プロットの書き方が身につく!基礎知識と3つのプロット例

シナリオスクールでは、本番のシナリオを書く前に、プロットの書き方を練習をします。 プロの脚本家も、シナリオを書き出す前にプロットを書きます。 プロットはそれほど大切な工程です。プロットの書き方は、プロの脚本家でも解釈が異なるほど難しく、アマチュアが理解することは難しいかもしれません。 そのため、プロットを書かずに、直接シナリオに取り掛かる方もいるでしょう。しかし、プロットの書き方は、ぜひ身につけておいたほうが良いテクニックです。 プロットの書き方が上達すれば、シナリオ自体も必ずレベルアップするからです。
本記事では、プロットの書き方を身につけるために必要な知識とテクニックを紹介します。 初めてプロットを書く方でもイメージしやすいよう、できるだけわかりやすく解説します。

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映画プロットの書き方

本記事では、映画プロットの書き方を想定して解説します。プロットは、映画だけでなく、テレビドラマやラジオドラマ、マンガや小説などの創作物全般に存在します。それぞれの業界によって、プロットの書き方や形式は異なるかもしれませんが、本質はかけ離れていないと思われますので、参考にしていただければ幸いです。
以降は、映画プロットの書き方として解説していきます。

プロットとは

プロットはシナリオの設計図

シナリオは映画の設計図といわれますが、プロットはそのシナリオの設計図と言えます。プロットの書き方がわからなければ、順調なシナリオ執筆は難しいでしょう。

シナリオを書き進めていくと、破綻に気づく事があります。その時、シナリオのように詳細に書いたものを修正するのは大変です。その点、プロットがあれば、さして苦労もなく修正することが出来るでしょう。

また、シナリオを書くとき、作者はその世界にのめり込み、視野が狭まります。プロットがあれば、俯瞰して客観的に全体像を見ることが出来ます。

プロットの文章量

一般的なプロットは、200字詰め原稿用紙で30~50枚程度にまとめます。時と場合によっては、数枚程度にまとめるよう要求されることもありますが、アマチュアの場合、イレギュラのケースは考えなくても良いでしょう。

プロットの形式

プロットの形式は、小説のような文章になります。しかし、小説のような説明的、抽象的な表現はしません。読者の脳裏に映像が浮かぶように、登場人物のディテールや台詞・動きをできるだけ具体的に書きます。一字一句イメージを呼び起こす表現とならなければいけません。その点、小説よりシナリオに近いといえます。

プロットとシナリオの違い

プロットとシナリオの違いは、まず見た目(書き方)が違います。シナリオは柱、ト書き、台詞と分けて書きますが、プロットはひとかたまりの文章として書きます。

プロットは骨で、肉付けしてシナリオとなるイメージを持つとわかりやすいかもしれません。見た目は明らかに違いますが、骨格(大まかな構成)は同じということです。

そして、映画製作の視点で見ると、シナリオは道標、プロットは判断材料といえます。これは、どちらも関係者が読むことには変わらないですが、シナリオは制作を進める際の道標として使われ、プロットは作品を作るかどうかの判断材料として使われることを意味します。

プロットの読者は関係者

先述したとおり、プロットは制作関係者が読みます。主に、企画会議など制作映画を選考する場面で読まれます。

プロットで選考する理由は、シナリオでは長すぎるからというのが一番の理由でしょう。何本も候補シナリオを読むのが大変だし、もし修正が入った時にはシナリオライターも作業が大変です。だから、シナリオより短いプロットで選考するのです。

プロットには仕組みが必須

脚本家は「シナリオにしよう!」「映画にしよう!」と制作関係者に思わせるプロットの書き方を身につけなければいけません。そのような良質のプロットには、狙いが上手に組み込まれているものです。
狙いとは、仕組みとも言われます。

「このプロット(作品)の売りはなにか」「役者はどのように動くのか」「撮影場所はどこか」「映画のスケール感はどの程度か」などの検討材料を、プロットで伝えるためのテクニックが仕組みです。

実際のプロットの書き方は以下で説明します。

プロットの作成手順

プロット作成はシナリオ創作工程の要

初めてプロットを書く時は、その作成手順もわからないでしょう。まず、シナリオ完成までの手順を確認します。概ね以下のような手順となると思われます。

  • 手順1_アイデアや思いつきからテーマを設定する
  • 手順2_テーマを起承転結に分けてストーリーを作る
  • 手順3_ストーリーに仕組みを加えてプロットにする
  • 手順4_プロットを更に細かくして構成を組む
  • 手順5_構成を元にシナリオを完成させる

