10月28日(水)午前0時50分から、NHK総合で土曜ドラマ「老害の人」第1回が再放送されます。通常の再放送枠は午前0時35分からですが、第1回だけ午前0時50分開始なので、録画やリアルタイム視聴を予定している方は時間に注意してください。
「老害の人」は、内館牧子さんの同名小説を伊東四朗さん主演でドラマ化した全5回の作品です。2024年にNHK BSで放送され、2026年10月24日からNHK総合で地上波初放送されています。
第1回は、会社経営から退いたはずの戸山福太郎が、再び会社へ顔を出して昔の武勇伝を語り始めるところから、家族と世代間の本音が一気に表面化していく回です。ここでは、あらすじとキャストに加え、脚本と演出がどのように「言いにくい本音」をドラマにしているのかを見ていきます。
老害の人(1)の放送日時と基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 再放送 | 2026年10月28日(水)午前0:50〜1:39(火曜深夜) |
| 放送局 | NHK総合 |
| 地上波初回放送 | 2026年10月24日(土)午後10:00〜10:49 |
| 全話数 | 全5回 |
| 原作 | 内館牧子「老害の人」 |
| 脚本 | 真辺克彦、小嶋健作、大島まり菜 |
| 演出 | 松岡錠司 |
| 音楽 | 安川午朗 |
今回の地上波放送は新作ではなく、2024年5月から6月にNHK BSの「プレミアムドラマ」で放送された作品を、NHK総合で初めて放送するものです。
第1回だけ再放送の開始時刻が通常と異なります。第2回以降の再放送は毎週水曜午前0時35分からですが、第1回は10月28日午前0時50分からとなっています。
第1回のあらすじ|福太郎の武勇伝が家族の我慢を揺らす
主人公の戸山福太郎は、すごろくやカルタ、ボードゲームを製作・販売する会社「雀躍堂」の社長です。妻の通夜の席で、娘・明代の夫である純市に社長の座を譲り、経営の第一線から退きます。
しばらくは一人旅などをしていた福太郎ですが、やがて突然会社へ顔を出すようになります。社員をつかまえては、自分が会社を大きくした頃の手柄や昔話を何度も語り、週に二度ほど会社へ現れる状態になります。
福太郎にとっては、自分の人生を形作った大切な記憶です。しかし、会社を引き継いだ純市や現役の社員にとっては、前社長が過去の成功談を繰り返すことが負担になっていきます。この「本人に悪気がないのに周囲が疲れていく」というズレが、第1回の中心です。
物語の途中では世の中がコロナ禍に入り、福太郎の82歳の誕生会が開かれます。そこには同年代の人々も集まり、病気自慢、趣味自慢など、それぞれの形で自分の話を止められない姿が並びます。
一人の極端な人物だけを笑うのではなく、複数の高齢者を並べることで「これは福太郎だけの問題ではない」と見せるのが、この作品の面白さです。同時に、若い側もただ正しいわけではなく、高齢者に対して「こう老いるべきだ」という理想を押し付けていく側面が後の物語につながります。
第1回の主要キャストと役どころ
戸山福太郎役は伊東四朗さんです。会社を娘婿に譲ったあとも職場へ通い、過去の武勇伝を繰り返す人物を演じます。自信満々に話す一方で、役割を失った寂しさも抱えていることが、物語の重要な部分になります。
戸山明代役は夏川結衣さんです。福太郎の娘で、父の言動に長く付き合ってきたからこそ、他人には言えないほど率直な本音を抱えています。父を嫌っているわけではないことが、単純な親子げんかにしないポイントです。
戸山純市役は勝村政信さん。福太郎から「雀躍堂」の社長を譲られた娘婿です。会社を動かす責任がある一方で、前社長である義父を強く拒絶しにくい立場に置かれています。
そのほか、前田吟さん、日色ともゑさん、小倉蒼蛙さん、白川和子さん、羽田美智子さん、望月歩さん、木竜麻生さん、田島令子さん、高橋惠子さん、三田佳子さんらが出演します。世代も立場も異なる人物が多く、福太郎一人の問題から、家族や地域を含む群像劇へ広がっていきます。
脚本・演出・原作のスタッフ
原作は、内館牧子さんの小説「老害の人」です。ドラマ版では、真辺克彦さん、小嶋健作さん、大島まり菜さんが脚本を担当し、松岡錠司さんが演出を務めています。
原作にある「高齢者と若い世代の衝突」をテレビドラマとして見せるうえで、第1回では説明だけに頼らず、福太郎が会社に来て話し続ける場面や、家族がそれを受け止める反応を積み重ねる形が取られています。
演出の松岡錠司さんは、人物の言葉だけでなく、相手の沈黙や困った表情まで含めて関係を見せる作りが重要になります。福太郎が楽しそうに話すほど、聞いている側との温度差が見えてくるため、同じ場面の中に笑いと痛さが同居します。
脚本づくりの視点|「悪人を作らずに対立を作る」構成
第1回から学べる大きな点は、対立を作るために明確な悪役を置いていないことです。福太郎は社員を困らせますが、誰かを傷つけようとして武勇伝を話しているわけではありません。
一方、明代や純市がうんざりする理由にも納得できます。会社には現在の時間が流れているのに、福太郎は過去の成功体験を何度も現在へ持ち込むからです。両者の言い分がそれぞれ理解できる状態を作ることで、視聴者は一方だけを責めにくくなります。
