映画、ドラマなどの物語を作るときに欠かせない要素のひとつが「プロット」です。プロットとは、物語の筋書きや展開のことで、登場人物や場面、事件などがどのように絡み合っていくかを示します。プロットを作ることで物語に一貫性や論理性を持たせることができますが、どのように考え、どのように書くべきか悩む人も多いでしょう。
この記事では、脚本家として実際にプロットを作成する際の視点も交えながら、プロットの意味や語源、役割、書き方の基本、そして書く際に見落としがちな注意点までをまとめて解説します。プロットをマスターして、素敵な物語を作りましょう。
目次
プロットの意味

プロットという言葉は、英語のplotという単語が由来です。plotには、小説や映画などの物語の筋書きや構想を意味するほかに、陰謀や計画などを意味する場合もあります。またその語源は、ラテン語のplottusという単語にまでさかのぼり、小さな区画や区分を意味がありました。
この意味が転じて、区画された土地や地図上の点などを意味するようになり、やがて、地図上の点を結んで線を引くという意味や、物事の経過や展開を示すという意味に発展したのです。
これが、物語の筋書きや構想を表すプロット(plot)の意味だといわれています。
プロットの役割

プロットは、ストーリーの要約という意味を持ちます。「そのシーンでは何をやりたいか」という、テーマやエピソードを記した文章です。脚本を書く前にストーリーの要点や伏線を書くことで、そのプロットを元に吟味・修正を重ねて、脚本を書く際に役立てます。これがプロットの役割です。
プロットが存在することで、一貫性のあるテーマやストーリーを保ち、大事な伏線などの描写漏れや、キャラ同士の掛け合いに引っ張られて話が脱線してしまうことを防ぐ事ができます。つまりプロットは、作品を考える上での土台です。盤石に書き上げておかなければ制作の進行や作品の質に大きく影響します。
プロットの書き方

プロットの書き方に決まった方法やテンプレートはありません。一般的には通常の文章として書きます。脚本形式では書きません。
- 登場人物の行動
- 重要な小道具の描写
- 誰が登場するシーンか、登場人物の確認
- セリフ
上記のようなポイントを簡潔に書きます。
プロットを書く際の注意点

プロットを書く際には、以下の点に注意しましょう。
物語に必要な情報だけを書く
プロットは脚本制作の前段階に作成する資料であると同時に、一部のスタッフに対して物語全体を把握してもらう資料でもあります。冗長になると本質が正しく伝わらない危険が生じるため、できる限り無駄を省いた文体でシンプルに書いてください。
ストーリーの軸は一つに絞ることが肝要です。群像劇のようなお話もありますが、それを除けば基本的に物語とは大きな一本の流れにそって登場人物が関わっていきます。物語に深みを持たせるためにサブストーリーを増やしすぎて、話の中心となるストーリーがおろそかになってしまわないように気をつけましょう。
矛盾や論理的な飛躍をチェックする
プロットを書く際は物語に矛盾や論理的な飛躍がないか確認することが重要です。物語に矛盾や論理的な飛躍があると、読者は物語の世界に入り込めなくなり、作品の魅力が損なわれるからです。
チェックポイントは、物語の設定やルールを明確にすること。その世界にはどのような法則や制約があるのか、登場人物はどのような能力や性格を持っているのか、などを事前に決めておくと、物語の整合性を保ちやすくなります。
起承転結などの構成法を意識する
構成法とは物語の流れや展開を整理するための手法です。起承転結は古典的な日本の物語の構成法で、物語が始まり(起)、進行し(承)、変化し(転)、終わりに向かう(結)という四段階に分けられます。
一方、三幕構造は西洋の劇や映画の構成法で、物語が導入部(第一幕)、展開部(第二幕)、結末部(第三幕)という三つの部分に分けます。これらの構成法をプロットに適用することで、物語にテンポや緊張感を与えることが可能です。
感情的な起伏やサプライズが必要
感情的な起伏とは、登場人物が葛藤する場面や、読者の感情が揺さぶられる場面のことです。サプライズとは、予想外の展開や衝撃的な事実の明らかになる場面を差します。
感情的な起伏やサプライズを作るためには、登場人物の目標や動機、対立や葛藤、障害や危機などを明確に設定し、それらがどのように変化していくかを考える必要があります。
また、読者の期待を裏切るような展開や、読者の知らない秘密を持つ登場人物などを登場させることも効果的です。
プロットに関するよくある質問
Q. プロットとあらすじ、ストーリーの違いは何ですか?
あらすじは、完成した脚本や小説の内容を要約して読者に伝えるための文章です。ストーリーは、登場人物がどのように変化したかという物語全体の流れを指します。一方プロットは、脚本を書く前段階で「各シーンで何をやりたいか」を整理した、執筆者やスタッフのための設計図です。あらすじやストーリーが結果を伝えるものであるのに対し、プロットは執筆の過程で使う実務的な資料だという点が大きな違いです。
Q. プロットはどのくらいの文字数で書くべきですか?
決まった文字数はありませんが、冗長にならないことが重要です。各シーンについて「誰が登場し、何をして、どう話が転がるか」を簡潔にまとめれば十分で、脚本のセリフをそのまま書き込む必要はありません。長くなりすぎる場合は、サブストーリーが増えすぎて話の軸がぼやけている可能性があるため、メインのストーリーラインに絞れているかを見直してみましょう。
Q. プロットを書く際に最も注意すべき点は何ですか?
物語に矛盾や論理的な飛躍がないかを確認することが特に重要です。世界設定やキャラクターの能力・性格といったルールを先に明確にしておくことで、整合性を保ちやすくなります。また、ストーリーの軸を一つに絞ること、感情的な起伏やサプライズを各シーンに織り込むことも、プロットの完成度を左右する大きなポイントです。
まとめ
プロットは物語の骨組みであり、作家の創造力や思考力を高めるツールです。プロットを作る際には、自分の目的やテーマを明確にし、登場人物や場面のバランスを考え、読者の興味や感情を引き出す工夫をしましょう。
プロット作りをさらに学べる本
プロットの組み立て方をより深く学びたい方には、以下の書籍もおすすめです。



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