10月30日(金)21時からWOWOWプラスで、2015年の連続ドラマ「無痛〜診える眼〜」第6話〜第10話が放送されます。原作は、医師で作家の久坂部羊さんによる小説『無痛』です。
久坂部羊さんは、医療現場での経験を背景に、治療、老い、死、人間の判断といった重いテーマを物語に落とし込んできた作家です。ここでは経歴と代表作をたどりながら、『無痛』が映像化されたときに何が脚色されたのか、脚本を書く側からどんな点を学べるのかまで整理します。
10月30日放送「無痛〜診える眼〜」と久坂部羊さんの関係
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 放送日時 | 2026年10月30日(金)21:00〜翌1:15 |
| 放送局 | WOWOWプラス |
| 放送内容 | 「無痛〜診える眼〜」第6話〜第10話(全10話の後半) |
| 初回放送 | 2015年 |
| 原作 | 久坂部羊『無痛』(幻冬舎文庫) |
| 主な出演 | 西島秀俊、伊藤淳史、石橋杏奈、中村蒼、浜辺美波、伊藤英明ほか |
Gガイドの番組情報では、10月30日21時から第6話〜第10話がまとめて放送されます。作品自体は2015年に制作された連続ドラマで、今回新たに久坂部羊さんが出演する番組ではなく、久坂部羊さんの原作小説を映像化した旧作が再放送される形です。
フジテレビの公式ページには、原作が久坂部羊さんの『無痛』、脚本が大久保ともみさんと香坂隆史さん、演出が佐藤祐市さん、木下高男さん、山内大典さんと掲載されています。原作者と脚本家が別に明記されているため、小説の世界をテレビドラマの尺や人物配置に合わせて再構成した作品だと分かります。
久坂部羊さんは医師経験を持つ作家
新潮社や筑摩書房の公式プロフィールによると、久坂部羊さんは1955年大阪府生まれで、大阪大学医学部を卒業しています。大学病院で外科・麻酔科を経験し、大阪府立成人病センターや神戸掖済会病院で勤務したほか、外務省の医務官として海外勤務も経験しました。
その後は高齢者医療や在宅医療にも携わり、2003年に『廃用身』で作家デビューしました。医療を専門知識の説明だけで終わらせず、患者や家族、医師の迷いを物語の対立として描く点が、久坂部作品の大きな特徴です。
2014年には『悪医』で第3回日本医療小説大賞を受賞しています。集英社のプロフィールでは『破裂』『無痛』『神の手』がドラマ化された代表作として挙げられており、医療小説の書き手として長く活動していることが確認できます。
新潮社のプロフィールには、2024年5月時点で健診センターに非常勤勤務していることも記されています。作家として医療を外から眺めるだけでなく、医師として現場と接点を持ってきた経歴が作品の土台になっています。
久坂部羊さんの代表作は『廃用身』『破裂』『無痛』『神の手』
久坂部羊さんは、2003年のデビュー作『廃用身』以降、医療の倫理や制度、人が生きることと死ぬことをテーマにした作品を数多く発表してきました。
幻冬舎の公式プロフィールでは、2004年の『破裂』がベストセラーとなり、2015年にNHKで連続ドラマ化されたこと、『無痛』もベストセラーとなり、同じ2015年にフジテレビで連続ドラマ化されたことが紹介されています。『神の手』も後に映像化され、久坂部作品は医療現場を扱うドラマの原作として繰り返し選ばれてきました。
| 作品 | 主な位置づけ |
|---|---|
| 『廃用身』 | 2003年の作家デビュー作 |
| 『破裂』 | 医療をめぐる問題を描き、2015年に連続ドラマ化 |
| 『無痛』 | 医療と犯罪捜査を結びつけた作品で、2015年に連続ドラマ化 |
| 『悪医』 | 2014年、第3回日本医療小説大賞受賞作 |
| 『神の手』 | 医療倫理を扱う代表作の一つで映像化作品 |
近年も執筆は続いており、筑摩書房では2026年に『医人の夢』『欲張らない死に方』が刊行されています。長いキャリアの中で、小説と新書の両方から医療を問い続けている作家です。
原作『無痛』はどんな小説?
幻冬舎の公式作品ページによると、『無痛』は外見だけで患者の症状を見抜く医師・為頼を中心に、神戸で起きた一家四人殺害事件を追う医療ミステリです。病気を見抜く能力という強い設定に、犯罪捜査、精神医療、痛みを感じない人物など複数の要素が重なります。
単行本は2006年に刊行され、のちに文庫化されました。医学的な知識そのものを見せ場にするだけではなく、「病気が見えることは本当に救いなのか」「痛みとは何のためにあるのか」という問いを人物の葛藤へ変換している点が重要です。
タイトルの『無痛』も、単純に痛みがない理想状態を意味するものではありません。フジテレビの公式紹介では、痛みを感じないことは危険を察知できず、自分を守れない状態でもあると説明され、ドラマ全体のテーマとして「痛み」が置かれています。
小説『無痛』はドラマでどう脚色された?
