2026年11月1日(日)21時から、BS-TBSの「永野映画CHANNEL」で『ヒズ・ガール・フライデー』が放送されます。BS-TBS公式では23時までの2時間枠で、オリジナル音声・日本語字幕、モノクロでの放送です。
この映画の大きな魅力は、新聞社を舞台にした息つく間もない会話の応酬です。敏腕記者ヒルディと、元夫で編集長のウォルターが、仕事と恋愛を同時にぶつけ合う構造は、脚本を学ぶ目線でも見どころが多い作品です。
ここでは今回の放送情報、あらすじ、キャストとスタッフを整理しながら、チャールズ・レデラーの脚本とハワード・ホークスの演出が、なぜこれほど速く、しかも人物関係を分かりやすく見せられるのかを考えていきます。
11月1日の放送日時と番組情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 放送日時 | 2026年11月1日(日)21:00〜23:00 |
| 放送局 | BS-TBS |
| 番組 | 永野映画CHANNEL |
| 放送作品 | ヒズ・ガール・フライデー |
| 放送形態 | オリジナル音声・日本語字幕、モノクロ |
| ナビゲーター | 永野 |
BS-TBS公式によると、「永野映画CHANNEL」は芸人の永野さんが自ら選んだ映画を紹介する番組です。映画の前後では、永野さんが独自の視点から作品への“偏愛”を語る構成になっています。
11月1日のラインナップとして掲げられているのが『ヒズ・ガール・フライデー』です。番組自体は10月から毎週日曜21時〜23時の枠に変更されており、今回もその時間帯で放送されます。
作品の上映時間はAFIとBFIで92分とされているため、2時間の番組枠では本編だけでなく、永野さんによる前後のトークも含めて楽しめる構成と考えられます。BS-TBS公式は「モノクロ」と明記しており、古典映画の画面と高速会話を字幕で追う回になります。
「ヒズ・ガール・フライデー」はどんな映画?
ソニー・ピクチャーズ公式によると、主人公のヒルディは敏腕記者です。彼女は元夫であり、新聞社の編集長でもあるウォルターから、死刑囚へのインタビューという最後の仕事を持ちかけられます。
ヒルディは別の男性ブルースとの再婚を決め、新聞記者の生活から離れようとしています。しかし、ウォルターは彼女を仕事の現場へ引き戻そうとし、取材は思わぬ事件へ発展していきます。
この筋立ての面白さは、「仕事を辞めたい人」と「仕事に戻したい人」という対立が、そのまま元夫婦の復縁をめぐる攻防にもなっている点です。恋愛だけを描くのではなく、職業人としてのヒルディの能力と欲望が物語の中心に置かれています。
AFIでは本作をコメディ、スクリューボール・コメディに分類しています。テンポの速い会話、人物同士の駆け引き、予想外の出来事が次々に重なる形式で、静かに感情を語るタイプの恋愛映画とはまったく違うリズムを持っています。
BFIも、新聞社の編集長がスクープのために周囲を操る物語として紹介しています。主人公たちの関係を「好きか嫌いか」だけで進めず、仕事上の能力や競争心を恋愛の力学と結びつけているところが、この作品を今見ても面白く感じさせる理由の一つです。
原作「The Front Page」から大きく変わった関係性
本作は、ベン・ヘクトとチャールズ・マッカーサーによる舞台劇『The Front Page』を原作としています。AFIやCriterionのクレジットでも、この舞台劇をもとにチャールズ・レデラーが脚本を担当したことが確認できます。
原作では記者ヒルディ・ジョンソンは男性でしたが、『ヒズ・ガール・フライデー』ではロザリンド・ラッセル演じる女性記者に変更されています。さらに、編集長ウォルターとヒルディを元夫婦という関係にしたことで、仕事の引き留めが恋愛の引き留めにも重なる構造になりました。
この変更によって、一つの会話に二つの目的を持たせやすくなっています。表面上は「記事を書くかどうか」を話していても、その裏では「二人の関係を終わらせるのか」という感情の駆け引きが進んでいると考えられます。
キャストと役どころ
| 役名 | キャスト | 役どころ |
|---|---|---|
| ウォルター | ケイリー・グラント | 新聞社の編集長。ヒルディの元夫 |
| ヒルディ | ロザリンド・ラッセル | 敏腕記者。ブルースとの再婚を控える |
