読者に好かれる主人公の「欲望」リスト10選

キャラクターの作り方

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読者から好かれる主人公とは、どのようなキャラクターでしょうか。一つの要素として、己の欲望に正直である点が挙げられます。さらに、その望みに読者からの共感を得られれば、主人公作りは成功だといえるでしょう。つまり、主人公には欲望が必須ということです。

記事では、主人公を定義する際に役立つ欲望リストを紹介しつつ、その重要性についても解説します。

脚本家として、主人公の魅力は「何を欲しがっているか」で決まると考えています。この記事では、主人公の欲望がなぜストーリーを動かすのか、そして欲望をリストアップして人物造形に活かす方法を紹介します。

好かれる主人公の定義とは1_
欲望が行動原理となっている

主人公を創造する際、自問自答が重要です。「そのキャラクターは何を求めているのか?」という問いは、物語の骨格を築きます。

欲求は人間が行動を起こすための原動力です。食べる、服を選ぶ、住まいを見つけるといった基本的な欲求はもちろん、キャラクターによって広く深く多様化します。

例えば、友だちがほしい、恋人を作りたい、家族になりたいという欲求もあれば、ギャンブル依存症の人がパチンコをやめられないという欲求、楽しいことを求めて夜の繁華街を徘徊する若者たちの欲求もあります。

映画の主人公たちは、それぞれに欲望を持って行動します。彼らが求めるものによって、ストーリーが進展する方向性が決まるのです。

例えば、映画『アパートの鍵貸します』の主人公・バクスターは、一人の女性から愛されたいという一途な欲望を抱きます。その結果、映画はロマンティックコメディー路線を突き進むのです。

『アイアンマン』の主人公であるトニー・スタークは、テロリストに拉致されたことから平和という新たな目標を見つけます。その野望に立ちふさがる敵との対決がメインストリームとなるのです。

『プロミシング・ヤング・ウーマン』の主人公は、不遜な男たちに強烈な一撃を与えたいという執念をもっていました。その望みは映画ラストで見事に集約されます。

このように、物語は主人公の欲望から始まります。逆に言えば、欲望が明確になるまでは物語は進展しないのです。

好かれる主人公の定義とは2_
ひとつの欲望に従っている

人間の欲求は、ひとつとは限りません。例えば、睡眠欲と食欲を同時に感じることもあるでしょう。

そこから葛藤が生じます。そうしてどちらかをひとつを選ぶのです。睡眠欲を優先すれば、おなかが減っていても眠れるはずです。

このように、人間は最終的にひとつの欲望に従って行動します。

映画の主人公も同様で、複数の欲望を抱えながら、最も強い欲望に従って行動します。ここでの葛藤が、映画の魅力となるのです。

例えば、映画『アパートの鍵貸します』において、主人公は出世を望みつつ、片思いの女性への愛情を貫くべきかどうか葛藤します。最終的には、愛情が出世欲を上回り、それに伴うアクションは映画のクライマックスを飾る感動的なシーンとなるのです。

NG例は、主人公に複数の欲望を同時に、同じ強さで描いてしまうことです。出世も愛も家族も友情も同じくらい大切、という描き方では、観客はどの欲望を応援すればいいのか分からず、主人公の輪郭がぼやけてしまいます。良い例は、一つの欲望を主軸に据え、他の欲望は「主軸の欲望と対立する選択肢」として配置することです。先ほどの『アパートの鍵貸します』のように、出世という欲望と愛情という欲望を対立させ、最終的にどちらを選ぶかで主人公の本質を描く、という構成にすると効果的です。

好かれる主人公の定義とは3_
欲望の優先順位を決める

同じ欲望であっても、キャラクターによって優先順位は異なります。愛を最優先にする人物がいれば、お金を優先する人もいるでしょう。その欲望の優先順位によって、キャラクターにオリジナリティが生まれます。

さらに、物語が進行していく途中、主人公が重要だと考える欲望は変化します。最初は出世に取り憑かれた主人公が、物語の進行とともに愛情を優先するように変わることも十分にあるのです。その変化を描くこと自体が、ストーリーを描くことだとも言えます。

好かれる主人公の定義とは4_
欲望リストを参考にする

主人公や他のキャラクターの欲望を考えるためのリストを紹介します。以下のリストを自分用にカスタマイズして、キャラクターの行動原理を探求する参考としてください。

  • 肉体的な欲望:
    • 食べ物や飲み物
    • 睡眠
    • 快適な住居
    • 体の健康や治療
  • 感情的な欲望:
    • 愛情や友情
    • 幸福感
    • 安全・安心感
    • 承認や評価
  • 社会的な欲望:
    • 成功や名声
    • 権力
    • 仕事やキャリアの成功
    • 社会的な気づき
  • 知識と精神的な欲望:
    • 新しい知識や学習
    • 知恵や啓示
    • 精神的な成長と調和
    • 内なる平静や目的
  • 冒険と経験に関連する欲望:
    • 旅行や冒険
    • 新しい文化や場所の探求
    • 特別な経験や挑戦
  • 復讐と正義に関連する欲望:
    • 復讐
    • 不正義への対抗
    • 正義の追求
  • 趣味や情熱に関連する欲望:
    • 芸術や創造性
    • スポーツや趣味
    • 特定の興味や情熱
  • 対人関係に関連する欲望:
    • 家族の幸福
    • 恋人や友人、相棒との関係
  • 財産と富に関連する欲望:
    • お金や財産の獲得
    • 豊かさや富への執着
  • 生き残ると安全に関連する欲望:
    • 生き延びること
    • 危険から逃れること

主人公の欲望に関するよくある質問

Q. 主人公の「欲望」と「目的」はどう違うのですか?

欲望は主人公の内側にある根本的な望み(愛されたい、認められたいなど)です。目的は、その欲望を満たすために物語の中で取る具体的な行動目標(あの人に告白する、コンテストで優勝するなど)を指します。欲望が「なぜ」、目的が「何を」に対応すると考えるとわかりやすいでしょう。

Q. 欲望リストを使う際、どのくらい具体的にすればいいですか?

リストの項目(例:承認や評価)はあくまで出発点です。「誰から」「どんな形で」承認されたいのかまで具体化することで、キャラクター独自のオリジナリティが生まれます。記事で紹介した3つの映画のように、欲望を具体的なシーンに結びつけて考えてみてください。

Q. 主人公の欲望が途中で変わってもいいのですか?

むしろ望ましい変化です。記事で触れたように、物語の進行とともに主人公が優先する欲望が変わることは、キャラクターの成長や変化そのものを描くことになります。ただし、変化には観客が納得できるきっかけ(出来事や気づき)を用意しましょう。

まとめ

欲望(求めるもの)のおもむくままに行動するのが人間です。好かれる主人公とは、そんな欲望が明確な人物のことを指します。そのため主人公を定義する際には、何を欲しているかを考えなければなりません。記事では、主人公を考える際の参考となる、代表的な欲望リストを10項目紹介しました。ぜひ創作時に活用してください。

脚本家として、主人公の欲望は物語の方向性そのものを決める設計図だと考えています。今回紹介した欲望リストを参考に、あなたの主人公が本当に求めているものを掘り下げてみてください。

脚本の書き方をさらに学べる本

構成やキャラクター作りについてさらに学びたい方には、以下の書籍もおすすめです。


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