プロットの作成は全体の真ん中に位置します。シナリオ制作に全体から見ても、要のパートといえるでしょう。ストーリーでは企画会議にかけられないし、シナリオの設計図にもなりえません。なぜならストーリーはあくまで素材に過ぎないからです。料理に例えるなら、素材は調理してこそ、食べたいと思わせます。逆に言えば、手を加えないと、その魅力が伝わらないのです。同じ意味で、どれだけストーリーが良くても、面白そうに見せなければ意味がないのです。面白く見せるには、ストーリーに仕組みを加えて、プロットにします。

ストーリーに仕組みを加えてプロットにする

ストーリーには仕組みがなく、プロットには仕組みがあります。簡単な例で説明します。

例えば「受験生が大学入試に落ちて自殺をする」というストーリーがあるとします。これだけでは、どこに魅力があるのかわからないし、作品のイメージも読み取れません。

そこで、仕組みを加えます。「受験生は遊び人で何度も浪人を繰り返している。今回受験に失敗したら親から勘当すると宣言される。親の金がなければ遊べないと、死に物狂いで1日20時間勉強した。しかし、受験当日にひどい下痢になり会場に行くことも出来ずに受験失敗した。家に帰ると鍵が取り替えられ、中に入ることも出来ない。弁解しようにも聞いてもらえない。大学講堂の屋上から飛び降り自殺パフォーマンスをして許しを請おうとするが、足を滑らせて転落してしまう」

これはストーリーではなく、プロットになっています。つまり、仕組みをもたせるとは、ストーリーに具体性を持たせて、作品の見所やイメージを伝えることです。

プロットの構成

プロットでは、大まかな構成を組むことになります。プロットの構成は、そのままシナリオの構成となることも多く、念入りに作る必要があります。プロットの構成は、シークエンスを最小単位として考え、その順番を入れ替えたり、変更したり、柔軟に対応していきます。

シークエンスとは

シナリオの最小単位はシーンですが、プロットの最小単位はシークエンスです。シークエンスはいくつかのシーンの集合体と考えて下さい。大まかな出来事をシークエンスとしてまとめ、その配置を考慮して組み上げたものがプロットになります。

シークエンスをつなげる因果関係

プロットとは、シナリオ全体の筋です。筋を構成する一連の出来事をシークエンスと呼びます。プロットは、シークエンスをつなげて作る骨組みとなります。

シークエンスとシークエンスの間には、因果関係がなければいけません。
Aというシークエンスがあるから、Bというシークエンスがつながるのです。

  • 親がいるから子供が生まれる
  • 雨が降るから草木が育つ
  • 喧嘩をしたから絆が深まる

この因果関係の繋げ方には、いくつかのプロットパターンがあります。

3つのプロットフォーマット例

プロットの構成パターンはさまざまありますが、以下の3パターンに大きく分類することができます。初心者やアマチュアの方は、これらを例として参考にし、プロットの書き方を身につけると良いでしょう。

直線タイプのプロット

A→B→Cというように、時系列にのっとって順番にシークエンスがつながるタイプ。直線タイプのプロットです。新聞記事のように、起承転結が正確につながっています。童話や子供向けの作品に多く、プロットの筋としてはわかりやすいが、反面、単純すぎて退屈してしまうデメリットもあります。

紆余曲折タイプのプロット

一度、直線タイプを作り上げた後に、B→A→Cのように順序を入れ替える紆余曲折タイプのプロットです。インパクトのある展開を演出することが出来、観客の興味をひきつけますが、あまり複雑にしすぎると、脇道に逸れて主題が伝わりにくくなるデメリットもあります。大多数の映画やドラマがこのタイプに属します。

オムニバスタイプのプロット

A、B、Cがそれぞれ独立しているオムニバスタイプのプロットもあります。
この場合、狂言回しの役割を持つ登場人物が存在することがよくあります。
一つずつのシークエンスが短くなるので、作品にのめり込むことが難しい反面、切り替えごとに目新しい興味を引くことが出来ます。

まとめ

プロットの書き方がわからず、いきなりシナリオを書くと、様々なリスクがあります。修正の範囲が構成にもおよんだ際、シナリオの状態だと範囲が広大になり手間がかかる。また、シナリオを俯瞰して見ることが出来ないので、客観的な意見を持ちにくくなります。

反面、プロットの書き方をおぼえると、構成を柔軟に練ることになるので、シナリオのレベルアップにつながるはずです。また、作業効率は確実に上がるでしょう。

また、関係者への企画プレゼンにプロットは必須です。プロのシナリオライターを目指すなら、アマチュアのうちからプロットの書き方はマスターしておくべきです。