| ブルース | ラルフ・ベラミー | ヒルディの再婚相手 |
| ハートウェル保安官 | ジーン・ロックハート | 死刑囚事件に関わる保安官 |
BS-TBSの番組情報とソニー・ピクチャーズ公式では、ケイリー・グラント、ロザリンド・ラッセル、ラルフ・ベラミーらの出演が確認できます。
特に注目したいのは、ウォルターとヒルディの力関係です。ウォルターは編集長としてヒルディの能力を誰より理解していますが、同時に元夫として彼女を手放したくない人物でもあります。
一方のヒルディは、新聞記者としての才能を持ちながら、その激しい世界を離れて別の人生を選ぼうとしています。ここで「仕事か結婚か」を単純な二択にせず、ヒルディ自身がどちらの世界に強く反応する人物なのかを、会話と行動の積み重ねで見せるところがポイントです。
脚本・演出・原作のスタッフ
| 役割 | 担当 |
|---|---|
| 監督・製作 | ハワード・ホークス |
| 脚本・脚色 | チャールズ・レデラー |
| 原作 | ベン・ヘクト、チャールズ・マッカーサー『The Front Page』 |
| 撮影 | ジョセフ・ウォーカー |
| 編集 | ジーン・ハヴリック |
ソニー・ピクチャーズ公式は、監督をハワード・ホークス、原作をベン・ヘクトとチャールズ・マッカーサー、脚色をチャールズ・レデラーと記載しています。AFIでも、監督・製作がホークス、脚本がレデラー、原作が舞台劇『The Front Page』であることが確認できます。
撮影はジョセフ・ウォーカー、編集はジーン・ハヴリックです。大量の会話をただ速く並べるだけでは観客が置いていかれますが、人物の位置関係や視線、カットの切り替えを整理することで、「誰が誰を動かそうとしているのか」を追えるようにしています。
本作は1940年1月18日に米国で公開された作品としてAFIに登録されています。一方、ソニー・ピクチャーズ日本公式では1939年の作品として掲載されています。制作年と公開年の扱いによる表記差があるため、放送時に年の表記を見る場合は、この違いを知っておくと混乱しにくいでしょう。
脚本づくりの視点:高速会話でも目的を見失わせない
『ヒズ・ガール・フライデー』を脚本の教材として見るなら、まず注目したいのが会話の速度と目的の明確さの両立です。BFIは本作を非常に速いスクリューボール・コメディとして紹介しており、番組表の解説でも、人のせりふに別の人物がかぶせて話すほどのテンポが強調されています。
会話が速いと、普通は情報を理解しにくくなります。それでも本作では、ウォルターの目的が「ヒルディを仕事と自分のもとに引き戻す」、ヒルディの目的が「新しい生活へ進む」と早い段階で示されるため、細かな言葉をすべて拾えなくても対立の方向を見失いにくいと考えられます。
一つの台詞に「仕事」と「恋愛」の二重の意味を持たせる
この作品では、新聞記事をめぐる仕事上のやり取りが、そのまま二人の私的な関係のやり取りにもなっています。ウォルターがヒルディの記者としての腕を評価するほど、「自分は彼女を必要としている」という感情もにじみます。
逆にヒルディがスクープへ反応してしまうほど、「平穏な新生活だけで本当に満足できるのか」という人物の内面が見えてきます。説明のために心情を長く語らせなくても、何に食いつき、何を拒むかでキャラクターを描ける構造です。
脚本を書くとき、台詞を情報伝達だけに使うと場面が平板になりやすいものです。本作のように、表向きの用件と感情上の目的をずらしておくと、一つの会話で物語と人物関係を同時に進められると考えられます。
元夫婦という設定が場面を最初から動かす
ウォルターとヒルディは、初対面から関係を築く人物ではありません。すでに結婚し、離婚まで経験した二人です。そのため、登場した時点で過去の蓄積があり、丁寧な自己紹介や関係説明をしなくても、言葉の応酬だけで距離感を見せられます。
「過去に深い関係があった」という設定は、短い時間で人物同士の熱量を上げる装置として働いています。脚本づくりでは、場面が始まる前に登場人物同士がどんな歴史を持っているかを決めておくことが、会話の密度を高める助けになります。
ハワード・ホークスの演出で見るべきポイント
ハワード・ホークスの演出では、台詞の速さだけでなく、仕事ができる人たちの集団の中に主人公を置くことにも注目したいところです。新聞記者たちは事件が起きると一斉に動き、情報を競い、電話や取材を通じて状況を変えていきます。
