます。

また、各ビートにどのような要素が含まれるかを簡潔にメモしたシートも用意しました。BS2の各項目に何を書けばいいのか迷った方は、参考にしてください。

※このテンプレートは、SAVE THE CATの考え方を理解するための補助資料です。
BS2(ブレイク・スナイダー・ビート・シート)は、テンプレートだけでもプロットを組み立てることはできます。
ただし、
- なぜこの位置にこのビートが来るのか
- ズレたときに、どこを直せばいいのか
- 作品ごとにどう調整すればいいのか
こうした判断は、『SAVE THE CATの法則 : 本当に売れる脚本術』を読まないと分かりません。
私自身、この本を読むまでは「一応、脚本の形はできたけれど、これで正しいのか分からない」という不安が残っていました。
BS2を理解したことで、物語を感覚ではなく、構造として確認できるようになったのが一番大きな変化です。
- プロットが途中で崩れる
- 中盤が弱くなりがち
- 最後まで書ききれない
- 最後まで書いても自信が持てない
こうした悩みがある方には、一度じっくり読んでみる価値のある一冊だと思います。



コメント