バディものが持つメリット『ミッドナイトランナー』

韓国映画『ミッドナイトランナー』の主人公は2人います。短絡的だが行動力があるギジュン、慎重だが頭脳派のヒヨル。彼らは正反対のキャラクターです。だからこそ相乗効果が生まれ、映画を魅力的にしています。

知り合った当初はお互いに拒絶していた2人ですが、序盤である出来事があり仲良くなります。2人で一人の主人公、という感じです。これは創作上とても都合が良いといえます。

たとえば、ある事件が起きた際、ひとりは突き進む、もうひとりは立ち止まるというように意見が割れれば葛藤が生まれやすいからです。主人公が一人の場合、頭の中で天使と悪魔に争わせたり、葛藤の演技で見せたりしなければなりません。ところが、二人いるとセリフで言い争うことも自然にできます。これは創作的に簡単だし、見ている方もわかりやすいです。

『ミッドナイトランナー』には、警官として未熟な主人公たちが、初めて接する巨悪にどう立ち向かうのかというテーマがあります。手に負えないから見て見ぬ振りをするのか、玉砕覚悟で突っ込むのか、ここでも2人で葛藤するのです。この時、支えになる教官の存在も大きいでしょう。浮足立っている主人公たちに対して、地に足のついた意見を述べクールダウンさせます。物語が安定します。

バディ(相棒)パターンは過去になんども採用されてきた王道のひとつ。このような脚本の執筆を考えている人は、『手錠のまゝの脱獄』や『ミッドナイト・ラン』などと一緒に本映画も参考としてはいかがでしょうか。

ちなみに本映画は2020年春から夏にかけて日本テレビで放送される土曜ドラマ『未満警察 ミッドナイトランナー』の原作にもなっています。映画と見比べてみるのも面白いかもしれません。