2026年11月7日(土)19時から、BS12トゥエルビの「土曜洋画劇場」で『ダーティハリー』が日本語吹替で放送されます。
クリント・イーストウッド演じる刑事ハリー・キャラハンと、連続殺人犯スコルピオの対決を描く1971年の犯罪アクションです。派手な銃撃だけでなく、主人公を「法を守る側にいながら、組織のルールからはみ出す人物」として置いた脚本と、サンフランシスコの街を生かすドン・シーゲル監督の演出が大きな見どころです。
ここでは11月7日の放送情報を押さえたうえで、あらすじ、キャスト、日本語吹替、脚本スタッフ、そして脚本を書く側から見た構成の面白さを整理します。
11月7日の放送日時と基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 放送日時 | 2026年11月7日(土)19:00〜21:00 |
| 放送局 | BS12トゥエルビ |
| 放送枠 | 土曜洋画劇場 |
| 作品 | ダーティハリー |
| 音声 | 日本語吹替 |
| 製作年 | 1971年 |
| 監督 | ドン・シーゲル |
| 主演 | クリント・イーストウッド |
BS12を運営するワールド・ハイビジョン・チャンネル株式会社の2026年11月4日付プレスリリースでは、11月7日から『ダーティハリー』シリーズを5週連続で放送すると案内されています。初回にあたる11月7日は第1作『ダーティハリー』で、放送開始は19時です。
Gガイドの番組情報でも、11月7日19時から21時までの放送と、日本語吹替であることが確認できます。映画そのものは約102分の作品ですが、テレビ放送ではCMなどを含む2時間枠として編成されています。
ワーナー・ブラザース公式サイトでは、本作を1971年のアメリカ映画として紹介し、サンフランシスコ市警殺人課のハリー・キャラハンが、犯罪者への強い執念と型破りな捜査で事件を追う作品だと説明しています。
『ダーティハリー』はどんな物語?
物語の舞台はサンフランシスコです。街で狙撃事件が起こり、犯人は「スコルピオ」を名乗って市に金を要求します。要求が通らなければ市民を次々に殺すという脅迫のなか、捜査を担当するのがハリー・キャラハン刑事です。
ハリーは犯罪者に対して容赦がなく、組織の手順や上司の意向よりも「犯人を止めること」を優先する人物として描かれます。そのため警察官でありながら、いわゆる模範的なヒーローとは違います。正義感は強い一方で、手段は危うく、見る側に「どこまでなら許されるのか」を考えさせる主人公です。
犯人スコルピオも、単に最後に倒される悪役としてではなく、ハリーの価値観をあぶり出す相手として置かれています。無差別に人を狙い、警察や市を翻弄するスコルピオがいることで、ハリーの強引さが「必要な行動」に見える場面と、「危険な越境」に見える場面が交互に生まれます。
この対立があるため、本作は刑事が犯人を追うだけの一直線なアクションではありません。犯人逮捕という目的は明快ですが、その途中で法、手続き、組織、個人の判断がぶつかります。ハリーの行動を爽快に感じる瞬間がありながら、同時に不安も残る。その二重性が作品を長く語られるものにしていると考えられます。
ハリー・キャラハンは「正義の人」だけではない
ハリーの特徴は、強いことよりも「孤立していること」です。仲間とにぎやかに捜査する刑事ではなく、自分の判断で動き、結果として周囲との距離が広がっていきます。
BFIは本作のハリーを、権威から距離を置く孤独な刑事として論じています。西部劇のガンマンを現代の都市に置き換えたような主人公像と見ると、街のなかを単独で進み、危険を自分で引き受ける姿が理解しやすくなります。
一方で、ハリーには新しい相棒チコ・ゴンザレスが付きます。チコがそばにいることで、ハリーのやり方は第三者の目からも見えるようになります。主人公一人だけで進めるより、相棒を置くことで「この人物は普通の刑事とは違う」ということを説明台詞に頼らず示せる構造です。
キャストと日本語吹替
中心となるハリー・キャラハン役はクリント・イーストウッドです。ワーナー公式の日本向け作品ページでは、ハリーの日本語吹替として山田康雄さんが記載されています。
