2026年11月8日(日)14時30分からBS10プレミアムで、高倉健さん主演の映画『君よ憤怒の河を渉れ』が放送されます。
今回は「2ヵ月連続 ザ・レジェンド:高倉健PART1」の一作として編成される放送です。無実の罪を着せられた検事・杜丘冬人が、刑事の追跡をかわしながら自分を陥れた者を探すサスペンスアクションで、高倉健さんの寡黙さと行動力を同時に味わえる作品です。
監督は『新幹線大爆破』の佐藤純彌さん、脚本は田坂啓さんと佐藤純彌さん、原作は西村寿行さん。逃亡劇をどう連続させ、主人公への疑いと共感をどう保つのかという点からも、脚本を学ぶ人に見どころの多い一本です。
11月8日の放送情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 放送日時 | 2026年11月8日(日)14:30〜 |
| 放送局 | BS10プレミアム |
| 作品 | 君よ憤怒の河を渉れ |
| 特集 | 2ヵ月連続 ザ・レジェンド:高倉健PART1 |
| 主演 | 高倉健 |
| 監督 | 佐藤純彌 |
| 脚本 | 田坂啓、佐藤純彌 |
| 原作 | 西村寿行 |
BS10プレミアム公式作品ページでは、11月8日午後2時30分から放送すると案内されています。同ページでは本作を、高倉健さん主演のサスペンスアクションとして紹介し、無実の罪を着せられた検事が、執拗な刑事の追跡をかわしながら真相を追う物語と説明しています。
公式特集ページによると、11月は高倉健さんの「言葉少なに背中で語る男」の魅力を味わえる4作品を放送します。本作のほか、『幸福の黄色いハンカチ』『遙かなる山の呼び声』『南極物語』が並び、高倉健さんの異なる時期と役柄を見比べられる編成です。
『君よ憤怒の河を渉れ』はどんな映画?
『君よ憤怒の河を渉れ』は、1976年に公開されたサスペンスアクション映画です。角川シネマコレクションでは、公開日を1976年2月11日、上映時間を151分、監督を佐藤純彌さん、原作を西村寿行さん、脚本を田坂啓さんと佐藤純彌さんと記載しています。
主人公は、東京地検の検事・杜丘冬人です。ある日、新宿の雑踏で見知らぬ男女から犯罪の犯人だと名指しされ、身に覚えのない容疑で逮捕されます。
証拠が不自然なほど揃っている中、杜丘は自分を陥れた人物と事件の背後を確かめるため逃亡します。その一方で、警視庁捜査一課の矢村警部が杜丘を追跡します。
この映画の面白さは、「逃げる主人公」と「追う刑事」という単純な関係だけではありません。杜丘は検事であり、本来なら人を追及する側にいる人物です。その彼が一転して追われる側になることで、立場の逆転そのものがドラマになります。
キャストと脚本・演出・原作のスタッフ
| 役割 | 担当 |
|---|---|
| 杜丘冬人 | 高倉健 |
| 矢村警部 | 原田芳雄 |
| 伊藤検事正 | 池部良 |
| 遠波善紀 | 大滝秀治 |
| 遠波真由美 | 中野良子 |
| 監督 | 佐藤純彌 |
| 脚本 | 田坂啓、佐藤純彌 |
| 原作 | 西村寿行 |
| 撮影 | 小林節雄 |
| 音楽 | 青山八郎 |
高倉健さんが演じる杜丘は、自分の無実を証明するために動き続ける主人公です。大げさに感情を説明する人物ではなく、危機の中で何を選び、どちらへ進むかという行動が人物像を形づくります。
一方、原田芳雄さん演じる矢村警部は、杜丘を執拗に追います。追跡する側にも強い存在感があるため、杜丘が逃げるだけの物語にならず、二人の緊張関係が全編を支えます。
中野良子さん演じる遠波真由美は、逃亡を続ける杜丘と関わる重要人物です。追跡劇の緊張だけではなく、人を信じられるのかという感情の軸を加える存在として注目できます。
佐藤純彌監督の大規模な演出が見どころ
BS10プレミアム公式は、本作の見どころとして、新宿の街で本物の馬の群れを暴走させる壮大な演出を挙げています。逃亡劇の切迫感を、会話や編集だけでなく、都市空間そのものを使った大きな画で見せる作品です。
佐藤純彌監督は、本作と近い時期に『新幹線大爆破』も手がけています。危機が連続し、主人公が限られた時間や状況の中で動き続ける映画を得意とする監督として、本作でも追跡の速度感が重要になります。
広い場所を使ったアクションがある一方で、物語の中心には「なぜ杜丘は罠にはめられたのか」という謎があります。大きな見せ場を置いても、観客が知りたい核心を失わないことが、サスペンスを持続させるポイントだと考えられます。
脚本づくりの視点:主人公の立場を反転させる
本作の脚本でまず注目したいのは、検事を追われる側に置く設定です。主人公が普段いる立場と正反対の状況に追い込まれることで、説明を重ねなくても異常事態の大きさが伝わります。
検事である杜丘は、本来なら証拠を読み、人を取り調べ、罪を追及する側です。しかし自分に容疑がかかった瞬間、同じ捜査の仕組みが自分を追い詰めるものになります。
この反転によって、「法を扱う人物が法に追われる」という強い矛盾が生まれます。主人公の職業を物語の飾りにせず、危機そのものに結びつけている点は、設定からドラマを作る方法として参考になります。
逃亡の目的を「真相究明」にする