今回の映像化で確認できる重要な点は、原作にオリジナルストーリーを加えてドラマ化されたことです。Gガイドの番組説明にも、この点が明記されています。
一方、原作とドラマでどの場面が何話に移動したか、どの人物が統合されたかといった細かな変更点については、今回確認した公式ページだけでは十分な比較資料がありません。そのため、具体的な改変を推測で断定することは避けます。
確実に言えるのは、原作小説が持つ「診察眼」「痛み」「犯罪」という核を残しつつ、全10話の連続ドラマとして視聴者が追いやすい形に組み直されたということです。原作の設定をそのまま場面化するのではなく、テレビシリーズとして毎話の引きや人物関係を成立させるために脚色が加えられています。
「無痛〜診える眼〜」の主な出演者
ドラマでは、西島秀俊さんが為頼英介を演じ、伊藤淳史さん、石橋杏奈さん、中村蒼さん、浜辺美波さん、伊藤英明さんらが出演しています。フジテレビ公式と今回の番組情報の双方で主要キャストを確認できます。
原作者の久坂部羊さん自身が俳優として出演する番組ではないため、この記事でいう「共演者」は、久坂部さんの原作世界を映像化した作品の出演者という位置づけです。原作を読むときとドラマを見るときで、同じ設定が俳優の表情や間、演出によってどう変わるかを比べるのも面白い見方です。
脚本志望者が学べる点
久坂部羊さんの『無痛』から学びやすいのは、専門知識をそのまま説明するのではなく、人物が選ばなければならない状況へ変えることです。為頼の診察眼は便利な能力ですが、病気が見えるからこそ「治せないことまで分かる」という負担を抱えます。
つまり設定の強さは、主人公を有利にするだけでなく、同時に苦しめる方向にも働いています。脚本で特殊能力や専門職を扱うとき、能力を見せ場にするだけでは人物が薄くなりがちです。『無痛』のように「できるからこそ困る」という反作用を置くと、設定とドラマがつながりやすくなると考えられます。
もう一つは、原作から映像へ移すときに、物語の核と場面の形を分けて考えることです。『無痛』の核には、外見から病気を見抜く医師、痛みをめぐる問い、事件の謎があります。ドラマ版はそこへオリジナルストーリーを加えていますが、核そのものは保たれています。
原作を脚本化するときは、原文の順番をそのまま守ることより、何を失うとその作品ではなくなるのかを見極めることが大切です。人物の能力、テーマ、中心となる対立を残し、そのうえで話数ごとの起伏や映像で伝わる場面へ変換する、という考え方を学べる作品です。
参考にした情報
- フジテレビ「無痛〜診える眼〜」公式ページ
- 新潮社「久坂部羊 著者プロフィール」
- 幻冬舎「無痛」作品ページ
- 幻冬舎plus「久坂部羊」
- 筑摩書房「久坂部羊」著者ページ
- Gガイド「無痛〜診える眼〜 #6〜10」
よくある質問
久坂部羊さんはどんな人ですか?
1955年大阪府生まれの医師・作家です。大阪大学医学部を卒業し、外科、麻酔科、外務省の医務官、高齢者医療などを経験した後、2003年に『廃用身』で作家デビューしました。
「無痛〜診える眼〜」の原作は何ですか?
久坂部羊さんの小説『無痛』です。幻冬舎から刊行され、外見から病気を見抜く医師・為頼と殺人事件を軸にした医療ミステリです。
ドラマ「無痛〜診える眼〜」は原作どおりですか?
番組情報では、原作にオリジナルストーリーを加えてドラマ化したと説明されています。具体的な変更点は、今回確認できた公式情報の範囲を超えるため断定していません。
久坂部羊さんの代表作は?
『廃用身』『破裂』『無痛』『悪医』『神の手』などがあります。『悪医』は第3回日本医療小説大賞を受賞しています。
まとめ
10月30日21時からWOWOWプラスで放送される「無痛〜診える眼〜」は、医師・作家の久坂部羊さんによる小説『無痛』を原作とする2015年の連続ドラマです。
久坂部羊さんは医療現場での経験を持ち、その知識を人物の葛藤や社会の問題へ変えて物語にしてきました。脚本を学ぶ視点では、専門設定を主人公の苦しみまで含むドラマへ変えること、原作の核を残しながら映像向けに再構成することが大きな学びになります。

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