脚本のテーマと題材が決まれば、次はストーリーを考えます。良いストーリーを考えるコツは3つの要素を忘れずに取り入れることです。記事では、脚本のストーリー作りのコツについて解説します。
脚本家としてストーリーを組み立てる際、いつも意識しているのが「人物」「舞台」「行動」という3つの要素です。この記事では、その3要素とは何か、ストーリーをできる限り短く語るための考え方、そして出来事と出来事を感情の因果関係でつなぐ方法について紹介します。
目次
ストーリーの3要素とは

脚本のストーリーには、必ず入れておきたい3つの要素があります。それは「人物」「舞台」「行動」です。
これは、「だれが」「いつ、どこで」「なにをしたか」と言いかえられます。
例えば、「小学生が、夕方の公園で、友だちとサッカーをした」という一文には3つの要素が含まれており、ひとつのストーリーとして成立しています。
一方、ひとつでも要素が欠けると、読み手に内容が伝わりません。そのため、ストーリーにはこれら3つの要素が必要です。
ストーリーはできる限り短く語る

「人物」「舞台」「行動」の3要素がそろっていても脚本のストーリーとして未熟であることがあります。多くの場合、要素を入れ込みすぎることが失敗の原因です。
人は、伝えたいことがある時には、自分でも気づかないうちに言葉数が多くなります。話している本人は、親切心から丁寧に話しているつもりでも、聞いている方からすると退屈であることがほとんどです。
伝えるべきことをシンプルに、要素の不足なく、できるだけ短く伝えるように心がけましょう。「その後、どうなったの?」と読者から聞かれるくらい無駄を削ぎ落としたストーリーがベストです。
ストーリーの出来事は因果関係でつなぐ

ストーリーとは、出来事と出来事がつながっている鎖(くさり)のようなものです。鎖は、ひとつひとつの鉄の輪っかをきちんとつなぎ合わせないとバラバラになってしまいます。
ストーリーも同じです。出来事と出来事をしっかりとつなぐ必要があります。出来事同士をつなぐには、因果関係を意識してください。
因果関係とは、簡単に言うと、ふたつの出来事が原因と結果の役割を持って結びつく関係です。
刑事ドラマを例に解説します。「事件が発生する(原因)」から「捜査が開始される(結果)」のです。また、ひとつの出来事には原因と結果の両方の意味が備わっており、ストーリーの最初から最後まで因果関係が連続します。
事件が発生する
↓
捜査が開始される
↓
相性が最悪の二人が相棒になる
↓
衝突を繰り返す
↓
絆が深まる
↓
相乗効果を生み出す
↓
事件解決
因果関係は主人公の感情
ストーリーの出来事同士を結びつけるには因果関係が接着剤の役割を果たします。因果関係は、主人公の感情に注目して考えましょう。原因となる感情があるから、行動という結果につながる、という風に考えるのです。
- 嬉しいから、優しくする
- 怒るから、殴る
- 悔しいから、つらくても頑張る
- 楽しいから、許す
このような感情の因果関係を積み上げることで、ストーリーは盛り上がります。
また、感情の因果関係がきちんと成立していると、少々強引なストーリー展開でも、読者は納得できるのです。
例えば、「主人公が事件に遭遇する」→「次の日、急に転校する」のように、出来事をただ並べただけで感情のつながりがないのはNG例です。良い例は、「事件に遭遇して怖くなる(感情)」→「だから安全な場所へ逃げようと転校を決意する(行動)」のように、感情を介して出来事と出来事をつなぐことです。原因となる感情を描くことで、強引に見える展開にも説得力が生まれます。
脚本のストーリー作りに関するよくある質問
Q. ストーリーとプロットはどう違うのですか?
ストーリーは「人物」「舞台」「行動」がそろった出来事の連なりそのものを指します。プロットは、そのストーリーをどの順番で、どのように見せるかという構成・組み立て方のことです。まずはシンプルなストーリーを固め、そのうえでプロットを工夫すると考えるとわかりやすいでしょう。
Q. 「人物」「舞台」「行動」のうち、最初に決めるべきものはありますか?
決まった順番はありませんが、テーマや題材が先にある場合は「人物」から考えると進めやすいことが多いです。どんな人物が、その出来事に最もふさわしい感情を持って行動するかを考えると、自然と「舞台」や「行動」も決まってきます。
Q. 因果関係でつなぐと、展開が単調になりませんか?
単調になるのは、因果関係が一本道で予想通りに進む場合です。同じ感情の因果関係でも、途中に葛藤や選択を挟むことで、結果が予想と違う方向に転がるようにできます。因果関係そのものは「つながりの土台」であり、その上にひねりを加えることは十分可能です。
まとめ
脚本のストーリーを作るには、「人物」「舞台」「行動」の三要素が必要です。ただし、できるだけシンプルな出来事で書かなければなりません。その際、出来事と出来事は感情による因果関係でつながっていることが望ましいでしょう。
脚本家としてストーリーを組み立てるときは、「人物」「舞台」「行動」の3要素がそろっているか、出来事を削れるところはないか、そして出来事同士が感情でつながっているかを必ず確認しています。この3つの視点を意識するだけで、ストーリーの説得力は大きく変わります。
脚本の書き方をさらに学べる本
ストーリー作りや構成についてさらに深く学びたい方には、以下の書籍もおすすめです。


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