Gガイドの11月7日放送情報では、ハリー・キャラハン役のクリント・イーストウッドに山田康雄さん、多田野曜平さん、アル・ブレスラー役のハリー・ガーディノに田口計さん、スコルピオ役のアンディ・ロビンソンに堀勝之祐さん、チコ・ゴンザレス役のレニ・サントーニに仲村秀生さん、大川透さんという吹替表記があります。
複数の声優名が併記されている役について、11月7日の放送でどの音源がどの場面に使われるかまでは、放送前の公開情報だけでは断定できません。そのため、視聴時には実際の音声で確認するのが確実です。
アンディ・ロビンソン演じるスコルピオは、ハリーの対極に置かれた存在です。AFI Catalogでは、本作がロビンソンの映画デビュー作であることも紹介されています。ハリーの無表情で抑えた存在感に対し、スコルピオは不安定さや予測不能さが前に出るため、二人の演技の温度差も緊張感につながっています。
脚本・演出・音楽のスタッフ
AFI Catalogとカンヌ国際映画祭の作品データでは、監督はドン・シーゲル、脚本はハリー・ジュリアン・フィンク、R・M・フィンク、ディーン・ライズナーと確認できます。AFIでは原案にハリー・ジュリアン・フィンクとR・M・フィンク、撮影にブルース・サーティース、音楽にラロ・シフリン、編集にカール・ピンギトアというクレジットも掲載されています。
| 役割 | 担当 |
|---|---|
| 監督 | ドン・シーゲル |
| 脚本 | ハリー・ジュリアン・フィンク、R・M・フィンク、ディーン・ライズナー |
| 原案 | ハリー・ジュリアン・フィンク、R・M・フィンク |
| 撮影 | ブルース・サーティース |
| 音楽 | ラロ・シフリン |
| 編集 | カール・ピンギトア |
本作の演出で目立つのは、都市を単なる背景にしないことです。AFIによると、撮影はサンフランシスコ各地で行われ、街の実在する場所が多く使われました。犯人がどこから狙っているのか分からない高低差、広い道路、スタジアム、夜の街などが、捜査の不安を強める舞台装置になっています。
ドン・シーゲルの演出は、主人公を説明するために会話を重ねるより、歩き方、立ち位置、銃を構えるまでの間、相手との距離で人物像を見せる方向に強みがあります。クリント・イーストウッドの抑えた演技と組み合わさることで、ハリーが多くを語らなくても「自分の判断で動く男」だと伝わります。
ラロ・シフリンの音楽も、捜査劇を単なる現実的な犯罪ものではなく、不穏な都市の物語として感じさせる要素です。映像が静かな場面でも音楽が緊張を補い、犯人が見えない時間に観客の不安を持続させます。
脚本づくりの視点:主人公と犯人を同じ問いで結ぶ
『ダーティハリー』の脚本で学びやすいのは、主人公と犯人を「正反対の人物」にするだけでなく、同じテーマの上に置いている点です。
ハリーは法を守る警察官ですが、規則や手続きを超えてでも犯人を止めようとします。スコルピオは法を無視して人を傷つけ、自分の欲望を通そうとします。立場はまったく違いますが、どちらも「自分の判断を優先して行動する人物」です。
もちろん両者を同一視することはできません。しかし脚本上は、犯人が強烈であるほど、主人公の危うさも見えやすくなります。悪役を倒すために主人公が一線を越えそうになるたび、観客は「目的が正しければ手段も許されるのか」という問いに戻されます。
このように、敵役を主人公の価値観を映す鏡として使うと、対立が単なる腕力比べではなくなります。主人公が何を信じているのか、どこまでは譲れて、どこから先は譲れないのかが、敵との衝突を通して明確になります。
冒頭で主人公のやり方を先に見せる
本作では、物語の早い段階からハリーがどんな刑事なのかが行動で示されます。観客は長いプロフィール説明を聞かなくても、危険な現場への入り方や犯罪者への対応を見て、通常の手順より結果を優先する人物だと理解できます。
脚本を書くとき、主人公の性格を台詞で「俺はこういう人間だ」と説明させるより、その人が選ぶ行動を一度見せるほうが強く残ります。特に刑事ものやアクションでは、仕事の場面そのものが人物紹介になります。
『ダーティハリー』では、その人物紹介が後半の葛藤にもつながっています。最初に「手段を選ばない刑事」と示しているからこそ、捜査が難しくなったときにハリーがどこまで踏み込むのかが緊張になります。冒頭の性格提示が、その場限りの格好よさで終わらず、後の問題を生む種にもなっているわけです。
