登場人物を魅力的にする”行動”の3原則

物語の中心は主人公であり、周囲には脇役や敵役が配置されています。彼ら登場人物が魅力的に描かれることが良い脚本の条件のひとつだと言えるでしょう。登場人物の魅力をひきだすには秘訣があります。それは行動させることです。「行動させるとは?」ピンとこない方はぜひ本文をお読みください。記事では、読者に好かれる登場人物の条件、登場人物の魅力を伝える方法、行動の描き方のコツについて解説します。

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読者に好かれる登場人物とは

魅力的な登場人物がいることは良い物語の絶対条件です。主人公はもちろん脇役や敵役にいたるまで、彼らは読者に興味を持たれなければなりません。無関心だけは避けてください。そのための条件とはなんでしょうか。

友だちになりたい、応援したいと思わせる登場人物は魅力的です。ポイントは読者に感情移入をさせること。この人物についてもっと知りたい、この後はどうするのだろうと興味を抱かせなければなりません。逆に、もう見たくない、どうでもいいと思われたら人物造形に失敗していると言わざるをえないでしょう。実際にあなたの苦手な人を思い浮かべてください。その嫌な人物がどんな人生をたどりこの先どうなろうと、さして興味はわかないはずです。

一方、一般的に嫌なヤツでも興味をそそる人物はいます。例えば、あなたはコンビニ強盗を応援したいとは思わないでしょう。しかし病気の母親の治療費を手に入れるためという理由が明らかになったとしたら、犯罪者であっても応援したくなる気持ちが生まれるかもしれません。

登場人物には二面性があります。銀行強盗という外面と母親を思いやるという内面です。読者は、登場人物の内面を知って初めて魅力を感じます。主人公であれば思わず応援したくなるような内面を描くのです。逆に悪役であっても確固たるポリシーを持つなどの内面を描けば読者は憧れを抱きます。

  1. 登場人物は内面をさらけ出すほど魅力的になる

登場人物の魅力を伝えるには

登場人物の内面とはなにか。人間性や独自の思考がそうです。『バットマン』の主人公ブルース・ウェインは悪を滅ぼすために妥協をしませんし、宿敵ジョーカーは彼なりの美学を持って凶行に走ります。

脚本の読者はどうやって彼らの内面を知るのでしょうか。ブルースは自分で「私が正義だ」と話しません。どれだけ傷ついても屈しない様子から彼の意思を感じ取るのです。常軌を逸した犯罪に手を染めるジョーカーを見て、読者は彼の思考の一端に触れます。聖人君子でもない限り、興味を抱いても不思議ではありません。つまり彼らが何をしたか、その行動が重要なのです。印象的なセリフで主張を述べることもありますが、それらは補足だと理解をしてください。

実在する人物の内面を知る際も、行動からしか真実は見えてきません。例えば、自分の家族を想像してください。あなたは家族を信頼していると思いますが、彼らから「信頼してほしい」と言われた経験はあまりないはずです。言葉はなくとも、ともに生活した時間が根拠になって信頼しているのではないでしょうか。

どんなことで喜び、怒るのか。寝食をともにした経験があるから、その人物を理解できます。それが行動から相手を理解するということです。今日はじめて知り合った人物から「私を信用してくれ」と言われても信頼できません。なぜなら言葉ならなんとでも言えるからです。人間性の本質は伝わりません。

読者が登場人物に魅力を感じるには行動で示す必要があります。しかし脚本の場合、長い年月をかけて見極めることはできません。映画なら2時間、実際は冒頭の10分程度でその登場人物の人間性を伝え、魅力的だと感じてもらうために行動するのです。

  1. セリフに頼るな、行動で見せろ

行動の描き方のコツとは

登場人物の魅力を伝えるには、脚本冒頭で印象的な行動を見せることです。しかし意味のない行動は、文字通り無意味なので気をつけてください。例えば、目覚めて、ベッドを出て、ご飯を食べて、歯を磨いて…という朝のルーティンを描いても、魅力は伝わらないからです。

脚本で描く行動には意味が必要です。普通、歯磨きという行動に意味はありません。強いて言えば虫歯になりたくないとか、口臭が気になるから磨くというくらいです。これでは普通すぎてわざわざ脚本で書く必要はありません。一方、一日に10回、決まった時間に歯を磨くという行動ならどうでしょうか。この登場人物は神経質なのか? と読者の興味をひきつけます。登場人物の人間像を説明するための行動であれば、脚本に書く意味があるのです。

また、ストーリーを展開させるための行動も書く意味があります。普段は歯磨きをしない人物が、1日に10回も洗面台に立てば、理由があるのだと読者は考え興味をいだきます。実は「一目ぼれした歯科医から歯がキレイな人が好み」と言われていたとしたらどうでしょう。この後、ピカピカに磨いた歯を見せるために歯科医院を訪れるかもしれません。このように、ストーリーが展開するために必要な行動であれば読者の興味を引き付けられるのです。

  1. 行動に意味をもたせる

まとめ

優れた脚本には魅力的な登場人物が欠かせません。彼らは内面を見せることで読者から共感を得ます。内面は口先だけでなく、行動によってのみ正しく伝えられるのです。しかしただ単に行動すればいいというわけではありません。キャラクターの説明だったり、ストーリーを進めるためだったりという理由が必要です。