NHK連続テレビ小説『風、薫る』第105回は、2026年8月21日(金)午前8時からNHK総合で放送されました。第21週「定めと選択」の締めくくりとなる今回は、物語が2年後へ進み、りんと直美の働く日常に戦争の影が入り込んでいく重要回です。
第105回の大きなポイントは、虎太郎が朝鮮へ向かうこと、多江が広島の陸軍病院へ行くことが告げられ、これまで身近にいた人々が戦争によって別の場所へ動かされ始めたことです。前回までの人間関係の変化を、時代そのものの大きな転換へつなげる回になりました。
『風、薫る』第105回の放送情報
- 放送日:2026年8月21日(金)
- 放送時間:8:00〜8:15(NHK総合)
- 話数:第105回
- 週タイトル:第21週「定めと選択」
- 主演:見上愛、上坂樹里
- 脚本:吉澤智子
- 原案:田中ひかる
- 音楽:野見祐二
- 語り:研ナオコ
番組表の公式データでは、2年後、戦争の足音が近づくなかでも、りん(見上愛)と直美(上坂樹里)は変わらず看護の仕事を続けているところから始まります。薬の配達に来た虎太郎(小林虎之介)は担当者が変わることを告げ、多江(生田絵梨花)もまた、りんたちに大きな報告をします。
第105回ネタバレ|虎太郎は朝鮮、多江は広島へ
放送では、虎太郎が医薬品の支給に関わるため朝鮮へ行くことになったと明かされました。日常的に薬を届け、りんたちのそばにいた虎太郎が「担当を外れる」と告げる場面は、単なる仕事上の交代ではありません。戦争が身近な人の進路や暮らしを直接変えていくことを示す出来事です。
さらに多江は、広島の陸軍病院へ向かうことを報告します。看護を仕事にしてきた人物にとって、戦争は遠い政治の話ではなく、働く場所や求められる役割そのものを変える現実として迫ってきます。第105回では、同じ「別れ」でも個人的な選択による別れとは異なり、時代に押し出されるような別離が描かれました。
2年後への時間ジャンプが意味するもの
第104回までの物語では、りんの看護、シマケンとの関係、直美や周囲の人々との生活が丁寧に積み重ねられていました。第105回ではそこから一気に2年が経過します。この時間ジャンプによって、登場人物それぞれの成長を説明しすぎずに見せながら、作品の焦点を「個人の選択」から「時代に翻弄される選択」へ切り替えています。
物語の転換点では、時間を飛ばすことで環境だけを変え、主人公の核が変わっていないことを強調する手法があります。りんと直美が変わらず働いているという描写が先に置かれるからこそ、その直後に届く虎太郎と多江の報告が強く響きます。プロットの転換点については、かかねばの「プロットとは?意味と書き方を解説」も参考になります。
りんと直美の「看護」が戦争と接続する
『風、薫る』は、明治期に西洋式の看護を学んだ女性たちをモチーフにした物語です。第105回では、その職業が社会に根づいていく一方で、戦争によって看護や医薬品の需要が別の形で拡大していく局面に入ります。これまで患者一人ひとりの生活に向き合ってきたりんと直美にとって、「国や軍が必要とする看護」とどう向き合うかは今後の大きなテーマになりそうです。
ここで重要なのは、主人公たちの能力が上がったかどうかだけではなく、同じ信念を別の環境でどう使うのかという点です。キャラクターの変化を設計する考え方は、キャラクター設定の作り方|22の質問でリアルな人物を描くでも詳しく解説しています。
第21週「定めと選択」の締めとして見る
週タイトルは「定めと選択」です。第105回では、虎太郎も多江も、自分の希望だけでは決められない大きな流れの中で新たな場所へ向かうことになります。つまり「定め」が強くなるほど、その中で何を選ぶのかが人物の輪郭を浮かび上がらせます。
ドラマでは、対立や障害が人物の本音を表面に出します。戦争という巨大な外的圧力が加わったことで、今後はりん、直美、虎太郎、多江、それぞれが何を守ろうとするのかがより明確になっていくでしょう。ドラマを動かす対立の基本は、「ドラマとは?物語を動かすたった1つの正体」でも解説しています。
『風、薫る』の原案と公式ガイド
本作の原案は田中ひかるによる大関和を扱った著作で、ドラマは史実をそのまま再現するのではなく、りんと直美という人物を軸にしたフィクションとして構成されています。NHK出版からは『NHKドラマ・ガイド 連続テレビ小説 風、薫る Part1』『Part2』も刊行されており、人物相関、出演者インタビュー、看護の歴史、美術やあらすじなどを確認できます。
脚本は吉澤智子。人物の職業上の葛藤と私生活を同じ場面の中で交差させる構成が本作の特徴です。脚本そのものの基本を知りたい方は、脚本の書き方|プロも守る7つのルールもあわせてどうぞ。
まとめ|第105回は「戦争が日常に入ってくる」転換回
『風、薫る』第105回は、2年後へ時間が進んだことで、りんと直美の物語が新しい段階に入りました。虎太郎は朝鮮へ、多江は広島の陸軍病院へ向かうことになり、戦争が登場人物の仕事と人間関係を具体的に変え始めています。
第21週で描かれてきた個人的な「定めと選択」が、第105回では社会全体の大きな流れへ広がりました。今後は、看護を通して人を支えてきたりんと直美が、その時代の要求と自分たちの信念をどう両立させるのかが注目点です。
コメント