登場人物を動かす「動機メモ」の作り方

キャラクターの作り方

※当サイトはアフィリエイト広告を利用しています。商品を紹介し、収益を得ることがあります。

脚本を書いていると、「キャラクターが思うように動いてくれない」「セリフがどこか嘘っぽく感じる」と悩むことがあります。そんなときに見直してほしいのが、登場人物の「動機」です。動機とは、キャラクターが行動する理由のこと。この記事では、初心者でも今日から実践できる「動機メモ」というシンプルな方法を使って、登場人物を自然に動かすコツを紹介します。

「動機」が物語を動かす

私たちが日々の生活で何かを選ぶとき、その裏には必ず理由があります。「誰かに認めてもらいたい」「安心していたい」「大切な人を守りたい」——意識していなくても、こうした気持ちが行動を決めています。脚本に登場するキャラクターも同じです。

どんなに派手な事件が起きても、キャラクターが「なぜそれをするのか」が伝わらなければ、観客の心は動きません。逆に、動機がはっきりしていれば、ちょっとした表情やセリフだけでも、観客はキャラクターの気持ちに引き込まれます。脚本を書くときに最初に考えるべきなのは、展開やセリフではなく、キャラクターの動機なのです。

「動機メモ」とは?心に貼る付せんのようなもの

「動機メモ」とは、登場人物の心に貼る付せんのようなものです。「この人はなぜ動くのか」をひと言で書いておくだけで、物語の進む方向がはっきり見えてきます。

動機の種類はさまざまです。「夢を叶えたい」「家族を守りたい」「誰かに認められたい」「失ったものを取り戻したい」「過去の罪を償いたい」など、人が強く心を動かされる気持ちには、いくつかのパターンがあります。まずは、自分が書こうとしているキャラクターに最も近いものを選んでみましょう。動機を考えるときは、8大欲求を元にしたキャラクター設定の考え方で紹介している「人が持つ8つの欲求」もヒントになります。

動機メモの書き方をテンプレートで実践

動機メモは、ノートやメモアプリに簡単な表を作るだけで実践できます。登場人物ごとに「望み」「恐れ」「行動のきっかけ」「結末での変化」の4つを書き出してみましょう。例えば、次のような形になります。

キャラクター名動機(望み)恐れ行動のきっかけ結末での変化
佐藤真奈美誰かに認められたい否定されること上司の期待に応えようと無理をする「自分を信じる強さ」に気づく
高橋修家族を守りたい失うこと危険な仕事を引き受ける「守るとは手放すこと」と悟る

NG例は、動機を決めずに見切り発車で脚本を書き始めることです。書いている途中でキャラクターが「なぜこのセリフを言うのか」自分でもわからなくなり、手が止まってしまいます。良い例は、書き始める前に、登場人物ごとに動機メモの表を一行ずつ埋めておくことです。動機を先に決めておくだけで、セリフや行動が自然に思いつくようになります

動機の変化が物語を生み出す

人が成長するように、キャラクターの動機も物語の中で変化していきます。例えば、最初は「名誉がほしい」と思っていた主人公が、物語の終盤では「家族の笑顔が一番大切だ」と気づく——この変化こそが、物語の中心にある「心の動き」です。

動機メモを作るときは、「物語の始まりでの動機」と「物語の終わりでの動機」を分けて書いてみるのもおすすめです。その間にどんな出来事があれば、動機が変わっていくのか。それを考えることで、物語全体の流れが見えてきます。動機の変化は、脚本家を目指す人へ|物語の芯をつくる「テーマ」の力で紹介している「テーマ」とも深く結びついています。

動機メモに関するよくある質問

Q. 動機メモは、主人公だけ作ればいいですか?

できれば、主要な登場人物にはそれぞれ動機メモを作っておくのがおすすめです。脇役であっても「なぜそこにいるのか」「なぜそう発言するのか」という動機があると、物語全体にリアリティが生まれます。登場人物どうしの動機がぶつかり合うことで、対立や葛藤も生まれやすくなります

Q. 動機が思いつかないときは、どうすればいいですか?

いきなり複雑な動機を考える必要はありません。「誰かに認められたい」「安心していたい」など、誰もが感じたことのある気持ちから選んでみてください。自分自身が過去に強く感じた気持ちを振り返ってみると、リアリティのある動機が見つかりやすくなります。

Q. 動機メモを書いても、キャラクターが動かないときは?

動機メモに書いた「望み」と「恐れ」が、まだ弱いのかもしれません。「失敗したら何を失うのか」「達成できたら何が得られるのか」を、できるだけ具体的にしてみましょう。動機が具体的であればあるほど、キャラクターは自分から動き出します

まとめ:キャラクターの心に「動機メモ」を

脚本を書くときは、登場人物に「あなたを動かしているのは、どんな気持ち?」と問いかけてみてください。その答えが、キャラクターの動機メモになります。もし登場人物が思うように動かないと感じたら、まずは動機メモの表を一行埋めてみましょう。たった一行のメモが、物語を前に進める大きな力になります。

脚本の書き方をさらに学べる本

キャラクターの動機や物語作りについてさらに学びたい方には、以下の書籍もおすすめです。


関連記事で更に学ぶ

コメント