逃亡劇では、主人公がただ捕まらないことだけを目標にすると、同じ種類の場面が続きやすくなります。本作では杜丘に「誰が、なぜ自分を陥れたのかを突き止める」という目的があります。
そのため、逃げる行動と調べる行動が同時に進みます。新しい場所へ移るたびに、危険をかわすだけでなく、真相に近づく手掛かりが必要になります。
この構造によって、アクション場面にも物語上の意味が加わります。主人公が危機を脱するたびに次の疑問へ進むため、観客は「次はどう逃げるか」と「真相は何か」の二つを追える形になっていると考えられます。
追う側にも強い人物を置く
矢村警部が強い追跡者として存在することも重要です。主人公が有能でも、追う側が弱ければ危機感は生まれにくくなります。
杜丘と矢村は敵対する位置にいますが、単純な善悪だけで見ると収まりません。捜査する側には捜査する側の論理があり、杜丘には自分の無実を証明しなければならない事情があります。
主人公と対立者の双方に「動き続ける理由」を持たせることで、物語が一方向になりにくくなります。サスペンスを書く際、追う側の人物をどれだけ具体的に作るかは、主人公の危機を強く見せるためにも大切です。
高倉健の「背中で語る」演技と脚本の関係
BS10プレミアムは、高倉健さんの特集を「言葉少なに背中で語る男」の凄みが味わえる企画として紹介しています。本作でも、杜丘は長い説明台詞で自分の怒りや不安を語り続けるタイプではありません。
そのため脚本では、台詞だけでなく「どこへ行くか」「誰を信じるか」「危険を承知で何を確かめるか」といった行動が感情を伝えます。高倉健さんの存在感を生かすには、言葉を増やすよりも、選択そのものに意味を持たせる方が効果的だったと考えられます。
脚本を書くとき、感情をすべて台詞で説明すると、人物が受け身に見えることがあります。本作を見る際は、杜丘が言葉にしない感情を、行動や視線、立ち位置がどう補っているかに注目すると、映像作品ならではの人物表現を考える材料になります。
中国で大ヒットし、後年リメイクされた作品
BS10プレミアム公式によると、本作は文化大革命後の中国で初めて上映された外国語映画となり、大ヒットを記録しました。その結果、高倉健さんと中野良子さんは中国でも広く知られる存在になったと紹介されています。
また、2017年にはジョン・ウー監督によって『マンハント』としてリメイクされました。1976年の日本映画が、時代と国を越えて再映画化されたことからも、無実の主人公が追われながら真相を探すという物語の骨格が強いことが分かります。
脚本を学ぶ視点では、時代や舞台が変わっても成立する「追われる主人公」「巨大な罠」「追跡者」「真相へ近づく手掛かり」という構造に目を向けると、本作が長く記憶される理由を考えやすくなります。
「ザ・レジェンド:高倉健PART1」で見比べたい4作品
BS10プレミアムの11月特集では、『君よ憤怒の河を渉れ』のほかに『幸福の黄色いハンカチ』『遙かなる山の呼び声』『南極物語』が放送されます。
『君よ憤怒の河を渉れ』では、追われながら真相へ進むハードな主人公を演じます。一方、『幸福の黄色いハンカチ』や『遙かなる山の呼び声』では、不器用な男の内面や人との距離がより静かな形で描かれます。
同じ俳優でも、アクションの中で寡黙さを見せる場合と、人間ドラマの中で寡黙さを見せる場合では、脚本が人物に与える行動や台詞の量が変わります。特集を通して見ると、「高倉健らしさ」を作品ごとの脚本と演出がどう引き出しているのかを比較できます。
参考にした情報
- BS10プレミアム「君よ憤怒の河を渉れ」公式作品ページ
- BS10プレミアム「2ヵ月連続 ザ・レジェンド:高倉健PART1」
- KADOKAWA「君よ憤怒の河を渉れ」
- 角川シネマコレクション「君よ憤怒の河を渉れ」
- 松竹 作品データベース「君よ憤怒の河を渉れ」
- JFDB「君よ憤怒の河を渉れ」
よくある質問
『君よ憤怒の河を渉れ』は11月8日の何時から放送されますか?
2026年11月8日(日)14時30分から、BS10プレミアムで放送されます。
『君よ憤怒の河を渉れ』の脚本と監督は誰ですか?
脚本は田坂啓さんと佐藤純彌さん、監督は佐藤純彌さんです。原作は西村寿行さんの同名小説です。
高倉健さんはどんな役を演じていますか?
東京地検の検事・杜丘冬人を演じています。身に覚えのない罪を着せられ、警察に追われながら自分を陥れた罠の真相を探る人物です。
まとめ
『君よ憤怒の河を渉れ』は、無実の罪を着せられた検事を主人公にし、追跡アクションと真相究明を同時に進めるサスペンスです。11月8日14時30分から、BS10プレミアムの「2ヵ月連続 ザ・レジェンド:高倉健PART1」で放送されます。
脚本の視点では、検事を「追う側」から「追われる側」へ反転させた設定、逃亡しながら真相へ近づく二重の目的、強い追跡者を置いて緊張を保つ構造が見どころです。
高倉健さんの寡黙な演技を見るときは、台詞の量だけでなく、危機の中で何を選び、誰を信じ、どこへ向かうのかという行動に注目してみてください。人物を説明しすぎずにドラマを進める方法を考える上でも、学びの多い作品です。

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