脚本を面白くするには、印象的なキャラクターが必須。事実、素晴らしい映画や小説にはそんなキャラクターが存在したはずです。では、脚本家はどうやって作るべきか。記事では、キャラクターの作り方の秘訣を紹介します。
脚本家として印象的なキャラクターを作るときは、特別な才能やひらめきよりも、いくつかのシンプルなコツを積み重ねることを大切にしています。この記事では、身近な人物をヒントにする方法、セリフで説明せず見せる工夫、キャラクターを変化させるアークの考え方、そして主人公を引き立てるための脇役との付き合い方を解説します。
印象的なキャラクターが出る脚本は面白い!
面白い脚本の条件はさまざま。良いセリフ、予測不能なストーリー展開、そして素晴らしいキャラクターです。良いキャラクターはいつまでも読者の心に残ります。
「あの映画おもしろかった!ストーリーは覚えていないけどキャラが良かったのは覚えている」という人も多いでしょう。
しかし、残念なことに印象的なキャラクターの作り方にフォーマットはありません。キャラクターとは唯一無二な存在。二人と同じキャラクターは存在しないからです。
たとえば「正義感の強いキャラクター」を作ろうとしても、脚本家によって書き上がる人物像は全く異なります。ただし、魅力的なキャラクターの作り方にはコツがあります。
印象的なキャラクターの作り方のコツ1_
知り合いをネタにする
良い脚本を書くコツは、知っていることを書くことです。知らない世界を背伸びして書いても見透かされてしまいます。
キャラクターを作る時も同様です。そのため、身近な人物をネタにすると良いでしょう。実在する知り合いを元にキャラクターを作ると深く理解できている分、魅力的です。
もちろんキャラクターはフィクションです。外見や考え方、癖や特技など、一部分だけでも付け加えることでリアリティーが増します。
印象的なキャラクターの作り方のコツ2_
語らず見せる
映画やドラマは、映像で伝えるコンテンツです。百聞は一見にしかずという格言にもあるように、言葉よりも映像で伝えたほうが効果的なケースが多々あります。
例えば「動物が好き」というキャラクターの性格を伝える時、セリフで伝えるより、野良猫に優しく接する姿を見せるだけのほうが伝わります。このように間接的なエピソードを積み上げることが、魅力的なキャラクターの作り方のコツです。
例えば、キャラクターに「私は動物が好きなんです」とセリフで言わせてしまうのはNG例です。説明されると、観客はそのまま受け取るしかなく、印象に残りにくくなります。良い例は、上記のように野良猫に優しく接する姿をワンシーン見せることです。セリフを使わずに性格が伝わるだけで、キャラクターの印象は強くなります。
また、脚本家の思い入れが強いキャラクターであるほど、しつこいくらいにキャラクターの内面を伝えようとします。しかしあまりしつこく説明しすぎると、読者や観客は辟易してしまうので気をつけましょう。
印象的なキャラクターの作り方のコツ3_
変化させる
脚本の中心である主人公は、ストーリーが進行するほど変化します。考え方や性格、身体的な変化も起こりえます。読者や観客は、この変化を目の当たりにすることで感動するのです。
脇役は最初から最後まで変化しないかもしれません。しかし、主人公は劇的に変化させてください。この変化をキャラクターアークと呼びます。
変化を遂げた後のキャラクターの方が、変化前のキャラクターより読者の記憶に残ります。例えば『ロミオとジュリエット』では、知り合う前の男女より、ラストの純愛に命を捧げる二人の方が印象深いです。
印象的なキャラクターの作り方のコツ4_
主役を目立たせる
脚本を書いていると主人公より脇役が魅力的に思えることがあります。しかし脚本のストーリーは主人公を中心に進むものです。物語全体を盛り上げるためには、主人公を魅力的にする必要があります。
魅力的な脇役を作るなというのではありません。もし素晴らしいアイデアで脇役が魅力的になっても、主人公を意識させてください。そして、できるだけ絡ませるのです。そうすることで主人公が引き立ちます。
また、オリジナリティあふれるセリフや素晴らしいエピソードといったアイデアを思いついたら、主人公に転換して利用できないかを考えます。気軽に脇役に使ってしまうのはもったいないでしょう。
印象的なキャラクター作りに関するよくある質問
Q. 知り合いをネタにするとき、気をつけることはありますか?
そのままの姿を描くのではなく、外見や考え方、癖の一部だけを借りるようにしましょう。フィクションとして再構成することで、本人を特定されるリスクを避けつつ、リアリティのあるキャラクターに仕上げられます。
Q. キャラクターアークは、どんな変化を描けばいいですか?
物語の冒頭と結末で、考え方や態度がどう変わったかを比較してみてください。『ロミオとジュリエット』のように、最初は知り合いでもなかった二人が、命を懸けるほどの存在になる。この変化の大きさが、印象の強さにつながります。
Q. 脇役が主人公より魅力的になってしまったら、どうすればいいですか?
そのアイデアを主人公に転用できないか考えてみてください。脇役のために用意した魅力的なセリフやエピソードも、主人公に絡める形にすることで、物語全体を引き立てることができます。
まとめ
脚本を面白くするには印象的なキャラクターを作るべきです。なかでも主人公は、脇役よりも魅力的に見えるよう工夫してください。またキャラクターは大きく成長するほど印象深い存在になりえます。その変化をセリフで語るのではなく、映像で伝えるようにしましょう。
脚本家として振り返ると、印象的なキャラクターは一発のひらめきから生まれるものではなく、身近な人物のディテール、見せ方の工夫、変化の大きさといった積み重ねから生まれます。あなたの脚本でも、まずは知っている人物を1人思い出し、その人の特徴をキャラクターに少しだけ取り入れてみてください。
脚本の書き方をさらに学べる本
キャラクター作りについてさらに深く学びたい方には、以下の書籍もおすすめです。


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