その中でヒルディは、ウォルターに言いくるめられるだけの人物ではありません。仕事の現場へ戻ると、記者としての判断力と反応の速さを見せます。物語上の中心人物に「選ばれる人」ではなく「自分で状況を動かせる人」を置くことで、元夫婦の対決も対等に見えると考えられます。
また、モノクロ作品でありながら、人物の出入りや電話、机、扉などを使って画面内の動きを止めません。会話の量が多い作品ほど、画面まで静止すると単調になりやすいため、俳優の動線と周囲の出来事を組み合わせる演出は参考になります。
永野映画CHANNELで見る意味
「永野映画CHANNEL」は、永野さんが自分で選んだ映画を紹介し、前後で独自の解釈を語る番組です。作品そのものを見るだけでなく、なぜ今この古典を選ぶのかというナビゲーターの視点も加わるのが特徴です。
『ヒズ・ガール・フライデー』は1940年前後の作品でありながら、会話のテンポや男女の仕事上の対等さ、職業と人生の選択といった要素は現代のドラマを考えるうえでも刺激があります。
特に脚本を学んでいる方は、「古い映画だから台詞回しもゆっくりだろう」と思わずに見てみてください。むしろ現代の作品と比べても速い会話が続くため、情報量を増やしても観客を迷わせないために、人物の目的をどう立てているかが見えてきます。
作品の評価と映画史での位置づけ
『ヒズ・ガール・フライデー』は、1993年に米国議会図書館のNational Film Registryに登録されています。National Film Registryは、文化的・歴史的・美学的に重要な米国映画を保存対象として選ぶ制度です。
BFIの作品ページでも、本作は「史上最高の映画」投票の2022年批評家部門で上位に入った作品として掲載されています。単に昔の人気コメディというだけでなく、映画史の中で繰り返し評価されてきた作品だと分かります。
今回のBS-TBS放送は、そうした古典を日本語字幕でまとめて見る機会です。物語を追うだけなら元夫婦の再会コメディとして楽しめますし、脚本に注目すれば、人物設定と台詞の機能を学ぶ素材にもなります。
参考にした情報
- BS-TBS「永野映画CHANNEL」公式
- ソニー・ピクチャーズ公式「ヒズ・ガール・フライデー」
- AFI Catalog「His Girl Friday」
- BFI「His Girl Friday」
- Library of Congress「National Film Registry」
よくある質問
「ヒズ・ガール・フライデー」は11月1日の何時から放送されますか?
2026年11月1日(日)21時から23時まで、BS-TBS「永野映画CHANNEL」で放送されます。BS-TBS公式ではオリジナル音声・日本語字幕、モノクロでの放送と案内されています。
「ヒズ・ガール・フライデー」の脚本と監督は誰ですか?
監督・製作はハワード・ホークス、脚本・脚色はチャールズ・レデラーです。原作はベン・ヘクトとチャールズ・マッカーサーの舞台劇『The Front Page』です。
主演は誰ですか?
編集長ウォルター役がケイリー・グラント、敏腕記者ヒルディ役がロザリンド・ラッセルです。ヒルディの再婚相手ブルースをラルフ・ベラミーが演じています。
脚本を見るときの一番の注目点は何ですか?
高速の会話の中でも、ウォルターとヒルディの目的が明確に保たれている点です。仕事の交渉と元夫婦の感情を同じ会話の中で進める構造を見ると、台詞に複数の役割を持たせる方法が分かります。
まとめ
11月1日21時からの「永野映画CHANNEL」は、『ヒズ・ガール・フライデー』をモノクロ・日本語字幕で放送します。ケイリー・グラントとロザリンド・ラッセルが演じる元夫婦が、新聞社の仕事と再婚をめぐって高速の会話を繰り広げるスクリューボール・コメディです。
脚本の視点では、チャールズ・レデラーが原作舞台を映画向けに組み替え、ヒルディを女性記者、ウォルターと元夫婦という関係にしたことで、仕事と恋愛を一つの対立へ重ねている点が大きな見どころです。
会話量の多い場面を書くときに、人物の目的をどう立てるか、台詞にどう二重の意味を持たせるか。そうした脚本づくりのヒントを探しながら見ると、80年以上前の作品が今も評価される理由をより具体的に味わえます。

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