脚本で家族げんかや世代間対立を書くとき、どちらかを一方的に間違った人物にしてしまうと、対立は分かりやすくても奥行きがなくなります。「本人には本人なりの理由があり、相手にも我慢の理由がある」という形にすると、同じ会話でも緊張が生まれます。
同じ話の繰り返しをドラマ上の行動にする
福太郎の特徴は、昔の武勇伝を何度も語ることです。これは単なる人物紹介ではなく、第1回の中で繰り返される「行動」になっています。
最初は笑って聞けても、何度も続けば聞き手の反応は変わります。つまり同じ行動を反復するだけで、周囲の我慢が積み上がっていることを見せられます。
脚本では、登場人物の性格を説明文で語るより、同じ癖を場面の中で繰り返した方が伝わることがあります。福太郎の場合は「昔話をする人」と説明するのではなく、実際に会社へ行き、社員をつかまえ、話を続けることで性格と問題点が同時に見えてきます。
本音を言うまでの蓄積がある
明代が父へ本音をぶつける展開が成立するのは、それまでに我慢が積み重なっているからです。突然怒るのではなく、福太郎の言動を何度も見せてから感情を爆発させることで、視聴者も「そこまで言いたくなる気持ち」が分かる構成になっています。
ここで大切なのは、感情の強い台詞そのものより、その台詞が出る前に何を積み重ねたかです。強い台詞を書きたいときほど、その人物がそこまで言わざるを得ない状況を先に作る必要があります。
原作とドラマのテーマ|「老害」という言葉を誰に向けるのか
タイトルにはかなり強い「老害」という言葉が使われています。しかし作品は、高齢者だけを批判するための物語ではありません。
福太郎たちの自慢話に若い世代が疲れる一方で、若い側も高齢者に対し、趣味を持つことや新しい挑戦をすることなど「理想の老後」を求めます。作品全体では、どの世代も自分の価値観を相手に押し付けていないかを問い直す構造になっています。
第1回は、その入口として福太郎の分かりやすい言動を見せます。視聴者はまず「こういう人、いる」と笑いながら入り、次第に家族側の苛立ちや、福太郎自身の寂しさにも目を向けることになります。
題材が社会的でも、最初から大きな主張を語るのではなく、家族の会話や会社での小さな困りごとから始めることで、テーマが身近な問題として伝わります。
第1回を見るときに注目したい3つのポイント
一つ目は、福太郎が話しているときの周囲の反応です。本人は楽しそうでも、聞く側がどう視線を動かし、どこで返事が短くなるのかを見ると、人間関係の温度差が分かります。
二つ目は、明代が本音を出すまでの段階です。父への苛立ちだけでなく、娘として放っておけない気持ちが残っているため、怒りの場面にも単純ではない感情があります。
三つ目は、同年代の人物を複数登場させる理由です。病気自慢や趣味自慢など違うタイプを並べることで、「老害」を一人の特殊な性格ではなく、誰にでも起こり得る問題として広げています。
配信はNHK ONEで予定
2026年のNHK総合での放送は、NHK ONEで同時・見逃し配信が予定されています。リアルタイムで見られない場合は、放送後の配信案内を確認するとよいでしょう。
2024年の初回放送はNHK BSでしたが、今回はNHK総合で地上波初放送となるため、以前BSで見られなかった方にも作品へ触れやすい機会になっています。
参考にした情報
- MANTANWEB「伊東四朗:来年90歳で引退 『老害の人』NHK主演ドラマ地上波初放送」
- TV LIFE web「来年引退の伊東四朗、2024年放送の主演ドラマ『老害の人』が地上波初放送」
- WEBザテレビジョン「老害の人」番組情報
- TVガイドWeb「プレミアムドラマ 老害の人」
よくある質問
「老害の人」第1回の再放送はいつですか?
第1回の再放送は、2026年10月28日(水)午前0時50分から1時39分まで、NHK総合で放送予定です。火曜深夜の放送です。
「老害の人」の脚本と演出は誰ですか?
脚本は真辺克彦さん、小嶋健作さん、大島まり菜さん、演出は松岡錠司さんです。原作は内館牧子さんの小説「老害の人」です。
「老害の人」は新作ドラマですか?
2024年5月から6月にNHK BSで放送された全5回のドラマです。2026年10月からNHK総合で地上波初放送されています。
第1回の中心となる出来事は何ですか?
会社を娘婿に譲った福太郎が再び会社へ通い、昔の武勇伝を繰り返すようになることです。その言動をきっかけに、娘や家族が抱えてきた本音が表面化していきます。
まとめ
10月28日午前0時50分から再放送される「老害の人」第1回は、戸山福太郎が会社を譲った後も職場へ通い、昔の武勇伝を繰り返すところから、家族と世代間の本音がぶつかっていく回です。
脚本づくりの視点では、悪役を置かずに双方の言い分を成立させる対立の作り方と、同じ行動を繰り返して感情を蓄積させる構成が見どころです。福太郎の台詞だけでなく、それを聞く明代や純市、社員たちの反応まで見ると、このドラマが笑いの中に置いた痛みがより伝わってきます。

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