相棒を「説明役」ではなく比較対象にする
チコは観客に設定を説明するだけの相棒ではありません。経験や考え方の違う人物を主人公の近くに置くことで、ハリーの異常さや孤独が自然に浮かび上がります。
主人公と同じ職業で、同じ事件を追っていても、判断や反応が違う人物を置けば、説明台詞を減らせます。ハリーが特別だと周囲に何度も言わせるのではなく、チコの反応を通して差を見せる構造です。
また、相棒がいることで主人公の行動には結果が生まれます。単独なら本人だけが危険を背負えば済みますが、誰かと組むことで、その強引さが他人にも影響します。キャラクター同士の関係を使って主人公の欠点を見せる方法として参考になります。
都市そのものを障害にする
サンフランシスコは背景ではなく、追跡や狙撃の難しさを作る装置として使われています。高い建物、広い街路、夜の暗さ、人が集まる場所などが、犯人を見つけにくくし、捜査を複雑にします。
脚本では、舞台設定が物語の展開に関わるほど、作品固有の手触りが強くなります。事件だけを別の街に移しても同じになるのではなく、その場所だから起きる危険や移動の難しさを作ることで、設定とアクションを一体化できます。
『ダーティハリー』を見るときは、ハリーとスコルピオの対決だけでなく、「どこで事件が起きるか」「街の距離や高さがどう緊張を作るか」にも注目すると、脚本と演出のつながりが見えやすくなります。
11月は『ダーティハリー』シリーズを5週連続放送
BS12のプレスリリースでは、11月7日の第1作を皮切りに、11月14日『ダーティハリー2』、11月21日『ダーティハリー3』、11月28日『ダーティハリー4』、12月5日『ダーティハリー5』を5週連続で放送すると案内しています。
第1作を見ると、シリーズの出発点となるハリーの人物像と、作品が抱える「正義と手段」の緊張が分かります。その後のシリーズでハリーがどのような相手とぶつかり、同じ主人公像がどう変化していくかを追いやすくなるため、11月7日の放送はシリーズを順番に見る入口にもなります。
参考にした情報
- BS12運営会社プレスリリース「『ダーティハリー』シリーズ5週連続放送」
- ワーナー・ブラザース公式「ダーティハリー」作品ページ
- Gガイド「土曜洋画劇場 『ダーティハリー』(日本語吹替)」
- AFI Catalog「Dirty Harry」
- BFI「Dirty Harry (1971)」
よくある質問
『ダーティハリー』はBS12でいつ放送されますか?
2026年11月7日(土)19時から21時まで、BS12トゥエルビの「土曜洋画劇場」で放送されます。
11月7日の『ダーティハリー』は日本語吹替ですか?
はい。BS12の放送情報とGガイドでは、日本語吹替での放送と案内されています。
『ダーティハリー』の監督と脚本は誰ですか?
監督はドン・シーゲルです。脚本はハリー・ジュリアン・フィンク、R・M・フィンク、ディーン・ライズナーがクレジットされています。
ハリー・キャラハン役は誰ですか?
ハリー・キャラハン役はクリント・イーストウッドです。ワーナー公式の日本向け作品ページでは、日本語吹替として山田康雄さんが記載されています。
まとめ
2026年11月7日19時からBS12「土曜洋画劇場」で放送される『ダーティハリー』は、クリント・イーストウッド演じるハリー・キャラハンと連続殺人犯スコルピオの対決を描く1971年の犯罪アクションです。
脚本の面では、主人公と犯人を「自分の判断を優先する人物」として対照させ、正義と手段の境界を物語の中心に置いている点が見どころです。さらに相棒チコを比較対象として使う人物配置や、サンフランシスコの街そのものを障害として機能させる演出にも注目すると、アクションの裏にある構成が見えてきます。
日本語吹替の声とともに、ハリーの行動がどの場面で頼もしく見え、どの場面で危うく見えるのかを追うと、この作品が単純な勧善懲悪では終わらない理由を感じられるはずです。

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