脚本の書き方は勉強しても、あらすじの書き方には興味がないという人は結構います。また、本編を短くまとめるだけであらすじになると思っている人も少なくありません。
あらすじは作品の顔とも言うべき大切な文章です。丁寧に書かなければ本編を読んでもらえない危険性もあります。
記事ではシナリオコンクールのあらすじを書く際に、覚えておいたほうが良い基礎的なことを紹介します。あらすじ執筆の参考としてください。
脚本家として、あらすじは「本編のダイジェスト」ではなく「審査員を本編へ引き込むためのプレゼンテーション」だと考えています。この記事では、シナリオコンクールで通過するあらすじを書くために知っておきたい3つの基礎と、ありがちな失敗例を紹介します。
あらすじの書き方基礎1_
ポイントを絞る

シナリオコンクールの場合、本文に添付するあらすじの文字数は800文字程度です。少なく見積もっても、2時間の脚本が3~4万字だとすると、要約するだけでも一苦労だとわかります。
また、あらすじは短ければいいというものではありません。役割を果たすだけの完成度が必要です。
あらすじの基本的な役割については、あらすじとは?基本的な役割を解説でも詳しく解説しています。
あらすじでは、主人公を中心としたメインストーリーが重要です。
まず、そのようなシーンを箇条書きにします。次に、主人公の葛藤、ストーリーが大きく進んだきっかけ、クライマックスなどを抽出してください。最後に、それらの要素をつなげてあらすじにします。
NG例は、主人公の生い立ちやサブキャラクターの設定まで丁寧に説明し、800文字のほとんどを状況説明に使ってしまうことです。良い例は、主人公の目的・葛藤・結末に直結する情報だけに絞り込み、メインストーリーの流れが一読で伝わるように書くことです。
コンクールのあらすじではラストのオチまで全て書いてください。「とっておきのエピソードだからあらすじでは隠しておきたい」と出し惜しむのは禁物です。全力で書いたあらすじでなければ、本編を読みたいとも思われません。
あらすじの書き方基礎2_
起承転結に当てはめる

あらすじは、起承転結に当てはめると書きやすいです。
「起」では、主人公の基本情報を提示します。いつ、どこで、どのような人物が中心の物語であるかをハッキリ書いてください。これからどんな物語が始まるのか期待させる部分でもあります。
「承」には、ストーリーを加速させる役割があります。「起」で生まれたエピソードを発展させたり、全く別の視点から切り込んだりして、物語をグイグイ進行させましょう。
「転」は一番盛り上がるパートです。あらすじといえど躍動感が伝わるように書いてください。最大の試練にどう立ち向かうか、またその結果についても書きます。
「結」は物語の着地点です。作者は何を伝えたかったのか、どんな結末になったのかをハッキリさせます。
起承転結という構成フォーマットの組み方については下記で詳しく解説しています。参考にしてください。
起承転結の組み方については、起承転結とは?シナリオでの使い方とプロット例をわかりやすく解説で詳しく解説しています。
あらすじの書き方基礎3_
必須の要素を含める

シナリオコンクール用あらすじの文字数は800文字程度です。そのため、文字数に過不足がある場合は調整します。
ただし、単純に文字数を合わせるのではなく、読者が求める要素を配置するよう心がけてください。
ここでの読者とは、コンクールの審査員です。彼らがあらすじを読む際は、以下の要素に注目します。
具体的には、印象的なキャラクターが登場しているか、舞台設定が明確に示されているか、見せ場の大きさと数が十分か、そして作品全体を貫くテーマが感じられるか、といった点です。
この要素を含むあらすじは、読者(審査員)から喜ばれます。審査の次の段階に進める可能性が高まるはずです。
印象的なキャラクターの作り方は、印象的なキャラクターの作り方【4つの秘訣】で詳しく紹介しています。
シナリオコンクールのあらすじに関するよくある質問
Q. あらすじは何文字程度で書けばいいですか?
シナリオコンクールでは800文字程度が一般的です。文字数は募集要項によって異なるため、必ず確認してください。文字数に収まらない場合は、メインストーリーに直結しないエピソードを削るところから検討しましょう。
Q. あらすじで結末まで書くと、本編を読む楽しみが減りませんか?
シナリオコンクールのあらすじでは、結末まで書くのが基本です。審査員は「物語が成立しているか」「結末まで一貫した構成になっているか」を見ています。本編の楽しみはセリフや描写、伏線の張り方などにあるため、あらすじで結末を明かしても問題ありません。
Q. 起承転結のどの部分を一番丁寧に書くべきですか?
「転」にあたる部分です。主人公が最大の試練にどう立ち向かい、どんな結果を迎えるのかは物語の核となる部分です。あらすじでもこの部分の躍動感が伝わるように書くと、審査員の印象に残りやすくなります。
まとめ
シナリオコンクールのあらすじは、脚本本編を要約しただけの文章に思われがちです。しかし、読者である審査員には通用しません。彼らを納得させるには書き方の基礎を学ぶ必要があります。
記事では、そのポイントを3つ紹介しました。ぜひ執筆の参考としてください。
脚本家として、あらすじは「本編を読んでもらうための最初の関門」だと考えています。今回紹介した3つの基礎を意識しながら、何度も書き直してみてください。
脚本の書き方をさらに学べる本
構成やキャラクター作りについてさらに学びたい方には、以下の書籍もおすすめです。


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