脚本の魅力はリアルなキャラクターにあり!【人物の作り方 コツ5選】
この記事は 2023年10月24日 に更新されました。
脚本に登場するキャラクターは、主役はもちろん脇役も魅力的に書きたいものです。しかし、魅力とは抽象的かつ主観的な判断基準なので、一概に断定できません。
それでも、キャラクターの作り込みは追求する必要があります。キャラクターは、脚本(物語)にとってそれほど大切です。
さて、どのような性格で、どのような外見を持たせれば、そのキャラクターに魅力が備わるのでしょうか。
キャラクターの作り方で悩む方へ、ヒントをご提示します。
目次
キャラクターは超重要
魅力的なキャラクターが活躍する映画は、いつまでも読者の心に残ります。少々古い映画ですが『グーニーズ』(1985)という作品があります。
映画の筋はうろ覚えですが、キャラクターは印象的でした。発明が好きな少年や太っちょの男の子。怪物のような外見のスロースなどです。
このような魅力的な登場人物たちは、偶然、自然発生のように産まれたと思ったら大間違いです。創作の裏側では脚本家が大量の汗をかいているのですから。
こびるな!リアルを目指せ
観客に好かれようとして、完全無欠なキャラクターを作ったとします。正論だけを述べ、犯罪行為は一切犯さない、正しい行いばかりするようなやつです。好かれるでしょうか?
結果は逆効果。そんな登場人物は見向きもされません。なぜなら、そんなのはフィクションだからです。観客は下手なウソはすぐに見抜きます。
『スクール・オブ・ロック』(2003)のジャック・ブラックが演じる主人公は、少しも観客にこびていません。自堕落で自分勝手ないつまでもロックの夢を見るおじさん。でも、あの映画を見た人はみんな彼を好きになります。
『ハッピー・デス・デイ』(2017)の女子大生も同じ。教授と不倫関係であり、友達も大切にしないビッチですが、多くの観客が魅力的だと感じます。
彼らの共通点は、リアルだということ。実際にどこかにいるかもしれない(いてほしい!)とさえ思うかもしれません。
でも、映画を見ている観客は彼らがフィクションだと知っています。だって映画なんだから。ではどうしてリアルだと感じるのでしょうか。矛盾していますよね。
それは、登場人物の言葉遣いや設定、悩みや葛藤が自分と重なるから。キャラクター自体は、脚本家が生み出したフィクションだとしても、彼らが抱える内面がリアルなら、観客にはリアルに映るのです。
魅力的なキャラクターの作り方
リアルなキャラクターの作り方にはコツがあります。以下では5つ紹介するので、気になった項目から実践に取り入れてください。
魅力的なキャラクターの作り方1_
対話する
脚本家は、キャラクターの生みの親ですから、一番の理解者であるはずです。もしその自信がなければ、日常のあらゆるシーンで彼らと対話してください。
あのキャラならどう反応するか、彼女ならなんて言うだろうかと思いを巡らします。日々の積み重ねが、キャラクターにリアリティーを与えるのです。
魅力的なキャラクターの作り方2_
知り合いをモデルにする
空想上の人物と日常的に対話することは、慣れない人にとっては簡単ではありません。イメージが曖昧だとなおさらです。
そのような場合、知り合いを思い浮かべます。知人、友人、テレビでよく見る芸能人など、実在の人物を思い浮かべると、口調や思考回路が明確になります。
その際、複数の人物の特徴をミックスしても問題はありません。Aさんならこういう時に怒るかな、Bさんは機嫌がいい時に早口になる癖があったな、という具合です。
足し算を繰り返すと違和感を感じる時が来ます。その時は引き算をしてください。空想上のキャラクターに肉付けをしていきます。
大切なことは、脚本家の頭の中にキャラクターを実在させることです。
魅力的なキャラクターの作り方3_
語らず見せる
百聞は一見にしかずは、キャラクターを作るときにも該当する格言です。
いくつものセリフを重ねるより、たった一度のアクションが説得力を持つことがあります。
特に主人公はどんどん行動するべきです。そこにストーリーの推進力が生まれます。
やはり映像作品ですので、動かしてなんぼという面があります。心の内をとくとくと語る小説とは違うところですね。
魅力的なキャラクターの作り方4_
変化させる
キャラクターの第一印象から好印象を与えるパターンは多くありません。本当はどういう人物か、最初はわからないからです。
ストーリー進行が進むにつれて「そういう風に考えるんだ」「そんな行動を取るんだ」という発見があって、じわりじわりと浸透するほうが、キャラクターの魅力の伝わり方としては理想的です。
なぜなら、冒頭からラストまで、好感度が右肩上がりなら、最後まで見てもらえるから。その上で、最初と最後でキャラクターの印象がまるで異なると劇的です。
キャラクターが変化する曲線をアークと呼びます。この曲線が急激であるほど良いと言われています。
魅力的なキャラクターの作り方5_
主役を立てる
まれに脇役が目立つ脚本があります。メインストーリーとは無関係な枝葉のエピソードで生じる現象です。
しかし、脚本全体を盛り上げるつもりならば主役を立てるべきでしょう。主人公が魅力的であることは、作品が魅力的であることとイコールだからです。
もちろん、脇役で手を抜くということではありません。脇役が魅力的になっても良いのですが、主人公と絡ませるよう意識してほしいのです。結果、主人公が引き立ちます。
また、素晴らしいセリフやエピソードを思いついたら、主人公に転換できないかと、一度は考えましょう。
素晴らしいアイデアであるほど、脇役で消費するのはもったいないです。
まとめ
キャラクターは、作品全体を支える屋台骨、大黒柱です。しかし、脚本家が心血を注いで創作しても、必ず魅力的なキャラクターが生まれるとは限りません。キャラクターの作り方にはコツがあるからです。記事では、そのコツを5つ挙げました。ぜひ、キャラクター創作時の参考としてください。
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